帝国データバンク、「ハンバーガー店」の業界動向調査_2025年度見通し
帝国データバンクは、全国の「ハンバーガー店」市場について調査・分析を行った。 2025 年度 (2025 年 4 月~ 2026 年 3 月期決算 ) のハンバーガー店市場 ( 事業者売上高ベース ) は、 2 年連続で 1 兆円を超える見通しとなり、過去最高を更新する見込み。価格改定を背景に客単価が上昇する一方、マクドナルドのような「利便性重視型」と、グルメバーガーなど「高付加価値型」の二極化が進んだ。訪日客のニーズ拡大で「和牛」など独自の体験価値を訴求するバーガー店も増加し、多様な選択肢が市場拡大の原動力となった。
2025 年度におけるハンバーガー店の市場規模は、 1 兆 300 億円前後に達する見通しとなった。前年度からは約 2 %前後の増加となり、初めて市場全体で 1 兆円を超えた 2024 年度 (1 兆 161 億円 ) に比べて伸び率 (+7.0 % ) は縮小するものの、 2 年連続で 1 兆円を上回り、過去最高を更新する見込み。「デフレの象徴」だったハンバーガーが、ここにきて新たな黄金時代を迎えている。
店舗数の推移では、主なバーガーチェーン 10 社の合計で 5,300 店となり、前年から 1.6 %の増加となった。市場首位の「マクドナルド」 ( 日本マクドナルド ) 、「モスバーガー」 ( モスフードサービス ) に加え、近年急速に店舗を拡大する「バーガーキング」の台頭も背景に、店舗数は増加傾向で推移している。
2024 ・ 25 年度のハンバーガー店市場は、 100 円台から食べることができる「安価なファストフード」としての枠組みのなかで、原材料費・物流費・人件費の上昇という「三重苦」に直面し、戦略的な価格改定を余儀なくされた。こうしたなか、バーガー業態では「マクドナルド」のような利便性を求める層と、「モスバーガー」や「バーガーキング」、グルメバーガー店のように「品質」や「体験」を求めるニーズの二極化が鮮明となった。
利便性の面では、マクドナルドのモバイルオーダー成功に追随し、主要各社がアプリによる販促を強化していることで、ピークタイムの販売機会ロス低減や、クーポンの配布などによる固定客の囲い込みが進んでいる。また、ブランド牛やこだわりの野菜、チーズなどの具材をのせた高級ハンバーガーの登場により、ハンバーガーが付加価値の高い「嗜好品」としての外食に進化したことが、近時の市場拡大の原動力となった。特に観光地に立地する中小バーガーチェーンでは、近年人気が高まるラーメン業態と同様に、ヴィーガン対応や代替肉の活用、「和牛バーガー」といった日本独自のメニューの認知度が高まり、訪日観光客向けの注文が増加したことで業績を伸ばすバーガー店もみられた。
2026 年度も引き続き、市場の大部分を占有するマクドナルドに対し、特徴的な販売戦略で顧客獲得を狙う「バーガーキング」や「ドムドムハンバーガー」、新業態への転換で再起を図る「ゼッテリア」などのバーガーチェーンに加え、高価格帯など特化型メニューで訪日客の需要をつかむグルメバーガー店と、選択肢の広がりによる市場の活性化が注目されよう。人件費や光熱費、原材料費の高まりなどコスト高への対応が課題となるものの、バーガー人気が一過性のブームで終わることなく、日本の食文化を支えるコンテンツへと飛躍できるか期待がかかる。
記事配信・制作協力/外食ドットビズ
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