リクルート、「パート・アルバイトの仕事や賃金に関する意識調査」を実施

リクルートは、「パート・アルバイトの仕事や賃金に関する意識調査」を実施したが、このうち「きっかけがあれば労働時間を増やそうと思う」という回答割合が高かった25~54歳の子育て世代に焦点を当てて分析した結果を発表した。
総務省によると、2024年の就業者数は過去最多の6,781万人であった。一方、人口の減少傾向が続く中、労働力の確保は今後も重要な課題である。また、昨今は、いわゆる「年収の壁」が労働市場に与える影響等についての関心も高まっている。こうした社会的な背景から、アルバイトとして働く人の労働時間や時給に対する意識について調査を行った。
■女性の週あたりの労働時間は「20時間未満」が6割超、「きっかけがあれば増やそうと思う」は7割超
週あたりの労働時間について、「20時間未満」が男性(46.5%)では5割弱であるのに対し、女性(64.4%)では6割以上を占める。
「きっかけがあれば労働時間を増やそうと思う」は女性の方が割合が高く(男性54.2%、女性76.6%)、7割以上を占めている。女性のうち、「既婚/子供あり」(82.8%)は「既婚/子供なし」(67.6%)、「未婚」(60.5%)と比べると15pt以上高く、より長時間働く意欲を持っていることが分かる。
■「既婚/子供あり」の女性が「労働時間を増やそうと思うきっかけ」は子育て負担減が最多
「既婚/子供あり」の女性の「労働時間を増やそうと思うきっかけ」は、「子育ての負担が減ったら」(57.1%)や「家事の負担が減ったら」(26.4%)が上位にあり、時間的な制約が最も大きい。また、年収の壁に関しては、「既婚」の女性では「収入が増えても配偶者控除を受けられる制度があったら(年収130万円の壁)」が高い(既婚/子供あり30.4%、既婚/子供なし46.9%)。
「子育ての負担が減ったら」について末子年齢別に見ると、「小学生以下」では70.2%、「中学生以上」では27.0%と負担感が一定低減するが、週あたりの労働時間は「20時間未満」がいずれも7割弱(小学生以下69.5%、中学生以上68.0%)とあまり変わらない。労働時間を決めるに当たっては、子育てや家事の負担だけでなく、家計の変化や税・社会保険の制度などさまざまな要因が影響していることが分かる。
■きっかけがあれば労働時間を増やしたい「既婚/子供あり」の女性の約半数が“年収の壁”を意識
労働時間を増やそうと思うきっかけとして、「既婚/子供あり」の女性の約半数(49.6%)が所得税(非課税枠や配偶者控除など)や社会保険の加入に関する項目を選択した。特に、週あたりの労働時間が「20時間未満」の人では、同52.3%と半数を超えている。
■現在の職場で昇給を目指す際のハードルは「現在よりも責任を負いたくない」に次いで“年収の壁”が高い
婚姻状況や子供の有無を問わず、現在の職場で時給を上げる際のハードルとして最も回答割合が高かったのは「現在よりも責任を負いたくない」(既婚/子供あり32.5%、既婚/子供なし41.4%)で、業務に伴う責任が増す形での昇給を望まない人が多い。「既婚/子供あり」の人では、次に割合が高いのは「住民税・所得税の非課税、配偶者控除(手当)を受けるため、社会保険の扶養内で働きたい(“いわゆる年収の壁”)」(25.0%)であり、労働時間だけでなく、時給の高い仕事をするに当たっても各制度の収入要件を意識する人が一定数いることが分かる。
【調査概要】
調査方法:インターネット調査
調査対象:パート・アルバイトの仕事をしている18~79歳男女
※本リリースの分析対象は主な仕事として「パート・アルバイト」「専業主婦(主夫)」を選択した25~54歳の2,448人
有効回答数:7,634人
調査実施時期:2024年12月
調査機関:㈱マクロミル
記事配信・制作協力/外食ドットビズ
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