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買ったワインはいつまで飲めるの?ワインの賞味期限について解説

お店で売られている食品・飲料物を、おいしくかつ安全にいただくために必要な賞味期限。未開封のワインの賞味期限はどれくらいなのでしょうか?

またワインを開封した場合は、どれくらいで飲んでしまうのが良いのでしょうか?ここでは気になるワインの賞味期限について解説していきたいと思います!

買ったワインはいつまで飲めるの?ワインの賞味期限について解説

ワインに賞味期限がないって本当?

ワインには多くの食品や飲料物に記載されている賞味期限が記載されていません。「それって本当?」と思われる方は、ぜひワインのボトルをチェックしてみてください。

高級ワインに限らず、お手頃価格のテーブルワインでも賞味期限の記載を見つけることはできないはずです。

ワインに賞味期限がないのは、そもそもワインには腐るという概念がないからです。そして、ワインの飲み頃というのが数年~10年以上と非常に幅が広いため、賞味期限を一概に決めることができないということも大きな理由です。

ただ勘違いしないで欲しいのはワインに賞味期限がないとはいえ、未開封のワインをおいしく飲むための“飲み頃”はそれぞれのワインにあるということです。

未開封のワインの賞味期限を知っておこう!

買ったワインはいつまで飲めるの?ワインの賞味期限について解説

ワインの飲み頃は、大まかな種類に分けて考えるととっても分かりやすいですよ!例えば、お手頃価格のワイン、白ワイン、赤ワイン、スパークリングワインの4種類に分けると、以下のとおりです。

お手頃価格のワイン:買ってすぐ飲むのがベスト

コンビニやスーパーで売っているワインの中には、安くて数百円程度で購入できるものもあります。これらのお手頃価格なワインは、熟成させる必要がありません。

すでに飲み頃の状態で販売されているため、買ってすぐ飲むほうがおいしく味わえます。

赤ワイン:2~3年以内

赤ワインは、2~3年以内を目安に飲みましょう。ただしボージョレ・ヌーヴォーの場合はさらに早めに飲むことができます。1年以内を目安に味わってみてください。

また、ボルドーやブルゴーニュなど酸味や渋味が強い赤ワインは、長期熟成できるものもあります。

白ワイン:1~2年以内

軽めの白ワインは、早いうちに開けるほうが魅力を最大限に感じられます。1~2年程度が目安です。

赤ワインと同じく、白ワインも種類によっては長期熟成でより味わい深さを楽しめます。例えばモンラッシェなど熟成タイプのワインやソーテルヌの貴腐ワイン、極甘口のワインは長期保存に向いているため、試してみてはいかがでしょうか。

スパークリングワイン:買ってすぐ飲むのがベスト

スパークリングワインの魅力といえば、やはりきめ細かな泡と炭酸による刺激です。最大限に魅力を楽しむためには、買ってすぐに飲むことを心がけてください。

スパークリングワインは保存環境によってガスが抜けたり、コルク部分が腐ったりするおそれがあるため、一部例外はありますが長期保存に向いていません。

数年間置きっぱなしのワイン

買ったワインはいつまで飲めるの?ワインの賞味期限について解説

長期保存できるワインなら、開けていなければ飲めるのでは?と思ってしまいますね。

しかし、注意しなくてはならないのが、ワインの品質を保つためには保存に適した環境が必要となることです。長期保存する場合は光を遮断し、適度な温度と湿度に整えられた環境を用意しましょう。市販のワインセラーがあると手軽に環境を整えることができます。

環境を整えずに数年間、常温で自宅保管した場合はワインが変質している可能性が高く、飲むにはリスクをともなうためおすすめしません。

開封後のワインの賞味期限はどうなる?

買ったワインはいつまで飲めるの?ワインの賞味期限について解説

一度開封したワインは、早めに飲み終える必要があります。スクリューキャップのように一見しっかりと封をできているように思えるワインも、一度開封すると酸化を止めることは困難です。

開封したワインの賞味期限も種類ごとに目安があるため、ここでチェックしてみましょう!

お手頃価格のワイン:1週間以内

ワインは開封と同時に酸化が始まるため、早めに飲み切るようにしましょう。ただし、冷蔵庫で保管しておくと、1週間程度はもつものも少なくありません。

赤ワイン:3~5日程度

赤ワインは、開封してから時間の経過によって味の変化を楽しむこともできます。例えばフルボディやミディアムボディは「自分には重いな」「飲みにくいな」と感じた場合、2時間後、6時間後、そして翌日など時間の経過で味の変化を楽しむと良いでしょう。好みの味に変化することもよくあります。

注意したいのがライトボディの赤ワインです。開封して酸化が進むとワイン自体の酸味が強くなってしまうため、早めに飲み切ることをおすすめします。

白ワイン:5日程度

白ワインは辛口と甘口で取り扱い方が異なります。糖分が少ない辛口の場合は酸素に触れると劣化しやすいため、できる限り早めに飲み切ることが大切です。甘口の場合は、1ヶ月程度保存できるものもあります。

スパークリングワイン:当日に飲み切る

スパークリングワインは一度開けると、炭酸ガスが抜けてしまいます。きめ細かな泡や炭酸の刺激が味わえなくなるため、当日のうちに飲み切るようにしてください。

もし難しい場合は、シャンパンストッパーというスパークリングワイン専用の栓が販売されているので活用してみてはいかがでしょうか。冷蔵庫で保管すれば、翌日でも楽しむことができます。

こんな状態のワインは飲める?飲めない?

買ったワインはいつまで飲めるの?ワインの賞味期限について解説

長く保存しすぎたワインの中には、色が変わっていたり、においが変わっていたりするものもあります。「これは飲んでも良いの?」と不安になった時の参考に、ここではワインの状態別に飲めるものと飲むべきではないものを紹介します。

見た目

ワインの酸化が進むと、褐色に変化します。多少の変化では分かりにくいものですが、明らかに色が購入当初と異なる状態にまで変化することもあります。

若いワインで購入してから1~2年程度のワインでこのような色の変化が見られたら、品質が悪化しているサインです。

臭い

湿ったダンボールのような臭いがしたら、ブショネの可能性があります。ワインがすでに劣化してしまっている状態のため、飲むのはおすすめしません。

ブショネについての詳しい解説は、以下のページでも紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
「ワインのブショネとは?原因と見分け方を知るには」

また、お酢のような酸っぱい臭いも注意が必要です。酸化が進みすぎているために起こるもので、飲めなくもない状態ですが、ワイン本来の味を楽しめません。

ワインの状態によっては、腐った卵や硫黄のような臭いがする場合もあります。還元臭にあたり、デキャンタージュすることで解決できる場合もあるため、「処分するのはもったいない」と迷った時は、一度デキャンタージュを試してみてはいかがでしょうか。

デキャンタージュのメリットや方法については、以下の記事で解説しています。
「デキャンタとは?ワインをデキャンタージュする方法を徹底解説!」

液漏れ

ワインのコルク部分を見ると、液漏れのような状態になっていることがあります。ワインの温度が上がって熱膨張を起こした結果、コルクにワインが染み込んだものです。

こうしたワインは状態が悪いことが想定されるため、試飲する際は注意が必要です。すでに傷んでいる可能性が高く保存には向いていません。開封した際は状態を確認したうえで、早めに飲むことをおすすめします。

飲み残したワインはどうすれば良い?

買ったワインはいつまで飲めるの?ワインの賞味期限について解説

ワインを飲み残した時は、残量によっては保存するべきか迷うこともあるのではないでしょうか。処分するのはもったいないし、酸化も心配だし、と悩んでいる時の対処法は、大きく分けて次の3通りです。

しっかり保存する

残量が多い場合は、冷蔵庫でしっかりと保存することで、数日間は多少の味わいの変化はあるものの、問題なく飲むことができます(スパークリングワインを除く)。

保存する時は立てた状態で冷蔵庫に入れましょう。瓶内の空気を除く専用の器具を活用してボトル内の空気を抜いておけば、酸化の進行をゆるやかにできます。

量が少ない時は、別の容器に移し替えて空気と触れる面積を少なくすることも効果的です。

ワインの詳しい保存方法については、以下の記事にてぜひ参考にしてみてください。
「開封後のワインの保管方法をチェック!おいしさを保つためのポイントは?」

料理に活用する

日ごろの料理に余ったワインを活用してはいかがでしょうか。ワインのアルコールが肉・魚の臭みを消したり、料理に味わい深さをプラスしたりしてくれます。

赤ワインなら牛肉の煮込み料理やビーフシチューに加えてみてください。白ワインなら、魚介の白ワイン蒸しがおすすめです。

ワインをアレンジする

残量が多い時は、ワインにアレンジを加えて違った味わい方を楽しむ方法もおすすめです。夏ならフルーツの酸味や甘味をプラスしたサングリアはいかがでしょうか。見た目も華やかで一人飲みからホームパーティーまで様々なシーンに合います。

サングリアの詳細は、以下の記事で紹介しています。
「自宅で簡単♪おしゃれで可愛いサングリアのレシピ」

冬ならホットワインがおすすめです。ヨーロッパの一部の国では冬の定番ドリンクとして愛されており、様々なスパイスを加えることで独特の味わいを楽しめます。

ホットワインの詳細については、以下の記事をご覧ください。
「寒い季節におすすめ!ホットワインを美味しく作るコツ」

まとめ

賞味期限がないワインですが、それぞれのワインに“飲み頃”があります。ワインのおいしさを最大限に楽しむためには、ぞれぞれのワインを飲み頃にいただくのがおすすめです。

またワインの種類によっては熟成させる方がおいしいものもありますから、ワイン専門店で購入する際は飲み頃を尋ねるといいでしょう。

ワインは、開封後は変化が進みますので早めに飲むようにしてください。開封後の保管状態が悪くバランスの崩れた味がした場合は、問題がないことをしっかり確認したうえで、料理などに利用しましょう。ただし、体調へ影響を及ぼすことがあるので、基本的には処分することをおすすめします。