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注目トレンド更新日:2018年7月4日

密かに増える「麺酒場」の使える部分

そば・うどんやラーメンをはじめ、麺料理は日本人にとって人気の外食アイテムだ。それ一品で専門店になりうるし、食事メニューや締めの一品としてファミリーレストランや居酒屋のメニューにも登場する。きわめて“懐の深い”アイテムと言えるのだが、その商材としてのパワーを生かして、麺料理をメニューの核に据えた居酒屋やバル業態が台頭している。麺料理でコンセプトを表現しつつ、幅広い客層や利用動機に対応する業態に仕立てているのが特徴。その最前線を追ってみよう。

麺料理で個性を表現するさまざまな手法

焼きそばのまるしょう 本郷三丁目店

 東京・本郷に2016年2月にオープンした「焼きそばのまるしょう 本郷三丁目店」は、千葉・豊四季にある同名の店の2号店。昼は焼きそば専門店、夜は焼きそばを主力商品に据えた居酒屋として営業し、28坪50席で1日客数200人、月商500万円を売り上げている。焼きそばは中濃やウスターなどのソース焼きそば3品、醤油、オイスターソースなどでつくる醤油焼きそば5品、鶏白湯だしベースの塩ダレ焼きそば2品の他、「ナポリタン焼きそば」(並780円)などの創作焼きそば4品、あんかけ焼きそば2品をラインアップ。麺は店内で自家製し、ソースを吸いやすい低加水麺に仕上げる。約2㎜角の太麺、約1㎜角の細麺があり、さらに茹でる前で180gの並盛、240gの中盛、300gの大盛を用意しメニューバリエーションを広げている。焼きそばオーダーのうち半数を占める「まるしょう特製ソース焼きそば」(並630円)の単品原価率は16%で、フード全体でも20%。夜のつまみメニューは「焼き餃子」3個290円、「イカの丸焼き」580円など40品で構成し、夜の客単価は1300円、アルコールの売上げ比率は20%となっている。

東京都文京区本郷3-42-7 ℡03-3868-2827
営業時間/11 時~16時(L.O.15時30分)、17時~23時(L.O.22時30分) 日曜休
店舗規模/28坪50席

定番のソース焼きそば以外のメニューを拡充し、パスタのように好きな味を選べる楽しさを打ち出した焼きそば酒場。自家製の麺は加水率30%の低加水麺で、2~3分間炒め合わせただけで十分にソースが麺に染み込むように調合している。経営母体は㈱わらうライフクリエイト。

青空blue

 大阪・肥後橋の「青空blue」は、自家製石臼挽きのうどんを看板商品とするうどん居酒屋。大阪・北浜の名声そば店「土山人」で修業を積んだ松井宏文氏が2014年11月にオープンした。うどんは鳥取県産と埼玉県産の小麦を使ったもの、北海道産と香川県産の小麦を使ったものの2種類を用意。前者はザラッとした舌触り、後者はツルリとした喉越しと、味わいの違いを楽しめるようにしている。フードメニューは中心価格1000円前後のうどん20品の他、一品料理27品と夜限定の季節料理10品を用意。一品料理は「たこのやわらか煮」920円や「豚バラ肉と半熟玉子の黒糖煮」740円など、しっかりと手のかかった和食が中心。うどんは、夜はレギュラーメニューより少ない麺110gの「〆うどん」500円を提供し、居酒屋使いに対応する。また、要予約で3500円前後のコース2種を置き、宴会ニーズも吸収している。主客層は20~30代の女性客。開業当初はうどんだけの注文が7割を占めていたが、現在は居酒屋としての認知が広がり、夜の客単価は4000円まで上昇した。ドリンクでは豊富な品揃えの日本酒が人気で、アルコール売上げ比率は30%に達する。

大阪府大阪市中央区平野町4-5-8 ℡06-4708-8812
営業時間/11時30分~14時30分、17 時30分~23時(土曜・祝日11時30分~14時30分、17時30分~21時30分) 日曜休
店舗規模/20坪34席

大衆的なうどん店とは一線を画した高品質なうどんを提供するのがコンセプト。それを表現するため、内装は土壁にモルタルを組み合わせてモダンすぎない洒落た雰囲気とした。製麺室をガラス張りにして自家製粉をアピールしたり、個室やシェアテーブルを配置するなど店づくりは巧み。

生パスタ食堂&伊酒場 タツヤ

和風パスタとハイボールを集客のフックとして、普段イタリアンを利用しない30代後半~40代の男性をターゲットにして成功しているのが「生パスタ食堂&伊酒場 タツヤ」である。東京・代々木に2016年3月にオープン。昼は980円均一の生パスタ8品を提供し、夜は煮込みや鉄板料理とパスタ、アルコール類を揃えたパスタ酒場として営業する。夜の客単価は2750円。22坪50席の規模で、昼夜合わせて月商400万円を売り上げる。パスタメニューは「醤油」「トマト」「ミート」「ホワイト」の4つのソースを用意するが、これらは煮込み料理にも活用。トマトソースとミートソースを合わせてつくる「牛すじのトマト煮」680円のように、食材をうまく共用できるメニュー設計としている。また、ソース以外はすべてツーオーダー調理とすることで食材ロスを低減。原価率と人件費率を合わせたF/Lコストで50%、営業利益率30%という高収益モデルを確立した。夜は締めの一品として機能するパスタは950~1350円で8品を用意し、テーブルオーダー率は70%。麺にうどんを思わせる太さとコシのあるリングイネを使っている点も男性客に受けるポイントだ。

東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-12 玉造ビル2F ℡03-6455-4009
営業時間/11 時30分~23時 無休
店舗規模/22坪50席

経営母体は㈱MKフードリーム。食べごたえのある生麺を使った和風パスタを核商品に据えることで男性客のニーズを吸収するという狙いが見事に当たった。アルコールの主力は4種類のレモンサワーと3種類のハイボールで、この7品でアルコール売上げの60%を占めている。

お客にとっての価値と収益性を同時に高める

 フード原価率を20%に抑えた「まるしょう」、F/Lコストで50%の「タツヤ」のように、原価率の低い麺料理を主力とすることで高い収益性を実現しているのが麺酒場の特徴。人件費をはじめさまざまなコストが上昇している昨今、その点は業態として大きなアドバンテージとなる。そして重要なのが、麺料理とその脇を固める一品料理の品揃えで個性を打ち出していることだ。自家製粉し2種類のうどんをつくる「青空blue」など、麺自体で差別化を図っている点も見逃せない。お客にとっての価値と、収益性を同時に高めているところに麺酒場が注目される理由があるといえよう。

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