帝国データバンク、2025年8月の全国企業倒産集計･分析結果を公表

帝国データバンクは、2025年8月の企業倒産件数(負債1000万円以上の法的整理が対象)について集計し、分析を行った。倒産件数は751件(前年同月比0.7％増)と2025年で最も少なかったが、3ヶ月連続で前年を上回り、増加ペースで推移した。8月としては過去10年で最多となった。2025年1～8月の累計は6,710件で前年同期(6,553件)を157件(2.4％)上回った。
■業種別: ｢運輸･通信業｣が8月としては過去10年で最多
　業種別にみると、7業種中3業種で前年を上回った。｢旅館、その他宿泊所｣(前年同月1件→7件)が大きく増加した｢サービス業｣(同197件→184件、6.6％減)が最も多かった。最も高い伸び率を示した｢建設業｣(同122件→154件、26.2％増)は、8月としては2016年(154件)と並んで、過去10年で最多タイとなった。｢運輸･通信業｣(同28件→34件、21.4％増)は、8月としては過去10年で最多となった。
■規模別: 資本金｢個人＋1000万円未満｣の倒産は563件、8月としては2000年以降最多
　負債額を規模別にみると、｢5000万円未満｣が465件(前年同月比1.7％減)で最も多かった。｢5億円以上10億円未満｣が22件(同83.3％増)と9ヶ月ぶりに前年を上回り、中規模の企業の倒産が目立った。
　資本金を規模別にみると、｢個人＋1000万未満｣の倒産が563件(同6.4％増)となり、8月としては2000年以降最多となった。
■業歴別:｢30年未満｣が133件、3ヶ月連続で前年を上回る
　業歴別にみると、｢30年以上｣が224件(同2.2％減)で最多となった。このうち、老舗企業(業歴100年以上)の倒産は17件(同54.5％増)発生した。｢30年未満｣は133件(同30.4％増)発生し、3ヶ月連続で前年を上回った。
　業歴10年未満の｢新興企業｣(3年未満･前年同月37件→24件/5年未満･同47件→49件/10年未満･同154件→136件)は209件(同238件)となり、4ヶ月連続で前年を下回った。内訳を業種別にみると、｢サービス業｣(同89件→64件)が最も多く、｢建設業｣(同43件→56件)、｢小売業｣(同59件→47件)が続いた。
■地域別:9地域中7地域で前年同月を下回る　近畿は2年8ヶ月ぶりに前年を下回る
　地域別にみると、9地域中5地域で前年を上回った。最も件数が多かったのは関東(同279件→284件)で、3ヶ月連続で前年を上回った。一方、近畿(同192件→182件)は2ヶ月連続で前年を下回った。
　最も増加率が高かったのは、北陸(同22件→31件/40.9％増)で、8月としては2003年(32件)に次ぎ過去3番目タイとなった。特に富山(同2件→8件)の増加が目立った。九州(同44件→59件/34.1％増)は、｢長崎｣(同1件→5件)が大幅に増加した。｢佐賀｣は2025年1～8月の累計が29件となり、全国で唯一2024年通年の件数(26件)を上回った。単月で見ると、47都道府県中24都道府県が前年を上回った。

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