帝国データバンク、食卓への影響は?6月の「カレーライス物価」を公表
帝国データバンクは、食卓への影響度を示す「カレーライス物価指数」を独自に試算・分析し、2025年6月度の指数を発表した。なお、各種価格データは「小売物価統計調査(総務省)」のうち各都市平均値(全国平均)を参照。調理シーンは「6食分(市販のカレールー1/2パック)をまとめて調理した」ものとした。
カレーライスを家庭で調理する際に必要な原材料や光熱費などの価格(全国平均)を基に算出し、食卓に与える物価高の影響を可視化した「カレーライス物価」。6月は1食あたり440円となった。前年6月(329円)からは111円(33.7%)増と3割を超える大幅な上昇となったものの、前月(441円)からは▲1円と、2024年3月以来、1年3ヶ月ぶりに低下した。引き続き、銘柄米を中心にコメ価格が高値で推移したものの、急激な値上がりペースは一服したほか、ニンジンなど野菜類の価格が前月から一転して大きく低下したことが要因となった。
カレーライス物価を構成する費用の内訳をみると、最も高いのが全体の約5割を占める「カレー具材(肉・野菜)」で214円(前年同月203円)だった。前月からは5円低下し、5ヶ月ぶりに前月を下回った。ジャガイモ・ニンジン・タマネギのいずれも価格が安値に転じたほか、輸入牛肉の価格上昇が落ち着いたことも背景に、価格面で一服感が強まった。「ごはん(ライス)」価格は、足元でコメの店頭価格が高止まりしていることを背景に、前年同月(97円)からは約2倍(+98円)の195円と大幅に上昇し、過去最高値を更新したものの、前月からは+3円にとどまり、6ヶ月ぶりに上昇幅が5円以内に収まった。「カレールー」(27円)は、市販ルーや食用油が値上げされたことが要因で、前月に続き2ヶ月連続で上昇した。炊飯器での炊飯やガス調理などの「水道光熱費」(4円)は変動がなかった。
カレーライス物価を基に、2020年平均を基準(100)とした独自算出の「カレーライス物価指数」をみると、6月の指数は160.7となった。指数ベースで160台を記録したのは前月に続き2ヶ月連続。カレーライス物価は5年間で6割を超える値上がりとなったほか、10年前(2015年5月:260円)からは約7割値上がりし、引き続き食卓には物価高の影響が残った。同指数の前年同月比では33.9%高く、25ヶ月連続のプラスとなったものの、伸び率は7ヶ月ぶりに前月から縮小した。
■7月は1食436円の予想、「急激な値上がり」局面はピーク超えへ
全国の物価の先行指標となる東京都区部の物価動向を基に予想した7月のカレーライス物価は、1食436円前後に低下する可能性がある。主な上昇要因となるコメ価格が、備蓄米の放出を背景に銘柄米で上昇ペースが鈍化したほか、カレーライス物価を構成する野菜類(ニンジン・ジャガイモ・タマネギ)の価格が猛暑による高値も予想されるものの当面落ち着く見通しで、カレーライス物価全体としては3ヶ月ぶりに440円を下回るとみられる。
カレーライス物価は、近年例を見ない価格上昇圧力を反映し、例年に比べて記録的な高値圏での推移が続いたものの、急激な値上がり局面はピークを超えたとみられる。当面は緩やかな値下げ傾向が続くとみられるものの、2025年産米の動向、各種野菜類の生育状況などが今後の動向を左右するとみられる。
※原材料:ニンジン・ジャガイモ・タマネギ・牛肉(輸入)・コメ(コシヒカリ1食:約1合[炊飯前重量])・カレールー(市販)・食用油
※エネルギー:電気(炊飯器での調理/約7合分の炊飯+6時間の保温を加味)・ガス(強火・中火・弱火の各調理手順)、水道水(上水道分のみ、下水道使用料は除く/食材・食器類の洗浄にかかる水量は考慮していない)
※カレーライス物価指数:各月のカレーライス物価を基に2020年平均=100とした価格推移
記事配信・制作協力/外食ドットビズ
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