マイナビ、“つながらない権利”をめぐる個人の本音と企業の実態調査
マイナビは、2025年に転職した20~50代の正社員と、2025年に中途採用業務を担当した人事担当者を対象に実施した、「“つながらない権利”をめぐる個人の本音と企業の実態調査」の結果を発表した。なお、“つながらない権利”とは、労働者が勤務時間外(休日や深夜など)に、仕事のメール・電話・チャットなどの業務連絡に対応しなくてもよいと選択できる権利。
■20~50代正社員のうち勤務時間外にも業務連絡がくる割合は7割、管理職ほど割合が高い
20~50代の正社員に「勤務時間外に業務連絡がくることがあるか」を聞いたところ、70.0%が「連絡がくることがある・計(上司・部下とも連絡がある60.3%+上司からはあるが部下からはない7.3%+上司からはないが部下からはある2.4%)」と回答しており、「上司・部下の両方から連絡がある」が約6割で最多だった。
「連絡がくることがある・計」を役職別でみてみると、部長職が90.3%で最多で、次いで課長職89.8%、係長・主任85.7%に対し、非管理職では55.5%に留まった。
また、勤務時間外に「業務連絡をすることがある・計(上司・部下とも連絡をすることがある61.0%+上司に連絡するが部下に連絡することはない7.9%+上司に連絡はしないが部下に連絡することはある0.7%)」も69.6%に達し、「上司・部下の両方に連絡する」が6割強で最多、役職別では部長クラスが90.3%で最も高く、非管理職は43.7%で最も低い。勤務時間外の業務連絡については、連絡する・受けるの双方が管理職に集中している傾向にあるようだ。
■正社員の6割以上が勤務時間外の業務連絡については「拒否したい」
「勤務時間外の業務連絡を拒否したいと思うか」に関しては、3人に2人近くが「そう思う・計(とてもそう思う33.3%+まあそう思う31.0%)」(64.3%)と回答した。「そう思う・計」を年代別でみてみると、20代(計68.1%)が最多となり、40代(計65.3%)、30代(計64.4%)と続き、50代は(計52.7%)5割強と他年代より低く、年代によって勤務時間外連絡の拒否感には差がみられた。
また、勤務時間外連絡について率直な気持ちを聞いたところ、「通知を気にしてしまい、心身ともに十分に休めていないと感じる」(40代男性)、「正社員でも人権として休暇中に対応する義務と責任はないと思う」(20代女性)など拒否感を示す声や、「ある程度仕方ない面もあり、逆に自分が連絡しなければいけない立場の時もあるのでお互い様」(40代女性)といった、場合によっては許容している意見があった一方で、「問題は先延ばしにせずすぐに終わらせるべき」(20代男性)や「外資なら時差があるので当たり前」(50代男性)など、業務上仕方ないという声もあがった。勤務時間外連絡については、個人や仕事内容、企業の特性によってとらえ方の差があるようだ。
■上司へ勤務時間外の連絡をする場合の約6割が「緊急度が高い」と認識
勤務時間外にする業務連絡の緊急度について聞くと、「上司への勤務時間外連絡」の約6割が「緊急度が高いことが多い・計(緊急度が高いことが多い28.3%+どちらかといえば緊急度が高いことが多い32.6%)」(60.9%)と回答した。一方で、「部下から受ける勤務時間外連絡」においては、「緊急度が高いことが多い・計」(29.9%)と回答した割合は3割弱に留まった。上司部下間においては、勤務時間外連絡内容の“緊急性”において認識のズレが生じている可能性がうかがえる。
■企業の「つながらない権利」に関するガイドラインの策定、41.8%が未着手
企業の中途採用担当者に、自社における「勤務時間外連絡の発生有無」を聞くと、7割近くが「発生したことがある・計(頻繁に発生している13.6%+定期的に発生している20.0%+時々に発生している17.1%+まれに発生している17.7%)」(68.4%)と回答し、中でも「頻繁に発生している」と「定期的に発生している」を合わせた高頻度発生割合は33.6%であった。上場有無別でみると、上場企業では「発生したことがある・計」は76.4%と、未上場企業の61.6%を上回った。
また、「つながらない権利」に関するガイドラインの策定の対応状況では、4割強の企業が「未着手・計(対応策を検討中21.3%+まだなにもしていない20.5%)」(41.8%)と回答し、上場有無別でみると、上場企業は計33.4%で未上場企業の計48.8%より15.4pt低いなど、事案の発生割合が対応状況の差に繋がっていることも考えられる。
■勤務時間外業務連絡の常態化、拒否したい本音、企業側対応の遅れが明らかに
マイナビキャリアリサーチラボ 主任研究員の関根貴広氏は、『今回の調査では、勤務時間外の業務連絡が常態化している実態と、できれば拒否したいという本音、企業側の対応の遅れが明らかになりました。また、勤務時間外の業務連絡においての「緊急度の定義」には個人差があり、行動基準が揃いにくい状況が見られます。時間外連絡による心理的プレッシャーは、休息の質の低下など生産性や協働関係にも影響する可能性があります。
さらに、企業側では、3社に2社が時間外連絡を把握しながらも、「つながらない権利」に関するガイドラインの策定は4割以上が未着手という実態も判明しました。すべてを禁止するのは現実的に難しいかもしれませんが、「緊急度の定義」や翌営業日対応を原則とする「返信の期待ルール」を明確化し、必要な連絡を適切なタイミング・手段で行うための合意と仕組みを整えることが現実的かつ有効だと考えます。ガイドラインの明確化と現場運用の具体化を同時に進め、従業員の休息と企業の機動力の両立を図ることが求められます。』とコメントした。
【“つながらない権利”をめぐる個人の本音と企業の実態調査】
<個人>
調査期間:2025年12月16日~12月25日
対象者:正社員として働いている20代~50代の男女のうち、2025年に転職した人
回収数:1,446サンプル
<企業>
調査期間:2025年12月17日~12月22日
対象者:従業員数3名以上の企業において、2025年1~12月に中途採用業務を担当し、「採用費用の管理・運用」に携わっている人事担当者
回収数:1,500サンプル
※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合がある
記事配信・制作協力/外食ドットビズ
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