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気候変動に対応!越冬耐性の強い新たなビール大麦の品種開発を開始

サッポロビールは、気候変動への対応に向けて、寒冷地で夏の暑さを避け栽培するために、越冬耐性の強い新たなビール大麦の品種開発を開始したと発表した。

同社は、北海道における秋播き二条ビール大麦開発の可能性について国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 ( 農研機構 ) と共同研究を行い、 9 月 11 日に一般社団法人日本育種学会で研究内容を発表した。近年、地球温暖化等の気候変動により、農作物の品質の低下や収穫量の減少などが懸念されている※。また、極度な高温や乾燥の進行により、ビール原料の安定供給へ負の影響を及ぼす可能性も示唆されている。北海道で生産されている現在のビール大麦は、本州の秋播きとは異なり、北海道の厳しい冬に対する耐性を持っていないため、春播きで栽培がされている。しかし、春播き栽培でも近年、 7 月上中旬頃の登熟期の局地的な大雨や 7 月下旬から 8 月にかけての収穫期の高温の影響を受け、穂発芽や赤かび病の発生、細麦化のリスクが高まっている。

本研究では、さまざまなビール大麦の遺伝資源を秋播き条件にて栽培し、冬季の北海道で懸念される越冬性について調査した。同社および農研機構の保有する 152 種類のオオムギを秋播きし、水はけの良い / 悪い畑、雪中での罹病への対策有無、 9 月下旬 /10 月中旬の種まきと、条件を分けて栽培した。その結果、水はけがよく、病気への対策を実施し、 9 月下旬に播種することで、北海道の秋播きが可能なオオムギを複数見出すことができた。その中には二条ビール大麦も含まれており、秋播きに適性をもつ二条ビール大麦品種が開発可能であることが示唆された。北海道で秋播きが可能なビール大麦を開発することができれば、比較的気象の穏やかな夏季のはじめに収穫を迎えられ、気候変動の影響を軽減できる可能性があると推察できる。

今後は、基礎研究のパートナーである農研機構と遺伝資源の探索で引き続き連携し、同社にて秋播きが可能なビール大麦の品種開発を進め、 2035 年までに新品種の登録出願、また将来的には北海道のみならず、気象条件の近い北米などの地域での実用化も検討していく。
※ 令和 5 年地球温暖化影響調査レポート ( 農林水産省 )

記事配信・制作協力/外食ドットビズ

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