6月の百貨店売上高、既存店ベースで2ヶ月ぶりのプラスに
日本百貨店協会は、調査対象百貨店 80 社・ 229 店の平成 29 年 6 月度の全国百貨店売上高概況を発表。 6 月の百貨店売上高は、 4720 億 3052 万円で前年同月比 ( 店舗数調整後 )1.4 %増と 2 ヶ月ぶりに前年実績を上回った。
背景には、円安株高で富裕層の高額消費やインバウンド ( 約 184 億円 /41.4 %増 ) が好調推移したことに加え、少雨高温の天候が夏の季節需要を押上げたほか、多くの店舗でクリアランスセールを 6 月末開始に前倒ししたことなど、プラス与件が重なったことが挙げられる。
その結果、中期トレンドを示す 3 ヶ月移動平均値 (+0.7 % ) も 18 期ぶり ( 平成 27 年 10?12 月 /+0.3 %以来 ) にプラス転換し、回復基調は着実に高まってきている。
地区別では、大都市 (10 都市 ) が 4 ヶ月連続プラスの 2.4 %増となった。 6 ヶ月連続で増勢が続く札幌 (4.8 %増 ) ・大阪 (7.3 %増 ) の他、 6 都市 ( 仙台・東京・横浜・名古屋・京都・福岡 ) で前年をクリアした。
一方、地方 (10 都市以外の地区 ) については、地域経済の不振や中間層消費の弱さから、 8 地区合計で 0.7 %減 (2 ヶ月連続マイナス ) と前年実績には僅かに届かなかった。
商品別では、セールの前倒しやファッション催事の積極展開等により、主力の衣料品 (0.5 %減 ) は前年並みまで回復。雑貨 (7.9 %増 ) は、資産効果やインバウンド需要で、細分類の高額商材 ( 美術・宝飾・貴金属: 4.6 %増 ) と化粧品 (16.7 %増 ) が依然好調で 7 ヶ月連続のプラスとなった。
また、ラグジュアリーブランドが好調な身のまわり品 (2.8 %増 ) も 2 ヶ月ぶりのプラス。中元の前半戦については、店頭受注の減少傾向をネット受注の伸びがカバーする形で、ほぼ前年並み ( その他食料品: 0.5 %減 / 菓子: 1.3 %増 ) で推移した。
今月のプレミアムフライデーは、セール初日と重なった店舗も多く、限定商品購入やイベン ト参加者の増加に繋がった。
商品別売上高は、食料品が 1411 億 8542 万円 ( 店舗調整後・前年増減率 0.3 %減 ) 、衣料品 1355 億 8280 万円 ( 同 0.5 %減 ) 、身のまわり品 598 億 8361 万円 ( 同 2.8 %増 ) 、
雑貨 864 億 7384 万円 ( 同 7.9 %増 ) 、家庭用品 200 億 3811 万円 ( 同 6.3 %減 ) 、食堂喫茶 127 億 7187 万円 ( 同 0.1 %減 ) 、サービス 49 億 2481 万円 ( 同 3.1 %増 ) 、その他 111 億 7005 万円 ( 同 11.4 %増 ) 、
商品券 167 億 6352 万円 ( 同 4.0 %減 ) だった。
記事配信/外食ドットビズ(2017/07/25)
制作協力/外食ドットビズ