繁盛店の扉 サッポロビール 飲食店サポートサイト

外食トピックス

帝国データバンク、食卓への影響度は?10月度カレーライス物価指数

帝国データバンクは、食卓への影響度を示す「カレーライス物価指数」を独自に試算・分析し、2025年10月度の指数を発表した。なお、各種価格データは「小売物価統計調査(総務省)」のうち各都市平均値(全国平均)を参照。調理シーンは「6食分(市販のカレールー1/2パック)をまとめて調理した」ものとした。
 カレーライスを家庭で調理する際に必要な原材料や光熱費などの価格(全国平均)を基に算出し、食卓に与える物価高の影響を可視化した「カレーライス物価」。10月は1食あたり451円となった。1年前の10月(371円)からは80円(21.6%)増と、16ヶ月連続で前年同月比2ケタを超える大幅な上昇が続いた。また、前月(438円)からは+13円と急伸し、2ヶ月連続で前月から増加し、過去10年で最高値を更新した。カレーライス物価は再び大幅な上昇へと転じ、今夏に続く「第二次カレーショック」の兆しがみられる。
 カレーライス物価を構成する費用の内訳をみると、最も高いのが全体の約5割を占める「カレー具材(肉・野菜)」で217円(前年同月比16円増)となり、前月から4円上昇した。タマネギのほか、メークインなどジャガイモでも夏場の高温・少雨による影響で不作傾向が強まり、大幅に値上がりしたことが影響した。輸入牛肉でも、米国産の値上がりに加え円安の影響も背景に価格が上昇した。「ごはん(ライス)」価格は、野菜類同様に価格安定の局面から大幅な上昇傾向へと転じており、前年同月(142円)から61円(43.0%)増の203円と大幅に上昇した。「ごはん」価格が200円を超えたのは、比較可能な2015年以降で初めてで、「コメ不足」が深刻化した今夏を上回る高値となった。「カレールー」(28円)は、市販ルーや食用油の値上げが店頭価格に波及し、前月から1円、前年同月からは3円昇した。なお、炊飯器での炊飯やガス調理などの「水道光熱費」(4円)は変動がなかった。
 カレーライス物価を基に、2020年平均を基準(100)とした独自算出の「カレーライス物価指数」をみると、10月の指数は164.7となった。指数ベースで160台が2ヶ月連続となったのは、2025年5月~6月以来、4ヶ月ぶり。前年同月比では21.5%高く、29ヶ月連続のプラスとなったほか、伸び率は5ヶ月ぶりに拡大した。
■10月は460円台到達予想、コメ価格が急反発、食卓で物価高の「圧力」再び高まる見込み
 全国の物価の先行指標となる東京都区部の物価動向を基に予想した10月のカレーライス物価は最高で1食460円台に到達するとみられる。460円の水準は、比較可能な2015年以降のデータで最高値となる。カレー物価の上昇を抑制してきたコメ価格は、2025年産の収穫量が増加したことで流通量に不足感はないものの、コメ農家へ支払う概算金が前年比で倍近い水準に引き上げられたことで取引金額が高騰し、店頭価格で精米5㎏当たり5,000円を超える高値が続いている。集計対象外ではあるものの、コシヒカリに比べて割安だった他の銘柄米でも価格が急騰しており、ごはん(ライス)価格は再びカレー物価を大幅に押し上げる見通し。野菜類でも、北海道産を中心に記録的高値が見込まれるタマネギなど値下がり要因に乏しく、全体では再び上昇傾向が続くとみられる。
 今後のカレーライス物価は、今秋まで続いた430円台の推移から一転し、今冬にかけて過去最高値の水準で推移することが予想される。
※原材料:ニンジン・ジャガイモ・タマネギ・牛肉(輸入)・コメ(コシヒカリ1食:約1合[炊飯前重量])・カレールー(市販)・食用油
※エネルギー:電気(炊飯器での調理/約7合分の炊飯+6時間の保温を加味)・ガス(強火・中火・弱火の各調理手順)、水道水(上水道分のみ、下水道使用料は除く/食材・食器類の洗浄にかかる水量は考慮していない)
※カレーライス物価指数:各月のカレーライス物価を基に2020年平均=100とした価格推移

記事配信・制作協力/外食ドットビズ

過去の記事はこちら