meets TAITTINGER

abysse × Shuwa Tei

鄭 秀和が体験する「食べるシャンパン。」
プレステージ・シャンパーニュから始まるプロフェッショナルの対話。

[NEW PAIRING OF CHAMPAGNE・abysse/東京都渋谷区]

ガストロノミーの可能性を広げる「食べるシャンパン。」

厳選された区画のシャルドネ種100パーセントで造る「コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン」は、テタンジェ社の至宝ともいえるトップキュヴェ。フレッシュで洗練された果実味、熟した果実の香り。口当たりは滑らかで、生き生きとした躍動感があり、グレープフルーツとスパイスのニュアンスを感じる洗練された味わいで、多くのワイン好きを魅了し続けています。

「コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン」は、世界中の様々なレストランで親しまれているプレステージ・シャンパーニュでもあります。単体ではもちろんのこと、料理と合わせることで更に味わいが広がる「食べるシャンパン。」。堂々たる風格を持ちながら、料理に寄り沿い引き立て合う懐の深さを検証すべく、代官山『アビス』の目黒浩太郎氏に、このシャンパーニュとともに楽しみたい一皿を提案してもらいました。2019年3月、外苑前から代官山に移転した『アビス』は、魚料理にフォーカスしたレストランとして、トップガストロノミーの世界でも国内外から注目を集める存在です。

特別なマリアージュを体験するのは、『インテンショナリーズ』代表の鄭 秀和氏。建築家、デザイナーとして家具、家電からランドスケープまで手掛ける稀代のクリエーター。自他ともに認めるワインラヴァーで、なかでもシーンを選ばず飲むのがシャンパーニュだと話します。

上質なシャンパーニュだからこそ実現できるマリアージュ。料理とワイン、ふたつのものを合わせて完成する味の話は、やがて味の土台作りやそのアプローチ方法、ひいてはものづくり全般の話まで広がっていきます。

  • 「コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン2007」。クラシックでエレガントなエチケットだが、モダンなファインダイニングのテーブルにも映える。
  • ピゼッリ(イタリア産グリーンピース)は、野菜のだしで甘みを最大限に引き出す。
  • この日は小田原産、2キロ超えの金目鯛が主役。赤、白、グリーンと彩りも豊か。
  • 「金目鯛、桜えび、グリーンピース」。レモン果汁とヴァンジョーヌビネガーで酸味を加え、ハーブオイルとエディブルフラワーを添えて。
  • 目黒シェフ。料理にまつわるビジョンを明確に言語化できる数少ない料理人だ。

シャンパーニュのリッチなボリューム感が、脂の旨みが豊かな魚の温前菜とマッチ。

『アビス』目黒氏の代名詞である魚料理はシャンパーニュと好相性。前菜からメインまでのお料理と合わせて楽しむために、目黒氏自らもソムリエとともにセレクトに加わっているといいます。

そんな目黒氏ですが「今回、最初に頭に浮かんだのは魚のマリネなどの冷前菜でした」と、話します。
「しかし、コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブランをひと口飲んで、すぐに方向転換しました。ブラン・ド・ブランはドライでシャープな印象がありますが、このシャンパーニュは、ふくよかでエレガントなボリューム感がある。温かい料理のほうが、味わいがふくらむと考えたのです」

厨房から運ばれてきたのは、金目鯛と桜えび、グリーンピースでつくった温かい前菜。脂乗りの良い金目鯛を、低温のだしでゆっくり火を入れ、香ばしく素揚げした桜えびと、野菜のだしで炊いたピゼッリを添えた一皿です。

「金目鯛を使ったのは、白身魚の中でも旨みに甲殻類のニュアンスを感じる魚だからです。シャルドネ種のリッチなワインと甲殻類の相性は鉄板です。コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブランから感じるトースト香に素揚げの桜えびを合わせ、グレープフルーツなど柑橘のニュアンスとも相乗するよう、レモンジュースとヴァンジョーヌの酸味のあるソースで仕上げています」。

  • 鄭氏は、家具、家電から建築、ランドスケープまで、ジャンルを超えて「時代」をデザインしてきた。
  • 「これまでにないペアリング」と、「コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン」と合わせ料理を味わう。
  • 『テタンジェ』は、その名を社名に掲げるテタンジェ家が、今尚オーナー兼経営者である希少な大手シャンパーニュ・メゾン。「コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン」は、そのトップキュヴェだ。
  • シャンパーニュ選びの際も、鄭氏が重要視するのは「素材やつくりの良さ」だと話す。

百戦錬磨の食通を驚かせた、シャンパーニュペアリングの新たな可能性。

自宅地下のワインセラーに貯蔵するワインは百本以上。とりわけシャンパーニュは「少なからずのパーセンテージを占めています」と、話す鄭氏。和食店や寿司屋にも好きなシャンパーニュを持ち込む偏愛ぶりで、自宅でも日常的に楽しむとのこと。自身も進んでキッチンに立つばかりか、魚は築地(現豊洲)市場トップクラスの仲卸から仕入れるなど、シャンパーニュをはじめとするワインと料理の「味わいの追求」には、「仕事と同じくらいエネルギーを注いでいます」と、笑います。

シャンパーニュは、飲んだ種類や量をきけばプロが驚くほど。長年の経験で培われた好みははっきりしている中、「コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン」を改めて味わい「お世辞抜きで、造りの良い、美味しいシャンパーニュだなと思います」と、実感を込めて話します。

「こんなに美味しかったかな(笑)。端正でバランスが良く、深い味わいがあります。これだけでも十分、満足感がありますね」。

淡々とした鄭氏の表情が変わったのが、目黒氏が用意した「金目鯛、桜えび、グリーンピース」の料理を「コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン」とともに味わった瞬間でした。

「これは素晴らしい組み合わせですね。ここ数年、重い味を避けてフレンチの店で食事をする機会は減ってしまっていたけれど、ワインと食事を合わせる楽しみを思い出させてくれるような完璧なマリアージュ。料理の素材はどれもとびきりだけれど、印象に残るのはだしの旨み。この味わいの芯の部分が、上質な原料ぶどうの味わいが核となるシャンパーニュと、ぴたりと重なるように感じます」。

「難しいことは抜き、旨いもの同士ならば必ず美味しい」というシンプルな理論を、日々の食生活を通じ誰よりも実践してきた鄭氏が、「食べるシャンパン。」を通じて、再びフレンチに、いや、新たに出会った目黒氏の料理に強く惹きつけられた瞬間でした。

目黒氏が料理について話す言葉に、注意深く耳を傾ける。
料理とシャンパーニュの提案に関する鄭氏の惜しみない賞賛の言葉に、嬉しそうな表情を見せる目黒氏。
ジャンルを超えた仕事論で共感し合い、ふたりはすっかり意気投合した様子だ。

インパクトではなく、「表に現れないもの」がもの作りの核になる。

「コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン」と目黒氏の料理から、フレンチにおける料理とワインのマリアージュのセオリーを超えた「何か」を感じ取った鄭氏。

「なぜ、魚料理をご自身の料理のメインに据えたのですか?」と、目黒氏に尋ねます。
「日本の魚は世界トップレベル。世界に向けて何かを発信したいならば、武器にしない手はないと思ったのです。和食でもフレンチでも、だしは味の核となるもの。私の料理にとっても重要です。でも、魚とだしに重きを置くからといって、和食を意識しているかといわれれば、それは違う。レデュイール(煮詰める)などフランス料理ならではの技法を使って、繊細でありながらしっかりとした凝縮感のあるだしで、自分の料理の核を作っていきたいと考えているからです」。

感心した表情で話を聞いていた鄭氏は、「実は常々私のデザインも、きわめてだし的だと思っているんですよ」と、嬉しそうに話します。
「インパクトのあるものはアイコニックでわかりやすいですが、すぐに飽きが来てしまいます。そうではなく、しっかりとした良い素材と自分の経験の基礎から作る、目には見えづらい部分にこそ、廃れないデザインの要になる何かがあると考えるからです」。

「コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン」に言及し、鄭氏は話しを続けます。
「シャンパーニュにしても、抜栓したての、冷えたものより、こうしてグラスで少し置いた、温度も高めのものの方が、真価がわかると思います。ひと口目のインパクトより、味わえば味わうほど、しみじみその本質的な良さが染みてくる……。セオリーより、そういう部分で、目黒シェフの料理と合うと感じたのかもしれません。自分の仕事も、改めてそうありたいと思いました」。