ビール大手4社による初の共同物流を道東エリアで9月にスタート

アサヒビール、キリンビール、サッポロビール、サントリービールの 4 社は、物流部門での環境負荷の低減および長距離トラック輸送の削減によるドライバー不足への対処を目的に、今年 9 月より、北海道の道東エリアの一部 ( 釧路･根室地区 ) において共同物流を行うことで合意した。
　現在、当該エリアでは、各社とも札幌市近郊にある製造･物流拠点からトラックによる配送を行っている。今年 9 月にスタートする共同物流では、トラック単位に満たない荷物を対象に、 4 社の製造･物流拠点から JR 札幌貨物ターミナル駅構内の日本通運の倉庫に商品を集積し、配送先ごとに各社の商品を積み込み配送する。運送手段は、鉄道とトラックを活用する。なお、今回の共同配送スキームは、原則として、 1 社 1 届け先でトラック単位 ( 目安 10t 超 ) にならない荷物を対象とし、各社拠点からのトラック配送は一部継続する。また、各社グループの酒類･飲料会社の荷物も対象となる。
　本取り組みにより、鉄道コンテナの活用と積載率の向上に伴う物流の効率化が促進され、 4 社合計で、年間の CO2 排出量が約 330 ｔ ( 従来比で約 28 ％ ) 削減できると試算。また、長距離トラックの運行台数については、年間で約 800 台の削減を見込んでいる。
　4 社では、世界的に関心が高まっている温室効果ガス対策や、長距離トラック輸送のドライバー不足に伴う物流インフラのひっ迫に対して、環境にやさしく持続可能な物流の共同展開を進めてきた。今後も引き続き｢競争と協調｣の視点から既存の枠組みを超えた協力体制を構築することで、更なる持続可能な社会への貢献を目指していきたいとする。

記事配信／外食ドットビズ(2017/05/17)
制作協力／外食ドットビズ