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食材探検隊

長期熟成で塩分そのまま旨味2倍 半田のたまり醤油

今回の探検隊はこだわりの「醤油」を探してみた。たどり着いたのは、「たまり醤油の名産地」愛知。そこには、長期熟成することで生まれる、旨味成分が濃縮された醤油があった。

国内生産量2%の希少な「たまり醤油」

 愛知・半田。「蔵のまち」と呼ばれ、駅から少し歩くと味噌蔵が立ち並ぶ古風な町並みが広がる。ミツカンが本社を置き、酢などの調味料の醸造が盛んなこの町に、旨味が非常に強いこだわりの「たまり醤油」がある。「醤油」といえば一般的には国内生産量の約8割を占める「濃口醤油」であり、生産量が2%程度の「たまり醤油」といわれてもピンとこない人が多いかもしれない。
 ただ、ひと舐めするとあまりの旨味に驚くはずだ。濃口醤油が大豆と小麦を半々で仕込むのに対し、たまり醤油の原料は大豆と、ときに少量の小麦のみ。その大豆に含まれるタンパク質が分解され生まれる旨味は、濃口醤油の1・5倍から2倍にのぼる。
 「確かに、大豆を蒸して麹菌を植え付け、8カ月以上熟成と、手間はかかります。ただ、旨味が本当に強く、深い赤みを帯びているという特徴もあります。また、最近ではグルテンフリーとして海外のお客様にも人気です」と、ヤマミ醸造の竹内三之さんは語る。

たまり醤油をベースにオリジナルたれも受注

 1975年に愛知県武豊町にてたまり醤油の醸造を開始したヤマミ醸造は、米菓用として脱色しても濃口醤油と同等やそれ以上の旨味成分を残す「脱色たまり」を開発し、その後、たまり醤油をベースとした「オリジナルたれ」の受注生産も手掛ける。「飲食店様やメーカー様から受注し、メニュー作りからご相談させていただいています。焼肉から、ラーメン店、和洋中多国籍まで、ご希望の味に近づけるため打ち合わせや試作を何度も行い、小ロット250㎏から生産しています」と、竹内さん。たまり醤油で培ったノウハウを活かして開発・生産を行っている。

いつもの味を底上げ

 そもそも、醤油というのは料理の味の決め手。実際に、今回紹介している「漬けマグロ」や「モツ煮」といった一般的なレシピでも、醤油をたまり醤油にするだけで驚くほど旨味が増し、味のベースアップにつながる。
様々なメニューに活用可能な「たまり醤油」。これは試してみる価値ありだ。

  • ヤマミ醸造のたまり(❸)はより深い色をしており、濃口醤油(❷)と比べてみると「しょっぱさ」よりも「濃厚な旨味」が前面に感じられる。また、脱色たまり(❹)の旨味成分は脱色しても濃口醤油と同等、白醤油(❶)よりも多い。
    ❶ 白醤油
    ❷ 濃口醤油
    ❸ たまり
    ❹ 脱色たまり
  • 「一般的に熟成期間が長いたまり醤油はタンクの回転率が悪くて避けられがちで、あまり製造されない」と竹内さん。実際、取材に訪れた工場内には8 カ月から1年以上熟成されているたまり醤油のタンクが並び、大豆の濃厚で、おいしそうな香りが漂う。
  • 仕込み塩水も小麦も非常に少ないのがたまり醤油の特徴のひとつ。仕込みの後は熟成へ。大きなタンク内で重石を載せ、底に溜まっている液体を上の方まで汲み上げ、対流させることにより、より熟成を深めていく。

たまり醤油の秘密は「醤油の発祥」に関係あり?

愛知・半田は日本でも有数の「たまり醤油」の産地である。その理由は醤油の発祥にある。鎌倉時代に宋より「径山寺味噌」が興国寺(和歌山県由良町)に伝来し、それが醤油として日本に普及。次第に生産のしやすい「濃口醤油」が標準的になっていったが、東海3県ではそのルーツである「たまり醤油」が残った。中でも、ミツカン本社などもあり、「蔵のまち」と呼ばれる半田市、武豊町では特産物として親しまれてきたのだ。

生産者お勧め たまり醤油のレシピ

風味ともにしっかりと濃厚なたまり醤油は「刺身」や「煮物」、「漬け」との相性が抜群。今回は、たまり醤油の持つ強い旨味成分を活かすために「モツ煮」と「漬けマグロ」をご紹介。ひと口食べると、濃口醤油と全く違った深みのある味わいに驚くはずだ。

  • 鶏モツのたまり醤油煮
    鶏モツ500g(レバー・砂肝・ハツ)は下処理した上、ひと口大に切る。砂肝の厚い部分は切れ目を入れ、ハツは白い部分を取る。またレバーとハツは、血の塊が出なくなるまで水でよく洗う。その鶏モツに清酒を加え、表面が白くなるまで強火でゆでる(その後、煮汁は捨てる)。そこに、調味料(砂糖大さじ2、たまり醤油大さじ4、味醂大さじ2、和風だしの素少々)と生姜1かけを入れ、沸騰したらキンカン適量を加えて強火で2分程煮込む。好みで葱・七味を添えれば完成。
  • マグロのたまり醤油漬け
    濃厚なたまり醤油の味が、驚くほどの深みをマグロに与え、かつ玉葱と一緒に食すことで非常にさっぱりと食べられるレシピ。マグロ1柵はごく薄くそぎ切りにした上、保存容器にたまり醤油大さじ4とともに入れ、うっすらとたまり醤油に浸っている状態にする。そのまま冷蔵庫に入れ、1 〜2 時間置いておく。その後、醤油を拭き取り、玉葱・野菜とともに盛り付ければ完成。

「濃口醤油」の倍ある旨味成分

  • 一般的な濃口醤油が4〜6 カ月熟成させるのに対し、ヤマミ醸造「頑固おやじの一滴」は8カ月以上の熟成で非常に濃厚な風味。
  • 濃口醤油 国内の醤油生産量の約80%を占める。大豆とほぼ等量の小麦を原料とし、一般的な「醤油」の風味をもつ。

    たまり醤油 国内の醤油生産量の2% 程度。原料は大豆が中心で、小麦は不使用か少量。風味、色ともに非常に濃厚。

たまり醤油ベースのオーダーメイド調味料も開発

  • ヤマミ醸造はたまり醤油ベースの「オリジナルたれ」の開発・生産にも力を入れている。飲食店やメーカーとの共同開発はラーメンから煎餅用までと幅広い。
  • オリジナルたれは管理栄養士の資格を持つ開発チームが「こういう味が欲しい」など発注元と綿密な打ち合わせ、試作を繰り返し、理想の味へと近づける。
  • オリジナルたれは小ロットからも受注。手作業で原材料を仕込み、パッケージまでをワンストップで行っている。

生産者の声

  • 問い合わせ先
    株式会社 ヤマミ醸造 TEL 0569-23-0703 yamami@ruby.ocn.ne.jp

    ※お取引に関しては本誌及びサッポロビールは関与いたしません。
  • (株)ヤマミ醸造
    代表取締役社長
    竹内三之さん
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