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帝国データバンク、食卓への影響度は?3月度「カレーライス物価指数」

帝国データバンクは、食卓への影響度を示す「カレーライス物価指数」を独自に試算・分析し、 2024 年度 (2024 年 4 月~ 2025 年 3 月 ) と 2025 年 3 月度の指数を発表した。なお、各種価格データは「小売物価統計調査 ( 総務省 ) 」のうち各都市平均値 ( 全国平均 ) を参照。調理シーンは「 6 食分 ( 市販のカレールー 1/2 パック ) をまとめて調理した」ものとした。

カレーライスを家庭で調理する際に必要な原材料や光熱費などの価格 ( 全国平均 ) を基に算出し、食卓に与える物価高の影響を可視化した 2024 年度平均の「カレーライス物価」は、 1 食あたり 365 円となった。前年度 (309 円 ) を 56 円上回り、比較可能な 2015 年度以降で最高値を更新した。同価格を基に算出した 24 年度平均の「カレーライス物価指数」 (2020 年度= 100) は 133.6 で、前年度比 18.4 %上昇した。

カレーライス物価を構成する費用の内訳をみると、最も高いのが全体の約 5 割を占める「カレー具材 ( 肉・野菜 ) 」で、 206 円 ( 前年度 190 円 ) だった。猛暑による生育不良などを背景に、年間を通して平年より野菜価格が高騰したほか、輸入牛肉も円安による影響で高値が続き、過去 10 年ではじめて 200 円を超えた。「ごはん ( ライス ) 」価格は 131 円 ( 同 90 円 ) となり、 24 年夏以降、品薄が深刻となったコメの価格高騰が影響し、各費用の中で値上がり幅が最大となった。「カレールー」は 25 円 ( 同 24 円 ) で、食用油やルー本体価格の値上がりなどが影響した。炊飯器での炊飯やガス調理などの「水道光熱費」 (4 円 ) は、政府による電気・ガス代補助により価格が抑制されたことで、前年度からの変動はなかった。

また、 2025 年 3 月のカレーライス物価は 1 食あたり 421 円であった。前月 (407 円 ) から 14 円、 1 年前の 24 年 3 月 (318 円 ) からは 103 円上昇し、 12 ヶ月連続で最高値を更新した。コメ価格の大幅な高騰で「ごはん ( ライス ) 」が大幅に値上がりしたほか、少雨や低温などの影響でジャガイモやニンジンでも値上がりし、「カレー具材 ( 肉・野菜 ) 」が過去 10 年で初めて 210 円を超え、最高値を更新したことが影響した。 25 年 3 月の「カレーライス物価指数」は 153.7 となり、同指数としては初めて 150 を突破した。

全国の物価の先行指標となる東京都区部の物価動向を基に予想した 2025 年 4 月のカレーライス物価は 1 食 425 円となる見通し。カレー物価を構成する費用のうち、ニンジンやジャガイモ、タマネギの野菜類がいずれも冬場の低温などを背景に生育不良が発生し、平年を大幅に上回る高値での推移が見込まれる。輸入牛肉の価格も円安や米国産の価格上昇を背景に上昇傾向での推移が続き、「カレー具材」が引き続き過去最高値を更新するとみられ、 1 食 220 円台の到達も想定される。近時のカレーライス物価を押し上げてきたコメ価格では、 5 月時点でも 2024 年産 ( 新米 ) を中心に店頭価格ベースで高値推移が続いているものの、備蓄米の流通量増加にともない値上がりペースは徐々に緩やかとなる可能性もある。電気・ガス代は政府による負担軽減策の縮小に伴い、 5 月以降は反転上昇が見込まれる。

カレーライス物価は、近年例を見ない価格上昇圧力を反映し、記録的な高値圏での推移が予想されるものの、夏ごろにかけて値上げペースが緩やかとなる可能性がある。
※原材料:ニンジン・ジャガイモ・タマネギ・牛肉 ( 輸入 ) ・コメ ( コシヒカリ 1 食 : 約 1 合 [ 炊飯前重量 ]) ・カレールー ( 市販 ) ・食用油
※エネルギー:電気 ( 炊飯器での調理 / 約 7 合分の炊飯+ 6 時間の保温を加味 ) ・ガス ( 強火・中火・弱火の各調理手順 ) 、水道水 ( 上水道分のみ、下水道使用料は除く / 食材・食器類の洗浄にかかる水量は考慮していない )
※カレーライス物価指数 : 各月のカレーライス物価を基に 2020 年平均= 100 とした価格推移

記事配信・制作協力/外食ドットビズ

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