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外食トピックス

じゃらん観光国内宿泊旅行調査 2025_都道府県魅力度ランキング-前編

リクルートの観光に関する調査・研究、地域振興機関「じゃらんリサーチセンター(JRC)」は、全国15,586人の宿泊旅行者を対象に、観光などを目的とした宿泊を伴う国内旅行(出張・帰省・修学旅行などを除く)実態を調べる「じゃらん観光国内宿泊旅行調査 2025」を実施。その中から、2024年度(2024年4月~2025年3月)の都道府県魅力度ランキングを発表した。外食ドットビズでは、前・後編の2回に分けて掲載する。
■総合満足度…香川県が圏外から大きくランクアップして1位を獲得
 総合満足度1位は香川県(91.3%)だった。前年度はトップ10圏外で、2024年度は大きく躍進した。2位は沖縄県(89.4%)で前年9位から7ランクアップ。3位の長崎県(88.9%)は同6位から3ランクアップした。ほか、5位の鳥取県・熊本県(各88.0%)、8位の山梨県・三重県(各87.0%)が新たにランクイン。九州からは同率5位の大分県、同率8位の鹿児島県を含め4県がランクインしている。その他4位石川県と、北海道・東北・首都圏・関西からはトップ10入りはなかった。
■地元ならではのおいしい食べ物があった…「カツオ」が圧倒的な人気の高知県がトップ
 1位の高知県は回答者の多くが「カツオのたたき」と回答。2位の長崎県は「ちゃんぽん」が一番人気。ほかには、「佐世保バーガー」「海鮮・魚介類」「皿うどん」「カステラ」「レモンステーキ」など多種多様な食品名が挙がる。3位の山形県は「米沢牛」が最も多いが、「芋煮」「そば」「ラーメン」「玉こんにゃく」など県を代表するご当地グルメも好評だ。7位香川県は多くが「うどん」と回答している。8位に新たにランクインした熊本県は「馬刺し」「あか牛」など肉類が人気。その他、4位が広島県、5位が北海道、6位が石川県、10位が宮城県であった。
■魅力のある特産品や土産物があった…沖縄県や鹿児島県は多様な品目が挙がる
 1位の沖縄県は「ちんすこう」「紅芋タルト」「サーターアンダギー」などの菓子類だけでなく、「海ぶどう」「もずく」「マンゴー」など沖縄ならではの特産品、「シーサー」「琉球ガラス」など工芸品も人気。2位の長崎県は「カステラ」と回答する人が多く、「ちゃんぽん」や「角煮まん」など郷土料理の名前も。3位の鹿児島県は「さつまあげ」「焼酎」「かるかん」「知覧茶」「屋久杉工芸品」などさまざまなお土産品の名前が挙がった。
■魅力的な宿泊施設があった…リゾートエリアと温泉地が人気
 1位の沖縄県は離島を含めたラグジュアリーホテルの名前が多く挙がる。2位の大分県は別府や由布院などの有名温泉宿の名前を挙げる人が多い。3位の佐賀県は唐津のリゾートホテルや嬉野温泉の旅館名が多勢を占める。リゾートエリアや温泉を有するエリアが上位に入るなかで、10位の山梨県はキャンプ場やグランピング施設を挙げる声も少なくない。
■地元の人のホスピタリティを感じた…1位沖縄県、2位山形県、3位高知県
 1位の沖縄県は宿泊施設やマリンアクティビティのスタッフ、あるいはタクシーの運転手や居酒屋の店員の対応の良さから親しみやすさを感じたなどのコメントが多い。居酒屋で満席だったが席を空けてもらったなど特別な体験をしている人もいる。2位の山形県は温泉地を中心に宿泊施設のホスピタリティの高さ、3位の高知県は市場や居酒屋などでの地元の人との会話や触れ合いを挙げる人が多い。
■日本人の価値観変化?香川県1位はスローな旅需要の兆しか
 JRC主席研究員の森戸香奈子氏は、『総合満足度1位の香川県は、日本人の延べ宿泊旅行者数が2024年度138万人(JRC推計値)で、前年度の149万人よりも減少しており、観光地としても決して規模の大きいエリアではありません。一方、食と子どもが楽しめるスポットにおいてトップ10入りしており、この2つの観光資源が強みになっています。旅行費用も全国平均と比べて安く、お得感も後押ししていそうです。そして50代来訪者のシェアUPや、ひとり旅の増加、ホスピタリティ満足度の向上、「地域らしさを感じられるものを選ぶ」といった旅行者の地域志向の高まり等の結果が出ています。訪日外国人が増え、人気観光地を中心に混雑や物価高の影響を受けやすいなか、日本人が求めるスローでローカルな旅先として評価されたのではないでしょうか。有名な地域でなくても、地域らしさを軸に旅人を満足させることができる、新たな旅の可能性を示していると言えるでしょう。』と解説した。

記事配信・制作協力/外食ドットビズ

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