スペインのラ・マンチャで育てた有機栽培ぶどうを使った、サッポロビール株式会社が正規代理店を務めるワイン「パラ・ヒメネス」。そして、千葉県で高糖度のフルーツミニトマトを育てるオスミック(OSMIC)。食卓に“おいしさ”と“安心”を届ける両社のコラボレーションが実現しました。
これを記念して、オスミックのトマト農場(オスミックアグリ千葉)を見学しながら、両社の考える「おいしさと安心へのこだわり」や「環境にやさしい取り組み」についてうかがいました。


パブロ・パラ・ヒメネスさん(以下、パブロさん)私の農園は親子3代にわたり、有機農法の上級版と呼ばれる「ビオディナミ農法」を基本としています。ぶどうだけでなく、ニンニクやタマネギ、グリーンピースも育てていて、羊や牛もおり、動物たちの力を借りながら有機栽培のぶどうを造っています。
収穫した作物の食べられない部位は動物たちのエサにしたり、フンと一緒に土に戻して肥料にしたりします。土から栄養をもらって育った作物が肥料として再び土に戻り、その土からまた作物が育つ。このように、外から何も持ち込まず、自分たちの畑の中で完結する循環型農業により、一切の無駄がないサステナブルな農業を可能にしています。


オスミック 古橋さん(以下、古橋さん)私たちの育てるフルーツミニトマトの特徴は、なんといっても糖度が非常に高いこと。一般的なトマトの糖度6に対し、「OSMIC FIRST」ブランドのフルーツミニトマトは糖度11~13と、特別な甘さを持っています。糖度13といえばマンゴーに匹敵する甘さです。
栽培方法もちょっとほかとは違っていて、トマトは水を制限する「水切り栽培」が一般的ですが、私たちは十分に水を与えて育てています。そうすることで果皮が硬くならず、みずみずしい食感が生まれます。さらに、実ったトマトは糖度を上げるために完熟を待ってから収穫し、1粒ずつ糖度を計測することで果実のような甘さのトマトだけをお届けしています。
「OSMIC FIRST」ブランドの基準に満たなかったトマトも別ラインとして販売するほか、ジュースなどの加工品に活用することでフードロスの削減に取り組んでいます。


古橋さんビニールハウス内は、トマト栽培に適した高原の環境を再現しています。最新の技術と熟練したプロの目によるきめ細かい管理によって、1年を通していつでも最高品質のトマトを提供できる仕組みです。
私たちのハウスでも、自然の力は欠くことのできないものです。土づくりに使用する有機堆肥は米ぬか・カニ殻・カキ殻などの自然由来の素材のみで、これをじっくりと半年間熟成させることで、微生物が豊かに育ち、トマトの甘さと旨みのもととなる栄養をたっぷり含んだ土になります。
さらに、交配はマルハナバチによる受粉を採用しています。自然に近い環境で実の成長を促すことにより、果肉のバランスや食味にもよい影響を与えることがわかっています。そのほかにも、低農薬管理や空調システムなどを工夫して、環境にやさしい農業に取り組んでいます。

パブロさんスペインでもいろいろな人がトマトを造っていますが、これほど注意深く栽培されているところは一度も見たことがありません。すごく丁寧にされていて感動しました。
私の農園でも、ラベンダーやローズマリーを植えた香草園があって、数年前から受粉のためにハチを飼いはじめました。ハチは周囲の森にも入って生態系を豊かにしてくれると思っています。
(写真)スペインのワイナリーの風景

古橋さんパブロさんの農園では、広大な土地を、しかも農薬を使わないでどのように管理しているのですか?
パブロさんスペインの夏はほとんど雨が降らず、四季の寒暖差がとても大きいです。ラ・マンチャという土地は、とにかくいつでも風が吹いています。虫やカビは乾燥と強い風で吹き飛ばされるので、有機栽培に適した環境ではあると思います。
(写真)スペインのワイナリーの風景
とはいえ、私たちが有機栽培を始めた時、周りは誰もやっていませんでした。当時は情報が少なくて父たちはとても苦労したそうです。有機栽培は長く続けると、微生物の働きで土が丈夫になります。今では親子3代の経験値も加わって、有機栽培でも病気になりにくい畑の生態系ができています。


古橋さん日本は高温多湿で病気やカビ、虫が発生しやすく、これが有機栽培の大変さに拍車をかけているように思います。オーガニックの農家が少ないことやマーケットが大きくないのは、このような日本特有の気候が理由のひとつではないでしょうか。
有機栽培はすごく手間がかかることですが、それでも私たちが有機堆肥による土づくりにこだわるのは、量ではなくおいしさを追求しているから。化学肥料を使えば収穫量は安定しますが、味にえぐみが出るとも言われています。フルーツのような甘さと爽やかさを備えたトマトを造るには、微生物の力を蓄えた土がどうしても必要です。

パブロさん私は夏に日本に来ることが多いので、厳しい湿度は実感しています。そんな中、いろいろな工夫をしてここまでの成果を出していることは尊敬に値することです。
祖父が有機栽培に挑戦するきっかけとなったのは、実は私が生まれたことなんです。孫に食の安心や、100年後も続くワイン造りの環境のためにという思いで始めたと聞いています。周りの生産者にクレイジーだと言われながらも有機にこだわり続け、その結果、オーガニックワインのパイオニアとして品質の高いワイン造りができています。
パブロさんオーガニックワインを造るのはとても大変ですが、飲んでいただく皆さまには難しいことは抜きにして、オーガニックワインを安心して飲んでいただきたいです。日々のほっと一息に役立てるとうれしいです。
フレッシュなトマトとワインを合わせるなら、酸味もタンニンもある若いワイン『パラ・ヒメネス カベルネ・ソーヴィニヨン[オーガニック]』が、トマトのフレッシュさとよく合いますよ。
古橋さんトマトと合わせることでワインのまろやかさが口内に広がって、お互いの魅力を引き立たせ合っていますね。私はほどよい果実の甘みとさっぱりした酸味のバランスがよい『パラ・ヒメネス シャルドネ[オーガニック]』も、生のOSMICトマトのフレッシュな甘さによく合うと思いました。
ビオディナミ農法で育まれたぶどうで造るワインも、こだわり抜いた土壌で育った甘さを約束するOSMICトマトも、どちらも自然の恵みから生まれた特別な一品です。組み合わせることで、新鮮な驚きを感じていただけるはず。至福のマリアージュを、ぜひご堪能ください。


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