ニュースリリース

インドネシアで日本初の商業規模バイオエタノール製造プラント竣工

~日本の発酵技術でガソリン代替燃料を製造~

2013年08月21日

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 サッポロビール株式会社の子会社であるサッポロエンジニアリング株式会社(注1)は、月島機械株式会社とともに、インドネシア共和国東ジャワ州モジョケルト市にて「製糖工場におけるモラセスエタノール製造技術実証事業」における商業規模のバイオエタノール製造プラントの建設を完了しました。

 当事業は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下:NEDO)より受託したもので、PT.Perkebunan NusantaraX(Persero)(インドネシア国営農業公社、以下PTPN-X)社の製糖工場に燃料用バイオエタノール製造プラントを設置し、この工場や近隣の製糖工場から排出される年間約15万トンのモラセス(廃糖蜜)の約70%を原料に、年間3万kLの生産を計画しています。製糖工場の副産物であるモラセスを原料として燃料用バイオエタノールを製造することで、インドネシアでの化石燃料消費量の低減と砂糖産業の安定化に寄与するものです。

 
 経済発展著しいインドネシアでは自動車燃料等の化石燃料消費量が増加し、2004年以降は石油輸入が輸出を上回る状態が続いています。そのため同国政府は、2025年にエネルギー消費量の5%をバイオ燃料で賄う方針を打ち出していますが、これまでの実績に基づくと目標達成は容易ではない状況です。また、バイオ燃料のうちガソリン代替として使われるエタノールは主にモラセス、砂糖、トウモロコシなどから作られますが、同国内の砂糖の需要はその40%近くを輸入で賄っていることから、政府として砂糖の増産に取り組んでいます。

 今回の実証事業では、日本政府とインドネシア政府の共同事業として製糖工場の副産物であるモラセスを原料とするバイオエタノール製造技術の実証を行います。運転のしやすさと効率の両立を目指し、日本で開発された凝集性酵母を用いた「繰り返し回分発酵法」を用いて実証運転を行います。製造するバイオエタノールはガソリンと混合して自動車用燃料として利用される予定です。

 今回導入される技術の普及により、(1)インドネシアの石油輸入量の低減(2)砂糖産業の経営の多角化・安定化(3)日本企業によるバイオエタノール製造設備等の輸出機会の創出、などの効果が期待されます。
 建設完了に伴い、8月20日(火)に日本側より在インドネシア日本大使館牛尾公使、NEDO倉田副理事長、インドネシア側よりダーラン国営企業大臣、工業省パンガー総局長の臨席のもと、現地東ジャワ州のPTPN-X社Gempolkerep製糖工場内にて竣工式が開催されました。
 
 サッポロエンジニアリング株式会社は、これまでに丸紅株式会社および月島機械株式会社と、タイ国にて同様のNEDO事業(注2)を受託し、同規模のバイオエタノール製造プラントを建設した実績があります。
今後も、東南アジアなどで非食糧系バイオマスを原料としたバイオエタノール製造プラントの普及を目指すとともに、低炭素社会の実現に資することで社会に貢献します。

1.プロジェクト名称
NEDO 国際エネルギー消費効率化等技術普及協力事業
製糖工場におけるモラセスエタノール製造技術実証事業(インドネシア)

2.バイオエタノール製造設備
PTPN-X Gempolkerep製糖工場内に設置
(インドネシア国内東ジャワ州モジョケルト市内)
燃料用バイオエタノール生産規模 年産3万kL

3.実施体制
添付のPDFをご覧ください。

4.導入するバイオエタノール製造技術:繰り返し回分発酵法
繰り返し回分発酵法とはタンク毎に発酵工程をバッチ運転しながら、使用した菌体(酵母)を繰り返し利用する方法で以下の特徴がある。

①使用する酵母は凝集性及び沈降性が非常に強い特殊な菌体である。
②強い凝集性により、菌体は発酵終了後に急速に凝集・沈降し、発酵液と菌体とが分離される。このため、遠心分離機などによる機械的固液分離工程を必要としない。
③沈降分離した菌体は非常に高濃度であるため、技術的なノウハウを用いることで雑菌汚染を抑制でき、希硫酸処理などの化学的菌体処理が不要である。
④分離した菌体に再び糖液を投入し発酵・分離を繰返し実施することで酵母を含む発酵液の廃棄量を減じ、以て菌体の有効利用、エタノール収率の向上、作業負荷の軽減、設備簡略化を可能にする。


注1:サッポロエンジニアリング株式会社
事業内容:食品・化学製造設備に関するエンジニアリング、食品・飲料水等の加工技術に関するコンサルティング、製造に関する機器等の製造および販売など

注2:NEDO事業「製糖工場におけるモラセス・バガスエタノール製造モデル事業」
(タイ) (2006年~2007年)

以上

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