ビール大手4社、東北6県でビールパレット共同回収の先行展開開始
サッポロビール、サントリービール、アサヒビール、キリンビールの 4 社は、昨今のトラック輸送のドライバー不足を含む物流部門での労働力不足を背景に、パレット回収の物流合理化による環境負荷低減とメーカー・得意先双方の業務負担軽減を目的として、今年 11 月より、東北 6 県 ( 青森・秋田・岩手・山形・宮城・福島 ) においてビールパレット (P パレ ) の共同回収の先行展開を開始する。
P パレは、業界統一規格として 1992 年から酒類飲料業界で共同利用している。 2013 年に、 P パレ共同使用会の一般社団法人化を契機として P パレ管理業務の標準化 ( 伝票の統一、共通受払システムの導入 ) が進んでいるが、得意先からの回収については各社が個別に実施していた。
今回先行展開する共同回収では、年間で P パレ共同使用会加盟社合計の回収枚数が 1 万枚以上の得意先を対象として、 P パレ回収をビール 4 社で分担 ( 回収代表社を選定 ) し、得意先ごとに回収代表社がビール 4 社分の P パレを回収する。
本取り組みにより、回収車両の積載効率の向上、回収距離の短縮や回収運用に関わるトラック台数の削減による CO2 削減が促進され、ビール 4 社合計で、年間の CO2 排出量が約 735t( 従来比約 56 % ) 削減できると試算している。また、得意先においても、 P パレ返却先が 4 社から 1 社に集約されることから業務負担の軽減につながるものと考えられる。
ビール 4 社では、今回の先行展開の効果検証に基づき、実施エリアの拡大、並びに P パレ共同使用会全体への展開の拡大を目指す。また、世界的に関心が高まっている温室効果ガス対策や、長距離トラック輸送のドライバー不足に伴う物流インフラのひっ迫に対して、環境にやさしく持続可能な物流の共同展開を進めてきたが、引き続き「競争と協調」の視点から既存の枠組みを超えた協力体制を構築することで、さらなる持続可能な社会への貢献を目指していきたいとしている。
記事配信/外食ドットビズ(2018/10/10)
制作協力/外食ドットビズ