ところで、世界三大ハムって?

日本でもスペインバルやレストランのカウンターでたまに見かけることがある大きな肉の塊。お店の人が真剣な顔で薄い刃のナイフを使い、真剣に削ぎ切りにするのは、生ハムだとご存知の方も多いはず。そう、これは豚の後脚を使ったスペインの熟成生ハム、ハモン・セラーノ。スペイン語で「ハモン」は「ハム」、「セラーノ」は「山」。つまり「山のハム」という意味なんです。

なぜ山のハムかというと、豚の脚を塩漬けにして、その後、山からの風で乾燥、熟成させるハムだから。スペイン食文化が生んだこだわりの食材であり、また最高のワインのお供ですよね。この生ハム、製法には若干の違いがあるものの、イタリアではプロシュートと呼ばれ、特にパルマ産の生ハムは有名。また同じ豚の後脚のハム、中国の金華ハムを加え世界三大ハムと呼ばれています。

ここで絶対食べてみたい世界三大ハムのまとめ、ご覧下さい!

これが世界三大ハムだ!
生産国
スペイン

イタリア

中国
名称 ハモン・セラーノ プロシュート・デ・パルマ 金華火腿
生産地域 スペイン山岳地帯 パルマ近郊 浙江省金華地区
使用部位 豚の後脚 豚の後脚 豚の後脚
製法の特徴 白豚の後脚のみを使用。3千年以上前から作られている。皮を剥いで塩漬け~乾燥~熟成 パルミジャーノチーズの乳清を飲ませて豚の限定の品種を育てる。皮付きのまま塩漬け~乾燥~熟成 金華豚のみを使用、茶殻や発酵した白菜など飼料も独特の伝統的飼育。皮付きのまま塩漬け~乾燥~熟成
熟成期間 1~2年 1~2年 約1年
食べ方 ピンチョスとしてそのままや、タパスの重要な食材。また、パンに挟んだボカディージョとして国民に愛されている。 アンティパストミスト(前菜盛り合わせ)の主役。いちじくやメロンなど果実との組み合わせは最高。 生食の習慣があまりなく、炒め物、蒸し物として使用。スープは絶品。火腿とは火のように赤い肉の色から由来。
ハモン・セラーノ
生産国
スペイン
名称 ハモン・セラーノ
生産地域 スペイン山岳地帯
使用部位 豚の後脚
製法の特長 白豚の後脚のみを使用。3~4千年前から造られている。
皮を剥いで塩漬け~乾燥~熟成
熟成期間 1~2年
食べ方 ピンチョスとしてそのままや、タパスの重要な食材。また、パンに挟んだボカディージョとして国民に愛されている。
プロシュート・デ・パルマ
生産国
イタリア
名称 プロシュート・デ・パルマ
生産地域 パルマ近郊
使用部位 豚の後脚
製法の特長 パルミジャーノチーズの乳清を飲ませて限定の豚の品種を育てる。
皮付きのまま塩漬け~乾燥~熟成
熟成期間 1~2年
食べ方 アンティパストミスト(前菜盛り合わせ)の主役。いちじくやメロンなど果実との組み合わせは最高。
金華火腿
生産国
中国
名称 金華火腿
生産地域 浙江省金華地区
使用部位 豚の後脚
製法の特長 金華豚のみを使用、茶殻や発酵した白菜など飼料も独特の伝統的飼育。
皮付きのまま塩漬け~乾燥~熟成
熟成期間 約1年
食べ方 生食の習慣があまりなく、炒め物、蒸し物として使用。スープは絶品。火腿とは火のように赤い肉の色から由来。

ピレネー山脈からの寒風が育てるハム

このハモン・セラーノは1~2年間、風通しの良い貯蔵庫で吊るして熟成されますが、フランスとの国境、3千メートル級の山々が連なるピレネー山脈の寒風に晒したものが特に美味とか。

さて、そんなハモン・セラーノの食べ方はいろいろ。薄くスライスしたものにヴァージンオリーブオイルをかけて召し上がるもよし、バゲットにはさめば、スペイン人のソウルフード、日本で言うおにぎり、「ボカディージョ」になります。また、みじん切りにしてマッシュルームと合わせてオリーブオイルで煮込むタパス、アヒージョにも最高。

いかにスペインの人たちがこの「ハモン」にこだわりをもっているのかがよくわかりますね。ちなみに、この生ハム一本まるごとのことを「原木」と呼びますが、日本では約5~7キロの原木で、2~3万円で通販などでも入手できるようです。また身をすべて削ぎ取った後には立派な骨が残りますが、この骨で作るガルビュールというスープも絶品。興味のある方はぜひ一本買いしてみたらいかがでしょうか?

幻の「神」ハム「ハモン・イベリコ・ベジョータ」とは?

ところでハモン・セラーノとは一線を画す有名な生ハムがスペインにはあります。それがハモン・イベリコ、別物として区別されています。ハモン・セラーノが白豚で生産されるのに対して、ハモン・イベリコは黒豚のイベリコ豚のみを使用。セラーノが(※1)年間約3,400万本の生産に対して、熟成期間最低2年以上のイベリコはその1割に満たない300万本程度。見分け方は生ハムの脚やひずめが黒いものがイベリコ豚の証し。

このイベリコ豚は野生のイノシシが原種。スペインのイベリア半島のコルク樫の森で放牧され、飼料にはその樫の実のどんぐりを多く与えます。なんと一頭のイベリコ豚には1トン以上のどんぐりと、2~3haのコルク樫の森が必要だそうです。

さて、そのハモン・イベリコの中でも、さらにもっとすごい「神」ハムがあります。それが年間70万本程度しかできない「ハモン・イベリコ・ベジョータ」。ベジョータとは「どんぐり」の意味。最低75%の純粋イベリア種黒豚の血を受け継ぎ、配合飼料は一切使わずこの天然のどんぐりだけを食べさせ大切に飼育した豚のみで作られた究極のハモン。肉質にはオレイン酸が豊富に含まれて、白い脂と香ばしい赤身肉の旨みが凝縮された濃厚なおいしさはまさに究極のハモン。一度は食べてみたいものです。入手はなかなか難しいのですが、一本10万円以上で取引されるとか・・・。

おしゃれなバルセロナ・ワイン「バック」

さて、このたび日本に上陸したアペタイザーからデザートまで楽しめるスペインNo.1(※2)の販売実績を誇るテーブル白ワイン「BACH」(バック)とのマリアージュもぜひお楽しみください。冷甘ワインのバックならおすすめはなんといっても生ハムとフレッシュ・フルーツ。

例えばカットした生のメロンやいちじくなどの上にハモンをのせた極上のタパス。ほんのりと甘く香るアロマとさっぱりとしたバックの酸味が、濃厚なハモンの旨みと熟したフルーツのリッチな風味を見事に引き立ててくれるはず。

バックはスペインのカタルーニャ州生産のワイン、州都バルセロナでもとっても愛されているワインです。今回、日本で販売が開始される「バック エクストリシモ セミデゥルセ」の白は、蜂蜜、アプリコット、バニラなど、甘くフルーティーなアロマの香りが特長で、発酵時に樽を使用し、低温度で発酵させることによって心地よい酸味と甘味が絶妙に醸し出されています。また、同じく赤はベリーのような赤い果実とバニラの香りが特長、柔らかなタンニンや甘い余韻が口いっぱいに広がります。


(※1)参考文献:ICEX-スペイン貿易投資庁発表「食品産業分野別情報2014年版」より

(※2)参考文献:ICEX-スペイン貿易投資庁発表「数字で見るワイン産業2014年版」より