ニュースリリース

2018年 サッポロビール 事業方針

~ 4年連続前年超えを目指し「続・ビール強化」~

 サッポロビール(株)は、新中期経営計画のもと、ビールを中心に事業を強化し、変化をチャンスと捉え、スピードをもって各事業の成長に取り組んでいきます。

 

Ⅰ.2017年の振り返り

1.  ビールテイスト事業について

 昨年のビールテイスト総需要は、6月の改正酒税法の影響に加えて夏場の天候不順により、RTDへの流出や業務用市場の落ち込みがみられ、前年比98%弱になったと推定しています。そのような中でも「ビール復権宣言」の事業方針のもと、好調を維持している「サッポロ生ビール黒ラベル」がけん引し、ビールカテゴリー合計は3年連続前年実績を超えることができました。なお、当社のビールテイスト販売数量は前年比98.1%となり、総需要を上回る見込みです。

  「サッポロ生ビール黒ラベル」は、3年連続で前年の販売数量を上回りました。若年層の支持が高まり、特に缶商品は2年連続二桁増で、西日本エリアを中心に好調な売上を継続しています。ヱビスブランドでも、昨年発売した「ヱビス 華みやび」が「ヱビスビール」とは異なる新たなお客様を獲得したことで、ビールの総需要を上回る見込みです。業務用で展開している「エーデルピルス」「白穂乃香」や、北海道限定商品の「サッポロ クラシック」なども軒並み伸長しました。新ジャンルは天候要因や市場環境の影響を最も強く受けました。

 

2.ワイン・スピリッツ(洋酒・RTD・和酒)事業について

 ワイン事業の売上金額は、前年比100.5%となりました。ビールに次ぐ「第2の柱」とすべく「お客様価値No.1」をテーマに、ファインワインの提案強化を行い、シャンパーニュ「テタンジェ」や「ペンフォールズ」など、世界的に著名なファインワインを中心に積極的に展開しました。日本ワインについては、需要拡大に対応すべく、ぶどう畑の拡大や「安曇野池田ヴィンヤード」で、ぶどう栽培にAIを導入するなど、安定したぶどう栽培と高品質な原料の確保に努めてきました。「グランポレール」ではコンセプトショップ「GRANDE POLAIRE WINEBAR TOKYO」を核にしてお客様との接点拡大を進めました。

 スピリッツ事業の売上金額は、前年比112.4%となりました。洋酒は、バカルディブランドの「デュワーズ」が好調で6年連続の売上増を達成しました。RTDでは「男梅サワー」が過去最高の売上となり、3月に西日本限定で発売した「愛のスコールホワイトサワー」が発売3ヶ月で年間販売計画を上回り、9月には販売エリアを全国に拡大しました。また「キレートレモンサワー」も前年実績を大きく上回り伸長しました。

 和酒では、甲乙混和芋焼酎売上No.1(注1)「こくいも」の好調に加え、“プラス機能”を追求した「梅のチカラ」シリーズも停滞する梅酒市場において5年連続の伸長を遂げました。

 

Ⅱ.2018年 事業方針

 本年は「続・ビール強化」を事業方針に掲げ、さらにビールブランドを強化し、積極的に取り組みます。

 

1.ビールテイスト事業について

 本年のビールテイスト総需要は、RTDなど他酒類への流出による厳しい市場環境が続き、加えてびん・樽製品の価格改定もあり、98%程度になると推測しています。

 総需要が落ち込む中にあっても3年連続で売上増を達成したビールブランド強化を継続していきます。「サッポロ生ビール黒ラベル」と「ヱビスビール」の両ブランドは勿論のこと、サッポロ独自の強みをもつ業務用や地域限定の各種ブランドでも積極的に取り組み、売上増を目指します。また、消費の多様化や社会環境の変化をチャンスととらえ、多品種・小ロット設備を導入して、個性ある商品の開発・育成を強化します。

 

(1)ビール

「サッポロ生ビール黒ラベル」

 本年も「完璧な生ビールを。」のテーマを継続し、4年連続の売上増を目指します。広告・販促活動やブランド体験を家庭用と業務用において連動させ、ブランドの世界観と「完璧な生ビール」を体験・実感いただく機会をさらに拡充していきます。

 また、好評を博している「THE PERFECT 黒ラベル BEER GARDEN」(東京・大阪)、「THE PERFECT BAR」(東京六本木)、「THE PERFECT DAYS」(全国主要都市)を引き続き開催するとともに、本年は新たに「THE PERFECT STAR WAGGON(注2)」を展開する予定です。

「ヱビスブランド」

 本年は「日常接点の創出」をテーマに、日常の“めでたさ”に寄り添う施策を展開し、お客様価値向上を目指します。うれしい出来事や誕生日など、個人的なカジュアルギフトの需要を取り込むための店頭施策を強化する一方で、「ミシュランガイド東京および京都・大阪2018」を主催する日本ミシュランタイヤ(株)とのパートナーシップ契約締結や、プレミアムな野外レストラン「DINING OUT」(注3)への協賛を行い、ヱビスブランドのさらなる価値向上を図ります。

 昨年発売し、新たなお客様を獲得した「ヱビス 華みやび」は2月20日にリニューアルすることで、さらなる支持の拡大を目指します。

「サッポロラガービール」

 こだわりのあるファンからの根強い支持を受け、びん商品が6年連続で前年実績を超えました。レトロ感が人気を博し、取り扱い店が増加して販売実績も大きく伸長しました。引き続き、さらなる認知・飲用経験の拡大を狙います。

 <業務用ブランド>

「エーデルピルス」

 15年連続の売上増を果たしています。本場ドイツで認められた正統派ピルスナーとして飲食店への情報発信を強化しつつ、お客様接点の拡大に注力していきます。

「プレミアムホワイト 白穂乃香」

 首都圏の一部エリアと愛知県限定で販売しています。無濾過ならではのまろやかな味わいがお客様に好評で、2008年の発売から10年連続で売上増を達成しています。

<地域限定ブランド>

 「サッポロ クラシック」は地域限定ビールの先駆けとして1985年に北海道限定で発売し、着実にファンを増やし、17年連続の売上増を達成しました。北海道の四季と連動した施策などを展開し、この勢いをますます加速していきます。

 「新潟限定ビイル 風味爽快ニシテ」はブランド合計が3年連続で、「静岡麦酒」は通年販売をしている樽商品が発売以来4年連続売上アップとなりました。

 当社は、これらの商品で地域に密着したマーケティングを展開し、地域の皆様に愛されるブランドを目指していきます。

 

(2)新ジャンル

「サッポロ 麦とホップ」

 「サッポロ 麦とホップ The gold」をリニューアルし、「サッポロ 麦とホップ」として3月6日に発売します。

発売10年目を迎える本年は、リニューアルを起点に、発売以来、“麦”と“ホップ”だけでつくることを貫いてきた素材由来の品質価値をお客様へ徹底して伝えていきます。

「サッポロ ホワイトベルグ」

 「#NoBitterLife-苦くない、それは新しいスタイル-」のテーマのもと、ブランド情報発信を強化します。この商品ならではの味わいや世界観を訴求することで、若年層を中心としたトライアルを喚起し、新たなお客様を獲得していきます。

「サッポロ 極ZERO 爽快ゼロ」

 新ジャンル「サッポロ 極ZERO 爽快ゼロ」を1月30日に新発売します。「3つのゼロ」(糖質0(注4)・プリン体0(注5)・人工甘味料0)に加え、低カロリーNo.1(注6)を実現した、低負担で気兼ねなく飲めるビールテイストです。

機能系商品飲用者が重視している低カロリーとすっきりした爽快な味わいを実現したこの商品でお客様の満足度を高めていきます。

 

(3)発泡酒

「サッポロ 極ZERO」

 「うまさも!ゼロも!よくばった!」のテーマのもと、世界初(注7)プリン体0.00(注8)、糖質0(注4)、人工甘味料0という「3つのゼロ」はそのままに、飲みごたえまでこだわった“うまさ”を継続して訴求します。

 

(4)ノンアルコールビールテイスト飲料

「SAPPORO+(サッポロ プラス)」

 昨年、中味およびパッケージをリニューアルし、“糖の吸収をおだやかにする”という保健機能とプリン体0(注5)、カロリー0(注9)、糖類0(注9)、アルコール0.00%といった「4つのゼロ」はそのままに、飲みごたえをアップすることで、よりビールに近い味わいを実現しました。

 「せっかくなら、トクホを選びたい。」というテーマのもと、機能系ノンアルとして、確固たるポジションを築いていきます。

 

2.ワイン・スピリッツ事業について

(1)ワイン事業

 ビールに次ぐ「第2の柱」とすべく「お客様価値No.1」を目指し、ファインワイン・デイリーワイン両面での販売を強化します。

 日本ワイン「グランポレール」では「GRANDE POLAIRE WINEBAR TOKYO」を活用したイベント、試飲会およびセミナーの開催など、お客様接点の強化を図り、ブランドに磨きをかけます。またドイツで開催される展示会「ProWein」(プロヴァイン)に出展し、世界的な認知度を高めていきます。

 シャンパーニュ「テタンジェ」や「ペンフォールズ」などのファインワインブランドでは、認知・価値向上のため、ブランド体験機会の提供、贈答需要を喚起する取り組み強化をはじめ、積極的な展開を継続してブランドイメージの構築を図ります。また、3月よりイタリア・ピエモンテ州の歴史あるワイナリーと新たに取引を開始し、ポートフォリオを拡充します。

 デイリーワインでは、輸入ワインブランドの拡充など幅広い商品提案をしながら、マイレージキャンペーンなどのプロモーションによりお客様接点を拡大し、パワーブランドの販売強化を図っていきます。

 

(2)スピリッツ事業

 お客様接点拡大による「ブランドの見える化」を推進し、当社ならではのオンリーワン商品を提案していきます。

 RTDは、市場拡大が加速する現状と将来に備え、これまで以上に取り組みを強化します。「驚きをカタチに」をスローガンに、「男梅サワー」「愛のスコールホワイトサワー」「キレートレモンサワー」など、コラボレーションによる独自価値を強化すると同時に、新たな切り口の商品を展開し、新鮮で驚きのあるオンリーワン商品を創出していきます。

 和酒は、バラエティーに富んだ“和のお酒”を通じて変幻自在な楽しさを提案します。好調な甲乙混和芋焼酎「こくいも」はNo.1価値をさらに高めるためにリニューアルし、梅酒カテゴリーでは「ウメカク」「男梅の酒」「梅のチカラ」シリーズで既存梅酒にはない独自価値の浸透を図ります。本格焼酎は「和ら麦」の特長であるフルーティーな香りを活かした新たな飲み方「和ろまスタイル(注10)」の提案や「からり芋香るハイボール」を通じて飲用機会のさらなる拡大を目指します。

 洋酒は、引き続きバカルディ ジャパン社との連携を強化し、世界的に著名なブランド力を活かすことでお客様に新しいお酒の楽しみ方を提案します。世界販売金額No.1(注11)ラム「バカルディ」をはじめ「デュワーズ」「ボンベイサファイア」「マルティーニ」に注力します。

 

<2017年実績及び2018年計画>

※ 添付のPDFファイルをご参照ください。

3. オンリーワンの取り組み

(1)フォトビー

 「フォトビー」は、お客様だけのオリジナルラベルビールをオーダーできるサービスです。お手持ちの写真と、好きなラベルフレームやスタンプを使い、スマートフォンまたはPCで簡単に手作りラベルを作成できることが人気を博し、昨年は売上数量前年比247%となりました。

 

(2)ジャパンプレミアムブリュー(株)(以下 JPB社)

 クラフトビール市場の成長など、ビールに対する嗜好は多様化しています。当社の100%子会社であるJPB社は、ビールの成長機会創出のための新たなアプローチとして、昨年9月に新ブランド「Innovative Brewer」を立ち上げました。ナショナルビール・クラフトビールといった区分にこだわらず、新たに立ち上げたこのブランドからビールの既成概念にとらわれない独創的な価値提案を行い、新ビールカテゴリーの創造にチャレンジしていきます。

 

(3)日本ビール検定(愛称「びあけん」)

 「一般社団法人 日本ビール文化研究会」が主催する「びあけん」では、さまざまなビールの歴史・製法・原料・種類などの基礎から、おいしく飲むための方法・うんちくなどを学んでいただけます。検定は3級から1級まであり、ビールを幅広く知りたい方からより専門的に勉強したい方まで、20歳以上のビール好きの方であればどなたでも受検できます。

 これまで、累計で約22‚000名が受検、約11‚500名の合格者を輩出し、今秋も全国5都市で開催を予定しています。

当社は「一般社団法人 日本ビール文化研究会」とともに「びあけん」を通して、日本のビール文化の発展、普及に貢献していきます。

 

(注1)インテージSRI調べ 甲乙混和芋焼酎市場2016年3月~2017年10月累計販売金額全国SM/CVS/酒DSの合計。

(注2)パーフェクト黒ラベルを提供するキッチンカー。全国主要都市で展開予定。

(注3)毎回、日本のどこかで数日だけオープンするプレミアムな野外レストラン。世界で注目される料理人、時代を代表するクリエイターを招き、五感全てで土地の豊かさを味わう新しい日本の愉しみかたを提供します。

(注4)栄養表示基準に基づき、100ml当たり糖質0.5g未満を糖質0としています。

(注5)100ml当たりのプリン体0.5㎎未満をプリン体0としています。

(注6)国産大手メーカーより現在発売されている糖質0のビール類において(当社調べ2017年10月現在)

(注7)発泡酒において世界初100ml当たりプリン体ゼロ、糖質ゼロ、人工甘味料不使用を実現した商品。(当社調べ)

(注8)100ml当たりプリン体0.005mg未満をプリン体0.00としています。

(注9)食品表示基準による。

(注10)和ら麦+アロマの造語。和ら麦を専用グラスに注ぎ、ワインのように香りを楽しむ新しい飲用スタイル。

(注11)2016年IWSR調べ。世界販売金額No.1ラム「バカルディ」。

以上

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