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いい顔の人たち#5 「焼鳥 おみ乃」の小美野正良が、たのしみながら見つけた焼鳥のさらなる魅力

ヱビスは誰よりもビールの無限の可能性を信じ、ビールづくりをたのしみながら130年にわたって挑戦を続けてきました。2025年5月には〈さぁ、いい顔でいきましょう。〉というメッセージとともに、新進気鋭の飲食店「Atelier LaLa」、「焼鳥 おみ乃」、「PETER LUGER STEAK HOUSE TOKYO」の3名が出演する新CMを公開。これに合わせて、連載「#いい顔の人たち」では3名に特別インタビューを行いました。

Vol.5では、「焼鳥 おみ乃」の小美野正良さんをお迎えします。小美野さんは32歳から名店「⿃しき」に弟子入り。8年の修業を経て2017年に独⽴。押上で「焼⿃ おみ乃」を開店します。日本料理との融合という新しい試みにも挑戦し、2021年3⽉には神谷町に2店舗目となる「おみ乃 神⾕町」を、2023年10月には京橋に3店舗目となる「おみ乃 椿」を開かれました。2019年よりミシュラン1つ星を6年連続で獲得する「おみ乃」の魅力とは? 小美野さんに、その活躍の源泉をお伺いしました。

焼鳥の、本当の魅力を知っていただくために。

おみ乃さんは、焼鳥と日本料理の融合という新たなスタイルで挑戦をされるなど、多くの方に愛され、注目されているお店かと思います。改めて「焼鳥 おみ乃」とはどのようなお店でしょうか 

「焼鳥 おみ乃」は、お一人おひとりが召し上がるペースに合わせてタイミングを見計らいながら焼鳥をご提供するスタイルのお店です。提供するのは、修行時代からずっとこだわり使い続けている、福島県伊達市の伊達鶏。脂身や肉の弾力感やうまみのバランスがあって、食べ疲れない鶏なんです。地鶏ほどの脂身・味の濃さはなく、伊達鶏は何本でも食べられてしまいます。

画像:インタビュー1

また、職人として焼鳥の本当の魅力を追求していく中で、四季を味わう日本食のひとつに焼鳥を昇華させたいという思いが生まれました。焼鳥は伝統的で、日常的に食べられているものですが、四季を味わうという感覚ではありません。だからこそ、日本料理の四季を織り交ぜたら面白いんじゃないかと思い立って、日本料理と焼鳥をコース仕立てでお出しする形を始めたんです。ただ、最初は賛否両論もありました。しかし、焼鳥を頬張り、御出汁で口の中をリセットし、旬のお野菜を味わう、四季を織り交ぜながらの演出と味を感じてもらえるようになり、少しずつではありますが、皆さまに喜んでもらえるようになってきたかなと感じています。

幼少期の記憶に刻み込まれていた

焼鳥職人となられたきっかけ、また、今現在のキャリアを形成されるまでにあった大きなできごとや影響された人がいましたら教えてください
画像:インタビュー2

私は30歳までサラリーマンをやっていました。システムエンジニアとしてプログラミングをやっていたんです。
一方で、父は祖父の代からずっと鰻屋を営み職人として働いていました。自分が物心ついたころから、鰻を捌いたり、炭をくべたりしていた父の背中が記憶に刻み込まれていて、どこか憧れのようなものを感じていたと思います。

30代になり、「本当にやりたいことって何だろう」って考えるようになったんです。そんな時、心に浮かんできたのは子どもの頃にみた原風景でした。父が営む鰻屋が商店街の一角にあり、その並びには、お肉屋やお惣菜屋に加えて焼鳥屋があったんです。店頭では焼鳥を焼いている香りが漂ってきて、子ども心にワクワクしました。お小遣いをもらって、買いに行った焼鳥。やっぱりいいなって思いました。

職人の道は、10年20年修行してやっと独立という世界。32歳を迎え今からは難しいのではないかと感じつつも、焼鳥ならできるんじゃないかという甘い考えはありましたが、挑戦することに決めました。父の背中を見てきた影響というのがやっぱり大きかったのだと思います。

修行時に培った考え方と、お客様との強いつながりが挑戦の原動力に。

32歳から修行を始められ、焼鳥職人の道へ進まれたんですね。

修行時代に印象的だったのは「素直であれ」「自分本位になるな」という親方からの言葉です。どうしても早く技術を学んで独立したいという思いが先立っていたので、地に足がついていないことを見抜かれたのだと思います。
どの商売もそうなのかもしれないですが、自分本位になるのではなく、すべてお客様の目線で考えること、そして「そこから逆算して、今自分が何をするべきかを考えよう」と言われた言葉が、とても心に響いて、今でも大事にしています。 

独立されるにあたり、ご苦労も多かったのではないでしょうか?

独立してからすべてが順調だったわけではなく、苦労した時期もありました。独立後4年目の2021年に2店舗目の「おみ乃 神谷町」をオープンさせました。しかしオープンして3日目、押上店でボヤ騒ぎが起きてしまい、そこから復帰するまでに3ヵ月を要しました。とてもショックを受けました。
ただそのときに、たくさんのお客様からあたたかい声をいただいたんです。復旧を心から期待して待っている、と。
コロナ禍とのダブルパンチでしたが、お客様からの応援の声があって、乗り越えることができました。改めて、お客様あってこそ、自分は生かされているんだということを実感しました。ずっと感謝し続けていきたいと思います。

父が好きだったヱビスビール。僕の中でもど真ん中。

「焼鳥 おみ乃」さんではヱビスビールをご提供いただいています。提供するビールの銘柄として選んでいただいた理由や、小美野さんからみたヱビスビールの印象、お料理との相性についてなどぜひお聞かせください

ヱビスビールは、父が大好きなビールでした。サッポロビールという会社も、ヱビスビールも大好きだったんです。だから、僕の中でもビールといえばヱビスビール。真っ先に思い浮かびます。僕の中では味わいのバランスが一番いいビールだと感じます。食事の邪魔をしないというか、ど真ん中な感じがするんです。ヱビスビールこそがビールのフラッグシップだという印象を持っていますね。

おみ乃の焼鳥を、もっと身近に、海外にも広げていきたい。

ヱビスは〈たのしんでるから、世界は変えられる。〉というメッセージを打ち出しています。今後も料理をお客様にお届けになるにあたり、挑戦してみたいことはありますか?

職人として学んできた流れから、今のお店の形に辿り着きましたが、やっぱり焼鳥屋には原風景にあるような大衆的なイメージを今でも持っています。その魅力を、もっと広く、日本だけに留まらず海外の方にも向けて広く発信していきたいという気持ちも強くなっています。

画像:インタビュー3

今のお店の形だけでは、出会えないお客様もたくさんいると思っています。昔、自分も友達とワイワイと賑わいを感じていた、大衆に親しまれる焼鳥屋。そういうものもやっていきたいと思っていて、実は今度フードコートにお店を出すんです。
今はまだ出会えてない、より多くのお客様にたのしんでもらえるような環境づくりにチャレンジしていきたいと思っています。

また、焼鳥は海外の方にはまだまだ認知度が低いんです。お寿司屋さんは海外にも多くありますが、焼鳥屋はまだ少ない。最近では海外出店される焼鳥屋さんも増えてきているのでそれだけニーズはあるんだと感じています。 

とてもワクワクする挑戦ですね。

日本の鶏ってとてもクオリティが高いんです。北米などにも養鶏技術はありますが、鶏肉を部位毎に食す焼鳥という食文化が発展してきた過程で、鶏そのもののクオリティも長い年月をかけて共に磨かれてきたのだと思います。日本の鶏は輸出できないので、現地で養鶏から自分が関わることで、よりクオリティを上げていくことができるのではないかと感じています。アメリカでの消費量も年々増えているそうなので、夢は広がります。焼鳥にとって、やはり素材は大事なものの一つなので、挑戦していきたいと思っています。

「焼鳥 おみ乃」の小美野正良さんが出演されたCMはこちら

https://youtu.be/J5wQejCkFl8

焼鳥 おみ乃

小美野正良(おみのまさよし)

1977年、東京都⽣まれ。
実家は鰻屋だったが、専門学校卒業後はSEとしてサラリーマンに。学⽣時代のアルバイトで魅⼒を感じていた焼⿃職⼈という仕事への思いが⼤きくなり32歳で名店「⿃しき」に弟⼦⼊り。8年の修業を経て2017年に押上で独⽴し「焼⿃ おみ乃」を開店。2019年よりミシュラン1つ星を6年連続で獲得。2021年3⽉、神谷町にて2店舗⽬「おみ乃 神⾕町」を開く。2023年10⽉、京橋にて3店舗⽬「おみ乃 椿」開店。今秋、芝浦にて新店開店予定。

写真:小美野正良(おみのまさよし)