帝国データバンク、「食品主要195社」価格改定動向調査_2025年8月
帝国データバンクは、 2025 年 8 月以降における食品の値上げ動向と展望・見通しについて、分析を行った。主要な食品メーカー 195 社における、家庭用を中心とした 8 月の飲食料品値上げは 1,010 品目、値上げ 1 回あたりの平均値上げ率は 11 %となった。
前年 8 月 (661 品目 ) から 349 品目 (52.8 % ) 増となり、単月の値上げ品目数としては 3 ヶ月連続で 1 千品目以上の推移となった。また、 1 月以降 8 ヶ月連続で前年同月を上回り、連続増加期間としては記録的な値上げラッシュの 1 年となった 2023 年 2 ~ 7 月を上回り、前月に続き 2022 年の統計開始以降で最長を更新した。
食品分野別に集計すると、だし製品のほか、ポン酢やたれ製品を中心とした「調味料」 (470 品目 ) が最多となった。「乳製品」 (281 品目 ) は、加工向け生乳取引価格の引き上げによる影響を受けて、牛乳やチーズ、ヨーグルト製品など幅広い品目で一斉に値上げとなり、 2025 年内では 3 月 (284 品目 ) 以来の高水準となった。「加工食品」 (109 品目 ) では、冷凍食品のほか、包装餅などで値上げとなるものの、単月としては 2025 年内で 1 月 (58 品目 ) に次ぐ少ない水準となった。
2025 年通年の値上げは、 11 月までの公表分で累計 19,416 品目にのぼり、前年通年の実績 (12,520 品目 ) を 55.1 %上回った。 1 回当たり平均値上げ率は 15 %と、前年 (17 % ) をやや下回る水準が続いた。食品分野別では「調味料」 (6,140 品目 ) が最も多く、前年 (1,715 品目 ) から 4,425 品目 (258.0 % ) 増と大幅に増加したほか、年間では 2022 年以降で 2 番目に多い水準となった。「酒類・飲料」 (4,656 品目 ) は清涼飲料水のほか、ビール、清酒、焼酎、ワインといった洋酒など広範囲で値上げとなり、前年比で 7 割を超える大幅な増加となった。「加工食品」 (4,285 品目 ) は、冷凍食品やパックごはん、海苔などの値上げが目立った。 2025 年における飲食料品値上げの勢いは前年に比べて強い状態が続いている。
値上げ要因では、原材料の価格高騰に加え、光熱費の上昇による生産コスト増、人手不足による労務費の上昇、物流費の上昇などが複合的に重なった。原材料などモノ由来 ( 原材料高 ) の値上げが全体の 97.2 %を占めたほか、「エネルギー ( 光熱費 ) 」 (66.5 % ) 、「包装・資材」 (59.4 % ) 、「物流費」 (80.0 % ) 、「人件費」 (53.9 % ) など、主要な値上げ要因ではいずれも半数を超えた。
先行きでは、 10 月の食品値上げ予定品目数が今年 4 月以来となる 3 千品目超えでの推移が見込まれ、 2025 年内では 4 月 (4,225 品目 ) に次ぐ値上げラッシュとなる見通し。通年の値上げ品目は、 2023 年以来 2 年ぶりに年間 2 万品目台への到達は確実とみられ、今後の動向次第では飲食料品の値上げラッシュが本格化した 2022 年 (25,768 品目 ) の水準に並ぶ可能性がある。
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