帝国データバンク、2025年12月の全国企業倒産集計・分析結果を公表
帝国データバンクは、2025年12月の企業倒産件数(負債1000万円以上の法的整理が対象)について集計し、分析を行った。倒産件数は881件(前年同月比3.9%増)と2ヶ月ぶりに前年を上回った。12月としては4年連続で前年を上回った。
■業種別: 7業種中4業種で前年を上回る、「サービス業」は12月として2000年以降で最多に
業種別にみると、7業種中4業種で前年を上回った。「サービス業」(前年同月215件→232件)が最も多く、12月としては2000年以降で最多となった。「建設業」(同161件→178件)、「小売業」(同186件→175件)が続いた。「卸売業」(同86件→105件、22.1%増)が最も増加し、5ヶ月ぶりに100件超となった。「不動産業」(同28件→23件、17.9%減)は、7ヶ月ぶりに前年を下回った。
業種を細かくみると、「卸売業」では、電気機械器具卸などの「機械器具卸売」(同17件→28件)の増加が目立った。「サービス業」では、ソフトウェア開発などの「広告・調査・情報サービス」(同60件→79件)が増加し、全体の件数を押し上げた。
■規模別: 「100億円以上」が5ヶ月ぶりに2件発生
負債額を規模別にみると、「5000万円未満」が545件(同6.7%増)で最多で、「1億円以上5億円未満」が163件(同3.0%減)で続いた。中小零細規模が目立つ一方、「100億円以上」(前年同月1件→2件)は、5ヶ月ぶりに2件発生した。
資本金を規模別にみると、「個人+1000万未満」の倒産が633件(同2.6%増)となり、全体の71.7%を占めた。
■業歴別: 10年未満の「新興企業」は258件、全体の約3割を占める
業歴別にみると、「30年以上」が最多の272件(同1.9%増)と4ヶ月連続で前年を上回った。このうち、老舗企業(業歴100年以上)の倒産は8件(同±0.0%増)発生し、2025年で最も少なかった。
業歴10年未満の「新興企業」(3年未満・前年同月32件→35件/5年未満・同67件→54件/10年未満・同163件→169件)は258件(同262件)と全体の29.3%を占めた。内訳を業種別にみると、「サービス業」(同85件→77件)が最も多く、「小売業」(同68件→61件)、「建設業」(同52件→60件)が続いた。
■地域別:9地域中6地域で前年を上回る、「関東」は7ヶ月連続で前年を上回る
地域別にみると、9地域中6地域で前年を上回った。最も件数が多かったのは、「関東」(前年同月283件→305件)で、7ヶ月連続で前年を上回った。特に「栃木」(同10件→19件)や「埼玉」(同23件→38件)の増加が件数を押し上げた。「近畿」(同231件→235件)は、12月としては4年連続で増加した。増減率でみると、「北海道」(53.3%増)が最も高く、「中国」(17.2%増)が続いた。一方、「北陸」(32.4%減)が最も低く、2ヶ月連続で前年を下回った。単月でみると、47都道府県中24都道府県が前年を上回った。
■今後の見通し…資金繰り、資金調達、再生などが大きく変化していく起点の年に
2026年はすでに1月1日に施行された「中小受託取引適正化法(取適法)」のほか、会社の有形・無形資産や将来性など総財産を担保にして資金調達する「企業価値担保権」の運用開始、多数決によるスピーディーな私的整理が可能となる「早期事業再生法」の施行などが予定されている。将来的な企業の資金繰り、資金調達、再生などの在り方が大きく変化していく起点の年になると言える。なかでも取適法の施行は、売掛金などの回収サイトが短期化されて資金繰りが改善する中小受託事業者が増えていく効果が期待され、現在増え続けている小規模倒産を抑制していく可能性もある。一方で、委託事業者にとっては支払いサイトが短くなることで資金繰りが悪化するケースが出てくる可能性もあり注意が必要だ。
記事配信・制作協力/外食ドットビズ
過去の記事はこちら
