出来立てのうまさを届けるために
「ビールは出来たてが一番うまい」と言われるように、完成してパッケージングされてからも、時間とともにビールの香味は変化していきます。そのため、色や味、香りなどいくつもの厳しい官能検査を行うだけでなく、鮮度を守るためのパッケージングも重要になってきます。また、出来たてのおいしさを届けるために、時間、温度、日光、衝撃、酸素といった鮮度に関わる要因にも細心の注意が払われています。
パッケージング
びんビールの充填
缶ビールの充填
製品検査
官能検査
官能検査とは実際にビールを飲んで、香りや味などの品質の評価をすることです。ビールの成分は、これまでの研究によって分かっているだけでも800~900成分あるといわれており、その大部分が何らかのかたちでビールの香味に影響を与えていると考えられています。ビールの香味に求められるビールのうまさを表現すると、抽象的ではありますが、「喉でビールを飲んだ際の刺激感、通過感、香味の調和、香味のバランス」の良さであるといえます。もう少し具体的にとらえるならば、 (1)豊潤さ、(2)切れ味、(3)雑味のない純粋さ、(4)炭酸ガスの快い刺激、(5)飲み飽きなさといった性質が必要とされます。これらを客観的に評価することは難しいのですが、官能検査パネルの訓練、官能検査方法、その結果の解析法に統計的方法が取り入れられ、香味も泡や色といった他の品質と同様に客観的に測定、評価できるようになってきています。