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注目トレンド更新日:2018年4月25日

個性派続々登場、丼もの最前線

日本人の主食はご飯、というのは過去の話かもしれないが、外食の場において「丼もの」は依然として欠かせないアイテムだ。食事のメインアイテムとしてはもちろん、居酒屋などにおける締めの一品としても重要度は高い。昔と比べてご飯=コメを口にする機会が減っていることは確か。しかしだからこそ、せっかく食べるなら本当に満足できるものを、というニーズは高まっている。それを端的に示すのが、ここにきて登場しているユニークな「丼専門店」の人気ぶり。今回はそうした「丼もの最前線」をレポートする。

シズル感、ボリューム、ハイクオリティ

丼ぶり屋 幸丼 東京品川店

 ラーメン店のサイドメニューであるチャーシューを丼にアレンジして大ヒットを飛ばしているのが「丼ぶり屋 幸丼」だ。東京都内に4店を展開しているが、なかでも2015年7月にオープンした東京品川店は8坪9席が1日23回転するという繁盛ぶり。客単価870円で、月商540万円を売り上げている。丼メニューは全5品で750~850円の価格レンジで提供。看板商品はご飯200gにチャーシュー160gを乗せた「幸丼バラ」790円で、1日の平均出数は140食におよぶ。ポイントは具のチャーシューを提供直前にバーナーで炙っていること。脂がはじける音や香ばしい匂いを立たせることでシズル感をプラスし、商品力を訴求している。さらに、丼に魚介だしを注いでだし茶漬けとして食べることも提案し、商品の独自性を高めることに成功。チャーシューのカットは営業前に行ない、営業中の調理作業をシンプルにすることでピーク時でも注文から1分以内での提供を可能にした。お客の平均滞席時間は15分。主客層は20~60代の男性社員で、ランチなどスピーディに食事をしたいというニーズをがっちりと摑んでいる。

東京都港区港南2-2-13 清水ビル1F ℡03-6712-9966
営業時間/11時~23時 無休
店舗規模/8坪9 席

経営母体は都内にラーメン店2 店を展開する㈱クライチ。幸丼はラーメン店の派生業態であり、評価が高かったチャーシューを核に調理がシンプルな多店化モデルをつくろうという狙いから開発された。既存4店がいずれも好調なことから、同社では2018年から幸丼のフランチャイズ展開を計画している。

肉丼専門店 道頓堀肉劇場

 ご飯の上に網焼きした牛カルビ、牛ハラミ、鶏セセリ、豚ロース計300gを盛りつけた「大劇場丼」1280円。このボリューム満点の看板商品を武器に図抜けた集客パワーを発揮しているのが、2015年7月に大阪・道頓堀にオープンした「肉丼専門店 道頓堀肉劇場」だ。14坪16席が連日19回転し、1日約300人を集客。客単価950円で月商850万円を叩き出している。経営母体の㈱肉ゲキジョーは肉劇場ブランドをメインに肉丼専門店を関西圏で10店展開しており、全店が坪当たり月商25万円超の繁盛店揃いだ。肉劇場の主力メニューである肉丼は580~1280円の価格帯で16品をラインアップ。そのうち14品が焼肉丼で、他にローストビーフ丼を2サイズ用意している。焼肉丼の調理はポーションカットした肉をグリドルで焼き、ご飯に乗せてタレをかけるだけ。ピーク時でもキッチン、ホール各2人の人員体制で、人件費率を18%に抑えた。前述した通りメニューはボリュームを徹底追求、トータル原価率40%を投じて商品バリューを高めながら、F/Lコストで60%を切る高収益モデルを確立している点も見逃せない。

大阪府大阪市中央区道頓堀2-2-2 ℡06-6214-2951
営業時間/11時~23時 無休
店舗規模/14坪16 席

開店の11時前から店前に行列ができる繁盛ぶり。大阪随一の観光スポットに立地する強みで、来店客の9割を訪日外国人客が占める。2017年6月に東京・池袋に東京1号店をオープンし、こちらも坪月商40万円超と好調。18年2月には大阪にセントラルキッチンを開設し、本格的な多店化に乗り出す。

自由が丘 波の

 イクラ丼は海鮮丼の中でもメジャーなアイテムだが、国産のイクラのみを使った単品原価率60%を超えるハイクオリティな丼をキラーアイテムに熱心なファンを摑んでいるのが東京・自由が丘の「自由が丘 波の」である。経営母体はフリーペーパーなどを発行する㈱ブロケードで、同社初の飲食店として2016年12月にオープン。「イクラ丼はインスタ映えするメニュー。SNSで情報拡散が期待できるので、販促費を原価に回せば集客できる」という今野健二社長の読み通り、オープン早々から連日ウエイティングが出る好調なスタートを切った。当初は看板商品の「国産いくら丼」を790円で提供していたが、17年9月に秋鮭の不良で国産イクラが高騰したことを受け、イクラ1g16円の量り売りにご飯200円をプラスするスタイルに変更。一方で「釜揚げしらす丼」や「天然まぐろすき身丼」各680円など単品原価率20~30%の高粗利メニューで脇を固めた。17年7月には、17時以降にお通し3品と18種を揃えるドリンクが最大4杯注文できる「せんべろメニュー」1000円も導入。現在は客単価1400円、9坪17席で月商360万円を売り上げている。

東京都目黒区自由が丘1-3-22 ℡03-6421-1765
営業時間/11 時30分~14時30分、17時30分~22時30分(日曜・祝日~20時30分) 無休
店舗規模/9坪17席

2017年10月には黒毛和牛の中で原価の低いブリスケやネックなどの部位を使った「門崎丑ロースト丼」980円を投入。イクラの仕入れ価格高騰を見越して新しい商品の柱をつくるのが狙いだ。17年12月には東京・原宿に新業態のサーモン丼専門店も出店。さまざまな丼の可能性を追求していく考えだ。

商品の持つポテンシャルを生かしきる

 丼もの自体は日本人なら誰もが知っている親しみのある商品だ。だからこそ、既存の商品と明らかに違う価値を打ち出せば消費者は敏感に反応する。今回紹介した事例は、そうした丼のポテンシャルを生かしきった点に成功の要因があったといえよう。それは同時に、視点を変えれば商品開発のヒントはまだまだ豊富にあることを示している。インバウンド需要が高まるなか、丼は外国人に「クールなアイテム」としてアピールできる商品でもある。丼をめぐる動きから、しばらく目が離せなくなりそうだ。

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