帝国データバンク、2025年1月の「カレーライス物価指数」を調査・分析
帝国データバンクは、生鮮食品などの値上げを加味した食卓への影響度を示す「カレーライス物価指数」を独自に試算・分析し、 2025 年 1 月度の指数を発表した。これは、総務省「小売物価統計」から、カレーライスの具材となるじゃがいもなどの材料や、電気・ガス代など水道光熱費の全国平均価格を基に、それぞれの分量や各調理工程の分あたりエネルギー使用量を配分し算出したもの。
家庭の食卓で人気のメニュー「カレーライス」の調理費用が過去最高値を更新する局面が続いている。カレーの調理に必要な原材料や光熱費などの価格 ( 全国平均 ) を基に算出した、カレーライス 1 食当たりのトータルコストを示す「カレーライス物価」は、 2025 年 1 月時点で 396 円となった。前月 (386 円 ) から +10 円、前年同月 (317 円 ) からは +79 円 (+24.9 % ) と大幅な上昇となり、 10 ヶ月連続で最高値を更新した。前年からの値上がり幅も、 2015 年以降では最大だった。輸入牛肉の価格高騰は一服したものの、ジャガイモなど野菜類の価格が再び上昇したことでカレー具材の価格が上昇したほか、コメ価格の高止まりで「ごはん ( ライス ) 」の値上がりも続き、カレーライス物価は引き続き上昇基調で推移した。
カレーライス物価を構成する費用の内訳をみると、最も費用が高いのが全体の約 5 割を占める「カレー具材 ( 肉・野菜 ) 」で、前年同月 (197 円 ) から 12 円増の 209 円だった。カレー具材の価格としては、猛暑による生育不良で野菜価格が高騰した昨年 8 月以来となる高値となった。「ごはん ( ライス ) 」価格は 158 円となり、足元でコメ店頭価格が高止まりしていることを背景に、前年同月 (92 円 ) からは +66 円と大幅に上昇し、過去最高値を更新した。炊飯器での炊飯やガス調理などの「水道光熱費」 (4 円 ) は、政府による電気・ガス代補助により価格が抑制されたことで、低下傾向での推移となった。「カレールー」 (25 円 ) は価格の変動がなかった。
カレーライス物価を基に、 2020 年平均を 100 とした独自算出の「カレーライス物価指数」をみると、 2025 年 1 月の指数は 144.5 となった。カレーライス物価は 5 年間で 4 割を超える記録的な物価高が反映された。同指数の前年同月比では 24.7 %上昇し、 20 ヶ月連続のプラスとなったほか、 2015 年以降で最大を記録した。
※調理シーンは「 6 食分 ( 市販のカレールー 1/2 パック ) をまとめて調理した」ものとした
※原材料:ニンジン・ジャガイモ・タマネギ・牛肉 ( 輸入 ) ・コメ ( コシヒカリ 1 食 200g 換算 ) ・カレールー ( 市販 ) ・食用油
※エネルギー:電気 ( 炊飯器での調理 / 約 7 合分の炊飯+ 6 時間の保温を加味 ) ・ガス ( 強火・中火・弱火の各調理手順 ) 、水道水 ( 上水道分のみ、下水道使用料は除く / 食材・食器類の洗浄にかかる水量は考慮していない )
記事配信・制作協力/外食ドットビズ
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