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外食トピックス

帝国データバンク、「食品主要195社」価格改定動向調査_2025年12月

帝国データバンクは、食品の値上げ動向と展望・見通しについて、分析を行った。主要な食品メーカー 195 社における、家庭用を中心とした 2025 年の飲食料品値上げは、合計 20,609 品目となった。前年の実績 (12,520 品目 ) を 64.6 %上回り、 2023 年 (32,396 品目 ) 以来、 2 年ぶりに 2 万品目を超えた。

2025 年 12 月の値上げでは、チョコレート菓子や大豆加工品、調味料など 217 品目を数え、 1 回あたりの値上げ率平均は 17 %となった。前年 12 月 (109 品目 ) から 108 品目 (99.1 % ) 増と 2 ヶ月ぶりに前年を上回った。また、単月の値上げ品目数としては 2 ヶ月連続で 1 千品目を下回り、本年内では 11 月に次いで 2 番目に少ない低水準となった。

この結果、 2025 年 1 月~ 12 月を通じた年間の値上げ品目数は累計 20,609 品目となった。 1 回当たり値上げ率平均は 15 %と、前年 (17 % ) をやや下回る水準が続いた。食品分野別では「調味料」 (6,221 品目 ) が最も多く、前年 (1,715 品目 ) から 4,506 品目 (262.7 % ) 増と大幅に増加したほか、年間では 2022 年以降で 2 番目に多い水準となった。「酒類・飲料」 (4,901 品目 ) は、清涼飲料水のほか、ビール、清酒、焼酎、ワインといった洋酒など広範囲で値上げとなり、前年比で 8 割を超える大幅増となった。 2025 年における飲食料品値上げの勢いは前年に比べて強い状態が続いた。

一方、 2026 年は、 4 月までの判明分で 1,044 品目を数えた。前年同時期に公表した 2025 年の見通し (4,417 品目 ) を大幅に下回るほか、 2022 年以降で最も少なかった 2024 年を下回る水準で推移することが見込まれる。 2026 年は、 11 月末時点で単月あたり 1 千品目を超える値上げはなく、来春にかけて断続的な値上げラッシュは一時的に収束する見通しとなった。食品分野別では、野菜ジュースや輸入酒類、料理用清酒など「酒類・飲料」が最も多い 509 品目で、冷凍食品やパックごはんなど「加工食品」 (397 品目 ) と合わせた 2 分野で、全体の約 9 割を占めた。

2026 年の値上げ要因をみると、 2025 年に比べてモノ由来により値上げを行う企業の割合が高まっており、ほぼ全品目にあたる 99.7 %を占めた。天候不順による不作や価格上昇といった影響を受けた値上げが目立ち、値上げの主因がサービスから再びモノへと回帰する動きもみられる。一方で、 1 ドル 150 円台半ばで推移する円安水準の長期化や原油高を背景に、紙パックや食品トレー、包装フィルムなど、今冬以降に順次値上げされる見通しで、今後こうした要因を理由とした価格引き上げの動きが広がる可能性は残っている。

総じて、値下げや価格据え置きが維持可能な好材料には乏しく、大規模な値上げラッシュは 2026 年春まで概ね「収束」傾向で推移するとみられるものの、粘着的な値上げ機運は中長期的に続く可能性がある。

記事配信・制作協力/外食ドットビズ

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