誰も経験したことがない1杯を実現するため、莫大な時間と労力を顧みず、いい大人たちが本気で超スペシャルな乾杯シーンを作り上げる。それがサッポロビールの特別企画、SAPPORO OVER QUALITY。そしてこちらは、そこからググッとフードに寄ったスピンオフ。その名も、Kitchen by SAPPORO OVER QUALITY。標高約1,400mの高台で行われた本編・四国カルスト編に付随する、REALBBQ井川氏手掛ける超絶景のアウトドアキッチンをご覧ください。
今回の舞台は、日本三大カルストの一角を担う四国カルスト。思い出すだけでフクラハギがプルプルするドギツい搬入(詳しくは本編vol.08にて)に至るその前に、お膝元である高知県の農場にて地元野菜を収穫。ミニトマト『アイコ』を中心とした地場の味覚に、シェフ井川が魔法をかける!
美食の宝庫、四国。そのラインナップは、肉に魚に野菜に鶏に……。いちいち挙げればキリがない。そんな数あるご当地食材の中でも鶏部門で有名なのが、高知県原産の土佐ジロー。それを踏まえて井川氏が提案するのは、イタリア料理チキンカチャトーラ。炭火とダッチオーブンでコトコト。
見た目はデカいスモーカー。でも持ち感は軽く両手も必ずふさがるので、実はけっこうラクな役回り。手元に巡ってきた瞬間、内心『ラッキー(笑)』と思わなかったとは言わせない。後ほど頂上にて三角チーズをスモーク。地元産チップの香りで、お馴染みのオツマミのお味がバージョンアップ。
メインのシュラスコを飾る副菜のもうひと品、ジンジャーライス。写真でお見せできないのが残念だが、麓の農場で掘り抜かせてもらった、驚くほどに巨大なサイズのショウガを使用している。仕上げは、関東では聞き慣れない同じく地元産の柑橘類、『仏手柑(ブシュカン)』をブシュっと。
※火気の使用は特別な許可を得た上で、十分に安全性に配慮し行っています。
アウトドア料理の王様といえば、どうしたってBBQ。けれどBBQ文化発展に熱意を燃やすシェフ井川の場合は、もちろん一般的なそれとはふた味違う。氏の提案はブラジル流BBQ、つまりシュラスコ。地元産和牛のイチボを主役とした、まさにオーバークオリティな逸品に!
材料(4人分)
和牛イチボ/300g×4本
生ソーセージ/4本
鶏モモ肉/200g
塩/適量
胡椒/適量
【ソース】
ミニトマト『アイコ』/6個
玉ねぎ/半分
ピーマン/3個
オリーブオイル/50cc
柑橘類/適量(仏手柑orレモン)
シュラスコ用の特製ソース、モーリョ・ヴィナグレッチ。酸味と香味で食が進む、ブラジル式BBQの定番だ。トマト、玉ねぎ、ピーマンをみじん切りで刻み、彩りも美しく瓶に詰める。最後に、お酢の代わりに仏手柑ブシュー。
数ある部位の中でもシュラスコで使うのは、牛のお尻のエクボ部分、通称イチボがベスト。そしてサーベルに刺す際は、ご覧のとおりに厚い脂分を外側にした、コの字型がセオリーだ。実はこの刺し方こそ、シュラスコの美味しさの秘訣。
サーベルに食材を通したら、いよいよ焼きの作業に。外側に面した脂分から滲み出る肉汁が全体に絡むように、くるくるサーベルを回しながら焼き上げる。これが、シュラスコの味のポイント。暴力的なまでにイイ匂いが立ち込める。
全体に焼き目がしっかりついたら、もうOK。それぞれの皿に切り分ければ、待望のシュラスコの完成だ! ちなみに切り分けの作業は、サーベルに刺さったままで行うのがベター。何がイイって見た目がイイ。こういう演出も大事です。
標高約1,400mの高原で行われたブラジリアンBBQ、シュラスコ。メインの肉には地元産和牛を使用し、同じく地元の獲れたて野菜で作った特製ブラジリアンソースも添えられた。そうして完成したひと皿を、爽やかな風が吹き抜ける超絶景の中でパクリ。その味わいは、これぞオーバークオリティ! 筆舌に尽くし難い美味しさに、ヱビスビールもぐいぐい進む。そんなブラジル仕込みのBBQスタイル、皆様も是非!
アウトドア料理という枠組みを超えた、オーバークオリティなソトゴハンに挑戦するKitchen by SAPPORO OVER QUALITY。その撮影に同行した、サッポロビール社員Y氏のリアルな声をお届け。標高約1,400mの大絶景で味わう、ブラジリアンBBQの感想は?
「今回は、注目のブラジル式BBQということでスゴく楽しみにしていましたが、実際に目で見ると、その迫力は想像以上! ひとつ300gという大きな和牛の塊を串刺しで豪快に焼き上げる様は、まさにオーバークオリティと呼ぶに相応しいインパクトでした。ビールとのマッチングも、言うまでもなくもちろん最高! 脳内にご機嫌なサンバのリズムが響き渡りましたね(笑)。ここが標高1,400mのアウトドアフィールドであることを忘れるほどに副菜も充実していたし、やっぱりプロの技はスゴイなと、感嘆しきり。個人的には、今回初導入されたスモーカーの存在感も印象的でした」。
REALBBQ 株式会社代表取締役 BBQデザイナー
井川 裕介 いかわゆうすけ
「高原に石灰岩が点在する幻想的な空間でのBBQは、仕事とはいえとても気持ちよかったですね。けれどその分、搬入は恐ろしく過酷(笑)。天候も変わりやすく、なかなか苦しめられました。最後に霧が晴れた時は、何か超常的な力を感じましたよ。シュラスコに関しては、これだけ上等な肉を贅沢に使うことも少ないので、非常にやり甲斐を感じました。普通は酢を使うところを仏手柑で代用した、モーリョ・ヴィナグレッチのアレンジもポイントですね」。