ワインにはいくつもの種類がありますが、そのひとつ「ポートワイン」ってみなさん聞いたことはありますか?
ここでは、「ポートワインってなに?」「どんな味がするの?」という方のためにポートワインの特長や種類など基本情報をご紹介します。
ぜひポートワインについての知識を得て、ポートワインデビューを果たしてくださいね!
酒精強化ワインに分類されるポートワイン
ポルトガル生まれのポートワインは、14世紀中頃から造り始められたワインです。ワインの中では酒精強化ワインという部類に入ります。
・酒精強化ワインとは?
酒精強化ワインの“酒精”は、アルコールのことを指します。つまり酒精強化ワインというのは、醸造過程でアルコールを添加することで、アルコール度数を高めたワインということです。
普通のワインはアルコール度数が14度程度ですが、酒精強化ワインの場合は18度前後と高めです。
酒精強化ワインと普通のワインとの違いは、アルコール度数が高いというだけではありません。普通のワインよりも甘いというのも酒精強化ワインの特長。
酒精強化ワインが甘くなる理由は、まだ発酵しきっていない段階のワインにアルコールを加え、糖分の分解を止めているからです。糖分の分解が止まると、その分ワインに糖分が残り甘くなるのです。
酒精強化ワインの中でも有名なのは、スペインで生まれたシェリーとポルトガル生まれのマデイラとポートワインで、世界三大酒精強化ワインと呼ばれています。
つまり、ポートワインは酒精強化ワインの代表といえます。
ポートワインの特長って?
では、酒精強化ワインのひとつであるポートワインの特長をご紹介していきましょう。
まずポートワインは、酒精強化ワインの中でもアルコール度数が高いワインで、さらに19度から22度までに限定されています。
ポートワインを造る際は、まだ発酵段階にあって糖分が残っている状態のワインに、アルコール度数77度のグレープ・スピリッツを加えることで酵母の働きを止めます。
この製造方法によって酵母による糖分の分解が止まるので、独特の甘みとコクのあるワインに仕上がります。
アルコールの添加量によって、アルコール度数と甘さが決まります。甘さは5段階ありますよ。
アルコール度数の高いポートワインは、他のワインと比べて味や香りが劣化しにくく、長期間保存が可能です。
発酵途中でグレープ・スピリッツを加えたワインがすべてポートワインと呼ばれるのでなく、樽の中で熟成を経たものだけがポートワインと呼ばれます。
長いものだと40~50年熟成させて、芳醇な香りを放つまろやかな味わいのポートワインが造られます。
ポートワインの種類を知る
ポートワインは、大きく分けてレッド・ポートとホワイト・ポートの2つがあります。レッド・ポートは黒ブドウから、ホワイト・ポートは白ブドウを原料にしています。
レッド・ポートはさらに、ルビータイプと黄褐色のトウニータイプの2種類に分けられます。ルピータイプのポートワインは、ワインの色が宝石のルビー色をしていることから、「ポルトガルの宝石」と呼ばれています。
ポートワインといえばルビー色のものを思い浮かべる人も少なくありません。
ルビータイプは、平均3年間の樽熟成後に瓶詰めされる若いタイプのポートワインです。黄褐色のトウニータイプは、小さい樽で熟成させて酸化が進み、ワインが黄褐色に変わったもの。
ホワイト・ポートは、低温発酵で通常のポートよりも発酵を長くしてからグレープ・スピリッツを添加。ホワイト・ポートだけは、最低アルコール度数が16.5度まで認められています。比較的辛口タイプです。
程よい酸味のあるホワイト・ポートは食前酒として飲まれることが多く、フルーティーな香りのレッド・ポートは食後酒として、チョコレートとの相性が抜群。葉巻と楽しむという大人の飲み方もあるそうです。
一般的にポートワインは甘めですが、ポートワインの種類によって甘さの度合いはさまざま。
とくに食前酒として飲まれることの多い白のポートワインの中には少し辛口のものもありますので、いろんなポートワインを飲み比べて好みの味を探してみるといいでしょう!
まとめ
酒精強化ワインの部類に入るポートワイン。ポートワインの特長は、アルコール度数が20度前後と高いこと、独特の甘みとコクがあることが挙げられます。
ポートワインにはいろんな種類がありますが、「どれを選んだらいいんだろう?」と迷っている方にまず試していただきたいのは、「ポルトガルの宝石」と呼ばれているルビー色のポートワイン。
フルーティーな香りが楽しめるルビー色のポートワインは、ポートワインの代表格ともいえますので、ポートワインデビューをしたいという人にはおすすめですよ。