技術系社員対談

醸造とパッケージング。ビール造りの最前線からイノベーションを生み出す

パッケー
ジング

生産技術本部 製造部
パッケージング担当

保坂 将志

2010年新卒入社
京都大学大学院
生命科学研究科 卒

醸造

生産技術本部 製造部
醸造担当

三澤 圭彦

2009年新卒入社
東京工業大学大学院
総合理工研究科 卒

工場で得たモノ造りの経験が、あらゆる仕事のベースになる

―現在の仕事を教えてください。

生産技術本部製造部で、醸造工程を担当しています。醸造工程とは、麦芽やホップなどの原料を用いて麦汁を造る仕込から、発酵・熟成、ビールのろ過までの工程を指します。生産技術本部製造部は本社にあるため、今は直接生産の現場には携わってはいません。恵比寿にある本社から、サッポロビールのすべての工場の醸造工程を見渡し、全社視点でビールの工程管理・品質管理の取りまとめを行っています。

三澤さんは商品の中味で、私は外側のパッケージングを担当しています。ビールを容器に充填し、6缶パックや段ボールカートンに詰めて、外装を仕上げるところまでがパッケージング工程です。三澤さんと同じ生産技術本部製造部で、ビール以外の焼酎やワインも含めた、パッケージングに関する生産技術の統括業務を行っています。

私の場合、既存商品のクオリティアップだけでなく、新商品を工場生産展開するとき、開発部門が試作したプロトタイプを「どのように工程に落とし込むか」を事前検証する仕事もしています。これらはすべて、お客様に常においしいビールを飲んでいただくための仕事です。また、工場全体の省エネ活動、設備改造の検討、需給や原材料の購買方針に対する提案などの業務も担当しています。

私も工場の改善活動を支援したり、新規設備の導入や商品の規格変更などの際に、工場部門とその他の部門の橋渡しを行ったりしています。やりとりするのは、マーケティング・商品開発部門や調達部門、品質保証部門などです。また、工場からボトムアップで改善のアプローチがあったときにも、費用対効果を検証し、全工場展開する価値があるのかを判断しています。

工程で言えば私が上流で、保坂さんが下流に当たります。とはいえ中味と容器のセットで一つの商品なので、よく一緒に仕事をしますね。醸造部門とパッケージング部門で個別に対応する仕事もありますが、協働したほうがより良い商品ができますし、効率化や省エネにつながることも多くあります。いずれにしろ、すべてのモノ造りの現場は工場です。本社で統括している生産技術は、工場で実現してはじめて効果を発揮します。今の業務では、これまでの工場での勤務経験が全て活かされていると感じています。私は仙台工場で4年半、千葉工場で4年ほど働きました。千葉工場で働いているときには、1年間のドイツ留学も経験しています。

私は静岡工場で5年半勤務し、そこから本社に移りました。やはり現在の業務は、工場で現場・現実・現物をもとに培った知識や経験が基本になっています。まずは工場で工程の原理・原則を学ばないと、新商品企画も開発もできません。

どこの部門に行っても、やはり工場でのモノ造りの経験がベースになりますね。

桁違いのプレッシャーが自分を成長させてくれる

―学生時代は、どのような研究に取り組んでいましたか?

大学では微生物を使った廃水処理の研究をしていました。今もビールの発酵に携わっているので、似ている部分はありますね。お酒が大好きだったので、ビール造りができる会社を目指して就職活動をしました。サッポロビールに入社したのは、原料を大切にするところや、新商品が奇抜で面白いところに引かれたからです。

私は修士課程で「植物の光を受容するタンパク質の遺伝学的研究」に取り組んでいました。これが面白かったので、博士課程に進もうとも考えましたが……、やっぱりビールが大好きで(笑)。ビール造りに携われるならと思い、就職活動をしました。サッポロビールの社員に会うと、とにかく「自分たちのビールがいかにおいしいか」という話をされます。聞いていて、これこそがモノ造りの原点なのだなあと感じました。自分たちの商品が好きで、心から愛せるということは魅力だと思います。

「サッポロ愛」はありますよね。

―実際に入社してみて、いかがでしたか?

研修が終わってすぐに、「麦とホップ」のキャンペーン商品の設計を任せていただいたのは驚きました。お客様の声を聞きながらモノ造りをすることのやりがいを、さっそく感じましたね。この商品が通年発売の「麦とホップ<黒>」にまで成長してくれて、自信にもつながりました。

私は学生時代の研究とは異なる部門に配属されたので、自分の力を出せるのか不安がありました。でも仕事を理解していく中で、研究活動で培ってきた「問題解決のための思考プロセス」がダイレクトに活かせることが分かりました。サッポロビールには、若手にもチャンスを与えてくれる社風があります。とにかく、手を挙げればどんどん任せてくれる会社です。もちろん手を挙げなくても指名されることもありますが(笑)。

学生のときは小さいロットでものを動かしていましたが、工場だといきなり100キロリットルですからね! 「いったい何人で飲むの?」と思います(笑)。

プレッシャーはありますよね。例えば、ビールの缶商品のパッケージングの工程では、1分間に約1500缶もの商品が高速で造られていきます。1分油断したら、1500缶が不良品になると思うとゾッとします。でもそうしたプレッシャーあるからこそ、どんな改善が必要かを考えるのが非常に面白い。健全なプレッシャーが自分を高めてくれていますし、ビール造りを支えているというやりがいにもつながっています。

部門の壁を越えて一致団結したとき、とてつもないエネルギーが生まれる

―新しい価値を創造していくために、どんなことを心がけていますか?

新商品の企画を、いかにタイムリーに工場展開できるかが肝心だと思います。どんなに企画が良くても、工場の大きいスケールで生産展開できないと、生産も販売もできません。個人的には、新しい酵母やホップなどの原料や新規設備を組み合わせて、今までにない味わいの商品を提案したいと思っています。そのためには、熟成中のビールも含めて、毎日飲むこと! 入社当時に、現サッポロビール社長の髙島(元仙台工場長)からも「まずは、飲んで感じることがスタートだ」と言われたことを今でも覚えています。五感を駆使して、味わいを見極めることができる醸造技術者になっていきたいです。

工場の仕事は、安全・安心で確かな品質の商品を、安定的にお客様に届けることが大前提です。でもそれだけでは生き残れませんから、工場側からもどんどんイノベーションを発信していきたいです。私が静岡工場にいたころ、同じ敷地内にある開発部門と共同で、新しい商品を開発したことがあります。ビールの段ボールカートン詰め商品は24缶入りが普通なのですが、10缶入りのコンパクトでスタイリッシュな商品をつくりました。工場ではなかなか経験できない、開発のプロセスを理解することができました。その商品は通販サイトで多くのご注文を頂いて、目に見える成果が出たので、モチベーションも上がりましたね。

こうした仕事のやり方は、サッポロビールの特長です。部門同士の風通しの良さが、新しい価値を創造するベースになっているんです。本社の生産技術部門と工場はもちろん、知財部門も品質保証部門も研究部門も、あらゆる部門がフラットに会話できる。工場、研究所内では頻繁にスタンディングミーティングを行いますし、全国の工場、研究所、本社をつないでテレビ会議などで気軽にやりとりできます。部門の壁によるやりにくさを感じることはほとんどありません。

私もそう思います。「ドラフトワン」や「極ZERO」など、業界の先駆けとなる商品を出してこられたのも、この風通しの良さが背景にあります。部門の壁を越えて一致団結したときのエネルギーはすごいものがありますよ。一気に進むと気持ちがいいし、それで生まれた商品が売れると最高です!

もう一つ、私たちの根底にあるのが、モノ造りへのこだわりです。その良い例が「協働契約栽培」です。ビールの主原料である大麦とホップを、生産者とともに作っていく、ほかに類を見ないシステムです。私も国内外の生産地を訪問し、「今年の品質は良くなったね」「来年の播種(種まき)はどこを工夫しようか」と話しながら、農家の方々と一緒に原料を作り込む醍醐味を味わったことがあります。大麦とホップの両方の育種をやっているビール会社は、世界でもサッポロビールしかありません。

食の安全・安心が叫ばれる以前から、原料調達に真面目に取り組んできたことに、先人から受け継がれるこだわりを感じます。本社の人も工場の人も、自分たちの商品を愛しているからこそ、こだわりがあり、品質への責任感を持っています。技術者としても、「どんな無理難題でもクリアしてやる!」という気概を忘れないようにしています。

三澤圭彦 1日のスケジュール 保坂将志 1日のスケジュール

三澤圭彦 1日のスケジュール

9:00
出勤
10:00
商品需給管理について営業部門、サプライチェーンマネジメント部門と打ち合わせ
11:00
エンジニアリング部と新規設備導入打ち合わせ
11:30
試作中のビールの官能検査
12:00
昼食
13:00
各工場醸造担当者とメールや電話
15:00
新商品工場生産展開打ち合わせ
18:00
退勤

保坂将志 1日のスケジュール

8:00
出勤
9:00
メールチェック
10:00
工程内検査機の性能仕様について工場部門とのテレビ会議
11:00
開発部門との新商品パッケージング関連の打ち合わせ
12:00
昼食
13:00
缶資材サプライヤーとの新規導入資材の打ち合わせ
14:00
びん工程の省エネルギーについて工場指示、依頼事項の策定
16:00
個人技術課題の検討
18:00
退勤

WORK仕事を知る

サッポロの仕事を語る