繁盛店の扉 サッポロビール 飲食店サポートサイト

満員御礼満員御礼

山形蕎麦と炙りの
焔藏
一番町店

店内で手打ちする山形蕎麦を売りにする居酒屋という独自のスタイルを打ち出した「山形蕎麦と炙りの焔藏 一番町店」。ターゲット客層を明確にしたお店づくり、常連客との厚い信頼関係を構築している点も見逃せない

地域貢献目的に開発

 「山形蕎麦と炙りの 焔藏」は2009年6月に1号店となる一番町店を宮城・仙台にオープン。看板商品の山形蕎麦を1日実に200食を売る大ヒット商品に育てると多店化に着手し、2018 年6月の時点で宮城と山形の2県で6店を布陣する。運営を担う㈱オリエンタル ホスピタリティ ギャルソン代表取締役の矢島克彦さんは業態開発の経緯を次のように語る。
「当店で使用する蕎麦は山形・大蔵村産の『最上早生』のみ。山形の代表的な在来種ですが、栽培農家は減少するばかり。これを武器にしたお店をつくることで栽培農家や地域の活性化に貢献したいと考えました。ただ後発の当社が蕎麦の専門店で勝負をするのは厳しいと判断し、蕎麦居酒屋の営業スタイルを採用したんです」

リピート率75%を誇る

 業態のつくり込みにおいては近隣企業の40〜50代管理職をターゲット客層に設定し、接待や宴会といった利用動機を吸収することに注力する。「常連客様の利用パターンをスタッフ全員で共有し、お好みに合わせてコース料理の内容をアレンジするといった細やかな対応をして、使い勝手のよさを打ち出しています」(矢島さん)。これが見事に奏功し、来店客の75%をリピート客が占めている。
メニュー構成もターゲット客層にアジャストさせることを優先。フードでは芋煮735円などの山形の郷土料理と熟成牛たん炙り1782円や金華さば(半身)864円といった宮城の名物料理を組み合わせて、高品質なアイテムを肉、魚、野菜とバランスよく揃えている。
ドリンクの主力は山形と宮城の銘柄を中心にラインアップする日本酒で、常時20種前後を755〜1727円で提供。またファーストオーダーの売れ筋はヱビス〈樽生〉グラス604円だ。

シックな空間づくり

 グループに建築会社を持つ強みを生かした内装デザインは、古材を多用して蔵をイメージした落ち着いた空間となっている。1室ごとに雰囲気の異なる個室6部屋や最大30人の宴会が可能な座敷スペースを設け、接待や宴会の利用動機をしっかり掴んでいる。
2018 年9月には東京・新橋に7店目をオープン予定。
「焔藏ブランド全店で使用する蕎麦粉は年間35トンにのぼり、大蔵村の蕎麦生産量の上限に達しようとしています。焔藏は大蔵村の蕎麦ありきのブランドですから、村との連携を強めて生産体制の拡大を図っていきたい」と矢島さんは展望を語る。

居酒屋メニューの柱となる炙り焼きは、備長炭を使用した炭火で素材の旨みを引き出す。写真の熊本赤鶏を使用した串焼きなど高品質な食材を厳選している。
写真手前の串五点盛り972 円は1串40g を付けて左からモモ、ハツ、皮、レバー、ぼんじり。右の芋煮735 円は山形郷土料理カテゴリの売れ筋1位。左の熟成牛たん炙り1782 円は100g のポーションで提供。奥左の冷たい肉そば756 円は濃厚なカツオベースのつゆとの相性がいいシメの人気商品。奥中はげそ天324 円。ファーストオーダー率1位のヱビス〈樽生〉はグラス604 円。

自慢の一品板そば

蕎麦粉は山形・大蔵村で契約栽培される希少な在来種「最上早生」のみを使用。香り高く上品な甘さと歯ごたえのあるコシが特徴だ。板そば1026 円は、たっぷり130gの蕎麦を木箱に盛り付けた山形蕎麦特有のスタイルで提供して本場の味を表現する。2013 年の9 月には、宮城・名取のATALATA 店内に製粉所を設けて自社製粉に踏み切るなど高品質を追求している。そばつゆには山形産の醤油を使用し、蕎麦の味に負けない濃厚な味わいに仕上げている。薬味はシンプルにネギとおろしワサビを添える。

繁盛ポイント

店内で手打ちする高品質な山形蕎麦

店内に蕎麦打ち部屋を造り手打ちする蕎麦は契約栽培した蕎麦粉のみを使用。山形蕎麦特有のスタイルである木箱に盛り付けた板そばと、冷たいつゆに麺を入れた肉そばの2品を揃え、1日200食を売る。

ターゲット客を明確にしてリピート客を獲得

近隣企業の管理職をメイン客層に設定して、使い勝手のよさを追求。オープン以来、近隣企業に山形特産の果実を持参して挨拶回りを毎年実施するといった地道な営業により常連客率75%を占める。

山形と宮城の名物料理を軸に使い勝手を追求

芋煮や熟成牛たん炙りといった山形と宮城の名物料理を中心にしながら、手羽先唐揚げなど居酒屋メニューをバランス良くラインアップ。日常利用しやすい使い勝手のいいお店をアピールする。

SHOP DATA

店名/山形蕎麦と炙りの焔藏 一番町店
住所/仙台市青葉区一番町3-1-16 PARM CITY-131 B1
電話/022-399-9139
店舗規模/50坪92席
営業時間/11:00〜14:30、17:00〜23:00
(22:30L.O.、金曜のみ
〜翌0時〈23:20L.O.〉)
定休日/無休
客単価/昼950〜1000円、
夜3500〜4000円
1日平均客数/昼150人、夜100人

  • 仙台駅西口から長く連なるアーケード街の一画。地下にお店を構える。
  • 前列中央が社長の矢島さん、同左が店長の粕谷 匡さん、右が料理長の遊佐彰介さん。「常連客様の気持ちをくんだ接客が武器」と語る。
  • カウンター席や小上がりの他、4 〜8人の個室を6 室設けて多様な利用動機を吸収。