日本フードサービス協会、会員企業を対象とした9月度外食産業動向調査
日本フードサービス協会(JF)は、会員企業(有効回収事業者数226社・店舗数36,834店)を対象とした2025年9月度の外食産業動向を発表した。なお、本調査は、新規店も含めた全店データを業界全体および業態別に集計し、前年同月比を算出したもの。
9月は例年、夏休み明けに外食需要は一旦落ち着くが、今年は特に厳しい残暑と物価高騰が続き、外食控えと節約志向が強まり、レストラン業態・飲酒業態で特にその傾向が強く、前半を中心に客足が鈍った。一方で、堅調なFF業態やFRの低価格業態が外食全体の売上を押し上げ、売上は104.8%となった。
全体および業態別の対前年同月比は以下の通り
■全体【売上高104.8%・店舗数100.8%・客数101.3%・客単価103.4%】
■ファーストフード業態【売上高106.1%・店舗数101.5%・客数102.6%・客単価103.5%】
FFの全体売上は106.1%となった。業種別売上は、「洋風」は定番の季節限定メニューや新商品などが好調で106.6%。「和風」は、一部で主力商品の値下げなどもあり客数が回復、期間限定メニューも好調で110.1%。「麺類」は、残暑の中あえて投入した冷たい期間限定メニューなどが好評で108.5%。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、回転寿司が月後半の連休に盛り返したものの、全般的に夏休みの需要が一段落して客数失速し97.7%。「その他」は、「アイスクリーム」が毎月替わる人気キャラクターとのコラボ商品が好評で103.3%となった。
■ファミリーレストラン業態【売上高102.5%・店舗数99.4%・客数98.8%・客単価103.8%】
FRは、夏休みが明けて外食需要の一服感が強く、土日が少ない曜日まわりと相まって、すべての業種で客数が前年を下回り、全体客数は98.8%であったが、引き続く客単価上昇で全体売上は102.5%となった。業種別売上は、「洋風」は総じて客数が減少するも引き続き好調の低価格業態が客数を下支えし、全体の客単価上昇で103.8%に。「和風」も、客単価の低い業態が比較的堅調で104.5%。「中華」も、客数は落ちたが客単価の上昇で104.9%となった。「焼き肉」は、夏休み明けで若年層や家族客の集客が一服、曜日まわりも大きく影響し客足が鈍り92.7%となった。
■パブ/居酒屋業態【売上高100.9%・店舗数99.6%・客数98.6%・客単価102.3%】
飲酒業態は、リーズナブルな価格で比較的集客できた店もあったが、月前半を中心に個人客、宴会ともに伸び悩み、上旬の台風によるキャンセルなどもあり、客数は前年を下回ったが、売上は客単価上昇で100.9%。
■ディナーレストラン業態【売上高103.9%・店舗数102.3%・客数102.4%・客単価101.5%】
DRは、インバウンド需要の勢いは9月も各社まちまちであったが、連休の家族需要などで一部好調なところもあり、売上は103.9%となった。大阪のターミナル周辺の一部店舗では、終盤に近づいた大阪・関西万博の訪問者で引き続き賑わいを見せた。
■喫茶業態【売上高107.9%・店舗数101.0%・客数99.6%・客単価108.4%】
喫茶業態は、ターミナル周辺立地の店や大阪・関西万博周辺では集客が前年を上回る店もあったが業態全体の客数は減少、物価上昇による客単価上昇の結果、売上は107.9%となった。
記事配信・制作協力/外食ドットビズ
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