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注目トレンド更新日:2019年12月25日

飲み放題ニューウェーブ

集客の目玉として、あるいは省人化の仕組みとして、新たなスタイルの「飲み放題」が注目されつつある。今のニーズにフィットするかたちにバージョンアップした飲み放題のトレンドキーワードは、「短時間」と「セルフ」。30分いくらの時間・価格設定としたり、飲み放題用のセルフサーバーからお客がみずからアルコールをグラスにそそいだり――そうした従来とは目線の異なる工夫によって、定番である「飲み放題」というサービスが、驚くほどに新鮮味のあるものへと進化している。もちろん、飲み放題の対象アイテムとして何を用意するかも、飲み放題の魅力アップにつながる重要なテーマだ。今回は、フード対策のみならずドリンクでも、お客が喜び、店も儲かるシステムを構築している実力店を紹介しよう。

お客も店もうれしい「Win-Win」なサービス

大衆和牛酒場 コンロ家 飯田橋店

 オリジナルの「超名物!!霜降り和牛鍋」や、すき焼き、しゃぶしゃぶ、ホルモンの鉄板焼き、さらに黒毛和牛を使ったつまみ類など、和牛を切り口にしたメニュー展開で人気の「大衆和牛酒場 コンロ家」。飯田橋店(24坪50席)は2017年11月に開業し、客単価4300円で月商650万円を売り上げている。神戸牛をはじめとするA5ランクの黒毛和牛など主要食材にはしっかりと原価をかける一方、調理負担の軽い鍋料理をメインに据えたり、営業中は切るだけ、盛るだけのシンプルなつまみを充実させたりと、オペレーションの軽量化に努めている。そうした考え方はドリンクにも見てとれる。それが、オーダー比率ほぼ100%という、ワイン100種類を売りにした30分290円の飲み放題だ。特筆すべきは、独特なセルフサービスのスタイルであること。店内にはサーバー仕様にしたワイン樽が100台も並び、お客は樽に添えられた解説文を読んで好みのワインをみずからそそぐ。特注のワイン樽は1台2万円で、100台ともなるとそれだけで200万円の投資となる。しかしながら、この思い切ったセルフサービスの仕組みが、人的省力化とともに楽しさの演出にも大きく貢献し、店としての底力をぐっと高めている。

東京都千代田区飯田橋4-5-6 イーシーエス第6ビル1F
●03-6261-0333
営業時間/17時~23時30分(土・日曜、祝日は~23時) 無休
店舗規模/24坪50席

主客層は30代~40代の会社員。店内にワイン樽100台を備え、セルフ飲み放題を強力にアピール。飲み放題のメニューには樽生ビール4種類も盛り込み、お値打ち感をいっそう高めている。フードとドリンクの両面から省力化を図ったことにより、ピーク時の人員数をホールとキッチンを合わせて3~4人に圧縮。人件費率は21%で推移している。

焼肉ホルモン酒場 1129 浜松有楽街店

 リーズナブルに焼肉が楽しめる“焼肉酒場”として人気を博している静岡・浜松の「焼肉ホルモン酒場 1129」。2018年10月にオープンした浜松有楽街店(21坪40席)は、客単価2800円で月商580万円を売り上げている。フードの主軸は焼肉32品で、単品は65g380円、盛合せは150g480円と580円の2プライスで展開。小ポーション・低価格の商品設計が、酒場的なカジュアルさを訴求するポイントの一つだ。なお、目玉商品の和牛メニューは原価率50%以上としつつ、低原価の豚ホルモンなどを上手に組み込んでトータルの原価率を33%のバランスに落とし込んでいる。カジュアルさを打ち出すもう一つの仕掛けが、60分500円で実施しているレモンサワー4種類の飲み放題。注目したいのはその売り方で、注文後にレモン半個を入れたジョッキと氷がお客に届き、客席に設置されたサーバーからお客がみずからそそぐスタイルを採用している。カウンターには2人に1基、テーブルには1卓に1基の卓上サーバーを設置し、イラストを使ったユニークなサーバーの取扱説明書も用意。レモンサワーはアルコール売上げの6割を占めているが、とくに若い女性に好評で、客層の拡大にも寄与している。

静岡県浜松市中区肴町316-32
●053-458-1129
営業時間/17時~翌0時 不定休
店舗規模/21坪40席

お客の男女比は7対3。予約は受けず、繁忙時は2時間制をとって客席稼働率を高めている。セルフサービスの飲み放題による省力化も奏功し、ホールは2フロアを2人体制で運営。人件費率は23%まで圧縮している。なお、レモンサワーは4種類あり、2杯目以降に種類を変更する場合は追加料金(100円あるいは200円)が発生する仕組みだ。

旬野菜ふれんちおでんとどて焼のお店 七縁

 2017年3月に大阪・なんばにオープンした「旬野菜ふれんちおでんとどて焼のお店 七縁」は、野菜だしで炊いた“フレンチおでん”と、短時間の利用が可能な飲み放題を集客のフックに、連日、多くのお客を取り込んでいる。客単価2600円、13坪26席で月商580万円と売上げも上々だ。同店は小規模の酒場が密集する“裏なんば”に立地。はしご酒をするお客も多いことを想定し、時間制限できて客席回転率を上げられる施策として導入したのが、300分500円の飲み放題だ。ファーストオーダー時に利用時間を申告するルールで、上限は2時間に設定。30分単位で一度だけ延長可能としている。また、飲み放題によるホール作業の負担増を考慮し、お客が自分でサーバーからそそぐセルフ式を採用している点もポイント。カウンター席に7基、テーブル席に2基のサーバーを設置しており、そのうち6基はハイボール専用サーバー。それとは別に店内の一角にビールとワインの専用サーバーを設けている。一方、アイデアフルなメニューがそろうフレンチおでんは、230~380円の価格レンジで22品をラインアップ。こちらも短時間で食べ終えるように小ポーションの設計とするなど工夫している。

大阪府大阪市中央区難波千日前14-17
●06-6635-5533
営業時間/16時~翌0時(L.O.23時、金・土曜、祝日は15時~) 無休
店舗規模/13坪26席

主客層は20代前半~30代。来店客の7割を女性が占めている。2軒目の利用が増える20時前後がピークで、平均滞席時間は60分。標準人員配置はキッチン2人、ホール1人で、人件費率は23%で推移。短時間のセルフ飲み放題に加え、ソースでアレンジするフレンチおでんや「白ワインで煮込むふれんちどて焼」など個性的なフードも見どころだ。

飲み放題で創造する“お得感”+αの価値

「短時間」や「セルフ」といった飲み放題の新たなアプローチは、従来からある飲み放題ならではの“お得感”に加え、“気軽さ(カジュアルさ)”や“楽しさ”といった価値を生み出している。客席回転率を上げる、ホール作業の負担を軽減するなど店側の都合を考えての取り組みという側面もあるが、それと同時にお客に喜ばれるサービスとして成立させている点が肝だ。最近では、商品やサービスを固定料金で提供する「サブスクリプション」の仕組みにならった、月額いくらの「定額制」飲み放題も登場。飲食店における売り方の重要性をあらためて感じさせる流れだろう。

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