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注目トレンド更新日:2016年11月4日

変わる女性客へのアプローチ

いまも昔も、外食にとって重要なターゲットは女性客。女性の社会進出がますます進む現在では、
彼女達の指示をいかに得るかがビジネスを成功させる必須条件になっている。
そして、女性客へのアプローチの手法も時代とともに変化してきた。
かつてはお洒落な店づくりやメニューのヘルシー性をアピールする向きが多かったが、
女性の外食に対するスタンスがより積極的になったいま、そこには新しい考え方手法求められている。
従来の「女性客狙い」とは一線を画するアプローチで、女性客獲得に成功している最新事例を追ってみよう。

商品と売り方で女性客を掴む注目事例

大衆酒場 酒呑気まるこ

 入店するとまず目に飛び込むのは、23席あるコの字型のカウンター席。1人当たりの座席幅は約40cmしかなく、そこにお客がぎゅうぎゅうに腰掛けている。東京・渋谷の「大衆酒場 酒呑気まるこ」は、その名の通り気取りのない雰囲気の居酒屋だ。13坪の店内は他に立ち飲みスペースやテーブル4卓を設置。総客席数41席が連日1.5回転し、月商600万円を売り上げる繁盛店である。しかしそうした数字以上に注目されるのが客層。サラリーマン客ばかりかと思いきや、お客の6割を占めるのは女性客なのだ。
人気の理由は、平均原価率40%を投じた商品のバリュー。フードの主力は高知・宿毛漁港直送の魚介を使った料理で、月間出数が600食を超す「カツオの藁焼き」650円をはじめ魅力あるメニューが並ぶ。他のグランドメニューは中心価格を300~500円として値頃感を訴求。こうした商品戦略が、料理の値打ちにシビアな30代の働く女性にアピールした。食事メニューでも「鯛めし」900円(1合)を置くなど品揃えに手抜きがなく、こうした点も女性客からの支持を得ることにつながっている。

住所/東京都渋谷区道玄坂1-18-4 和田ビル102
電話/03-5784-1626
店舗規模/13坪41席
営業時間/16:00~翌0:30(フードL.O.22:30、ドリンクL.O.翌0:00)
定休日/無休

経営母体の(株)コジマ笑店は都内で居酒屋など3店を展開。大衆酒場 酒呑気まるこは“粋な大衆酒場”を業態づくりのテーマに2015年8月にオープンした。賑わいを生むカウンターや、店内の壁に貼り出された80品以上のメニューの短冊でコンセプトを表現する。客単価は3100円。女性客の多さを反映し、アルコールの売上げ比率は35%とやや低い。

てやん亭おも家 西麻布

東京・西麻布の「てやん亭おも家 西麻布」は、宮崎地鶏を使った料理を看板商品に据えた居酒屋だ。同店で人気なのが「女子会コース」3980円。40品あるフードから7品を自由にチョイスでき、30種類を超えるアルコール類も時間無制限で飲み放題。事前予約も不要と、この種のプランにありがちな制限を設けず選択の幅を広げた、きわめて自由度の高いプランなのだ。また、プラン利用客がほぼ100%注文する「生うにの冷製カッペリーニ」は単品原価率70%の出血大サービス品で、この商品をオーダーした場合のプランの原価率は60%となる。ドリンクでは、女子会プランのみ提供している樽詰め生スパークリングワインが好評で、1人当たりのアルコール平均出数は8杯におよぶ。このお値打ち度の高さにより、女性グループ客の女子会プランのオーダー率は実に90%を確保。日によってはすべてのテーブルが女子会利用になることもあるという。もともと東日本大震災による売上げ不振の打開策としてはじめたものだが、いまでは店の看板として定着。40坪80席で月商1100万円を売り上げる原動力となっている。

住所/東京都港区西麻布2-20-1
電話/03-3407-8127
店舗規模/40坪80席
営業時間/17:30~翌0:00
定休日/無休

最寄りの東京メトロ表参道駅、六本木駅から徒歩8分ほどの住宅街の一画に立地。お客の9割以上が目的来店客で、そのうち7割を女性客が占めている。年齢層では30代が中心。女子会プランに時間制限を設けていないためお客の滞席時間は長く、開店から閉店まで飲み続けるお客もいるという。一般利用とプラン利用を含めた客単価は4250円。

BIODYNAMIE 新宿店

東京・新宿のイタリアンバル「BIODYNAMIE 新宿店」は20坪40席で1日平均200人を集客し、月商1100万円を売り上げる繁盛店。人気の要因は、客数の8割を占める女性客のニーズを徹底追求したメニュー戦略だ。キヌアやチアシードといったスーパーフードや無農薬野菜などのヘルシーな食材を前面に打ち出す一方で、揚げ物やアヒージョなどもラインアップ。「女性はあれこれ迷いながらメニューを決め、いろんなメニューを少量食べることを好む」(経営母体の(株)BRAVAS・相原 希社長)という考えによるものだ。また、目玉商品の「生ハムとスプラウトのクリームパスタ」950円はトッピングの生ハムが盛り放題。お通しとして生ハムを出しており、それを上回る価値を提供しようと考えた手法だが、こうしたストレートなお値打ち訴求法も女性客のハートを摑んでいる。さらに店づくりも特徴的。米国ニューヨークで主流となっているインダストリアルデザインを採り入れた内装はイタリアンバルらしさがないが、このスタイルがトレンドに敏感な20代~40代の女性にアピールしているのだ。

住所/東京都新宿区西新宿7-9-13
電話/03-6908-5543
店舗規模/20坪40席
営業時間/11:00~翌0:00
定休日/無休

経営母体の(株)BRAVASの相原 希社長は、(株)レインズインターナショナルで居酒屋「土間土間」の事業本部長を務めた後、2014年に独立。レインズ在社時から、女性客のニーズにきちんとフォーカスした店が少ないと感じていたという。現在はBIODYNAMIEの他にItalian Kitchen VANSANのブランドも擁し、こちらは郊外の主婦層がメインターゲット。

お客の想像を超えた“驚き”があるか

ここで紹介した事例に共通しているのは「圧倒的なお値打ち」と「お客の自由度の高さ」だ。実際に訪れてみるとわかるが、これらの店では女性客がきわめて積極的に外食を楽しんでいる。現代社会を支えている“女性パワー”を実感させられることになるのだ。こうしたポジティブな女性客のニーズを摑むには、お客が想像しているものを超えた“驚き”が不可欠になる。メニューや売り方、店づくりなどにおいて、どれだけ踏み込んだ提案ができるか。それが女性客獲得のための重要なポイントといえそうだ。

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