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食材探検隊

伝統と革進の国産魚醤油 しょっつる

 秋田の伝統的な調味料である「しょっつる」。県魚であるハタハタをはじめ、イワシやサンマ、タラなど、さまざまな魚介で造られる日本を代表する魚醤油だ。鍋料理に使用されることが多かったしょっつるだが、調味料としての使用方法も見直されつつある。魚介の旨味と風味が凝縮されたしょっつるの魅力にスポットを当てる。

日本を代表する魚醤油

 タイのナンプラー、ベトナムのニョクマムなどエスニック料理のイメージが強い魚醤油。しかし、日本でも昔からさまざまな地域で魚醤油が造られており、その代表格といえるのが秋田のしょっつるだ。
「秋田でしょっつるが造られるようになったのは、江戸時代中期くらいからだと言われています。以前は業者が製造するだけでなく、『手前味噌』ならぬ、『手前しょっつる』を造る家庭も多かったようですから、秋田の食文化ではなくてはならない調味料といえます」としょっつる研究会会長の高橋信一さんは説明する。
県下の広い範囲に生産地域が点在するのもしょっつるの特色といえる。県北部の八はっ峰ぽう町から南部のにかほ市まで日本海沿岸を中心に生産されているが、山間部の鹿か 角づの市や仙せん北ぼく市にもしょっつるの製造業者が存在する。

しょっつる研究会

秋田県総合食品研究センターと秋田県内のしょっつる製造業者7社が手を組んで2016 年2月に発足。生産者同士で情報交換を図り、しょっつるの規格の統一化や調味料としての用途拡大などにより、秋田の伝統的な魚醤油であるしょっつるの普及に努めている。

問い合わせ先
しょっつる研究会
TEL 018-888-2000
(秋田県総合食品研究センター内)

※お取引に関しては 本誌及びサッポロビールは関与いたしません。

原料も味わいもさまざま

 魚醤油の原料にはその地域で豊富に水揚げされる魚介が使用されることが多く、かつて秋田はハタハタの水揚げ量が圧倒的に多かったことから、しょっつるにもハタハタがよく使われていた。その他にイワシやサンマ、アミなどはしょっつるの主要な原料だが、ここ数年はタラやイワナなどを用いた新しいタイプのしょっつるも造られるようになっている。
原料の違いは味わいに大きく影響するため、一言にしょっつるといっても製品によって味わいは大きく異なる。しょっつる研究会には秋田県下のしょっつる製造業者7社が参加しており、撮影協力いただいた㈱諸井醸造はハタハタ、日南工業㈱はタラを原料に使用。前者は魚醤油らしい骨太な旨味と風味に溢れ、後者はクセがなく、旨味が強いしょっつるに仕上げられている。

秋田の郷土料理「しょっつる貝焼」

大きなホタテ貝の貝殻を鍋代わりに使った貝焼は、古くから秋田で食べられてきたひとり鍋スタイルの郷土料理である。貝殻の鍋に水、清酒、昆布を入れて火にかけ、煮立ったら魚介や野菜、豆腐などの具材を加える。仕上げにしょっつるで好みの味加減に調味して食べるのが本場のスタイルだ。魚介はハタハタやタラなどの白身魚を使うことが多い。

新しい活用法を提案

 秋田の郷土料理である貝焼きをはじめ、しょっつるは鍋料理の調味料として使われることが多かったが、いまその使用方法が見直されつつある。
「ナンプラーが炒め物やサラダなどにもよく使われるように、しょっつるもさまざまな料理に応用が利きます。とくに鶏肉と相性がいいですから、焼鳥のタレ代わりに使ったり、唐揚げの漬けダレに加えたりと、研究会でも新たなレシピ提案を積極的に実施しています」(高橋さん)
下記に諸井醸造と日南工業のしょっつるを使用したお勧めのレシピ例を紹介した。しょっつるには魚介の旨味と風味が凝縮され、少量で深みある味わいの料理に仕上がるため、さまざまな商品に活用してほしい。

生産者お勧め しょっつる創作料理

鍋料理の調味料として使用されることが多いしょっつる。だが、魚介の旨味や風味が凝縮された調味料として捉えれば、さまざまな料理の応用方法が考えられる。製品によって味わいが変化するため、ここでは「秋田しょっつる」と「うわてん」の2製品を使ったお勧めレシピを紹介する。

  • ジャガイモ大2個は皮を剥いてくし形切りにし、ゆでておく。フライパンにバター大さじ3を溶かし、ジャガイモの表面を香ばしく焼きあげ、秋田しょっつる小さじ1で調味し、青のり適量をまぶしたら完成。しょっつるの香りをより際立たせたければ、熱した鉄皿にジャガイモを盛り、卓上でしょっつると溶かしバターを合わせたソースをかけて蒸気を立たせるといい。
  • アサリ200gは砂を抜き、エビ8尾は殻をむき、イカ120gは隠し包丁を入れ、エリンギは一口大に切る。フライパンでバター大さじ2、ニンニクのみじん切り1片分を弱火で熱し、香りが立ったら具材を加えて中火で炒める。アサリの口が開いたら胡椒少々をふり、うわてん小さじ1をかけて5~ 10 秒さらに炒める。器に盛り、イタリアンパセリ適量を添える。
  • 水揚げされたハタハタを仕分けしている様子。秋田県の県魚であるハタハタはしょっつるやハタハタ寿司などの地域の名産品に用いられる。
  • にかほ市は「タラのまち」と言われるほどタラの水揚げ量が多く、日南工業では2014年からタラのしょっつるの製造を手がける。
  • 魚介を塩漬けにするのがしょっつるの仕込み。魚介の内臓などに含まれる自己消化酵素などによって身が分解される。
  • 諸井醸造の諸井秀樹社長は主原料にハタハタのみを使った伝統的な製法のしょっつるの復活に尽力した。
  • 2018 年に仕込んだタンクが左 、2017 年に仕込んだタンクが右。諸井醸造では仕込んでから製品化までに3年以上をかけており、10 年熟成など長時間熟成させるほどよりクセがなく、味わいがマイルドになる。
  • 熟成によって魚介が溶け込んだ原液を濾過すると、琥珀色の澄んだ液体が抽出される。製品によって色合いにも差があり、日南工業のしょっつるは若干淡い色合い。
  • 濾過したしょっつるの風味や色合いを確認する日南工業の細谷広志社長。
  • 日南工業では新技術を駆使したしょっつるを製造しており、熟成期間はおよそ半年と短い。仕込み時の温度管理をコントロールすることでクセがなく、旨みが強いしょっつるに仕上げている。
  • 蔵内の撮影にご協力いただいた諸井醸造(男鹿市)と日南工業(にかほ市)。
  • 魚醤油は全国各地で造られています。中でも、石川県の「いしる」、香川県の「いかなご醤油」、そして秋田県の「しょっつる」は日本の三大魚醤油と呼ばれていて、それぞれに古い歴史を持ちます。しょっつるの語源は「塩汁」と言っていた言葉を聞き違えたというのが一説。秋田で漁獲量が多かったハタハタをはじめ、イワシやサンマ、タラ、イワナなどさまざまな魚介を原料で使用していますから、造り手によって味わいが大きく異なるのもしょっつるの特色のひとつといえます。
  • しょっつる研究会会長
    (髙橋しょっつる屋代表)
    高橋信一さん
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