繁盛店の扉 サッポロビール 飲食店サポートサイト

満員御礼満員御礼

酒場 日々

富士山の麓に位置して海とは縁の遠い山梨・甲府で、鮮度のいい鮮魚を売りにして大ヒットをとばしている「酒場 日々」。スタッフの威勢のいい接客とフルオープンキッチンから見える調理の臨場感で居酒屋の活気が漲っている。

未知の街で独立

 店主の池谷直樹さんは都内の居酒屋で修業した後に、奥様で女将のあいさんの実家にもほど近い山梨・甲府で独立開業した。未知の場所ゆえ「オープン前は不安で眠れない日もあった」(池谷さん)が、フタを開けてみれば半年後には連日予約で埋まる繁盛店となった。

原始焼が名物商品

 その原動力となったのが東京・築地や長崎など各地の市場と連絡を密にとって仕入れる日替わりの鮮魚を使った名物!原始焼や刺身である。
「山梨は全国でも屈指の寿司店数を誇るほど魚好き。同じ魚でも、この地域にはない原始焼のスタイルを提案すればきっと喜んでいただけると考えたんです」と池谷さんは語る。
店内の目立つ位置にいろりを設け、炭火の周りに丸々一尾を串刺しして焼くシーンはインパクト絶大。焼き上げるのに30分ほど要するが、お客様は来店するとまず原始焼と刺身を注文して原始焼が到着するまでドリンクと刺身で過ごすオーダーパターンが定着している。
フードのもうひとつの柱が日替りで7品前後を380円の均一価格で揃えるおばんざいだ。おばんざいというと煮物やお浸しのイメージだが、「ブロッコリーごまあえ」や「春キャベツのコールスロー」など野菜の彩りを引き立たせる調理法で目でもおいしさを感じさせる努力をしている。
魚と野菜を軸にしたフードに合うドリンクとして日本酒を提案し、山梨の地酒を中心にラインアップ。その一方でビール、焼酎、サワーなどもバランス良く揃えることで幅広いニーズに応えている。またドリンクの値付けは380円からと日常利用しやすいお店を強力にアピールしている。

接客力に力を注ぐ

 「接客力でお客様に愛される店をめざしています」と池谷さんが意気込むとおり、気配り、目配りの行き届いたサービスもお店の魅力。ドリンクが飲み終わりそうなタイミングでお代りの提案をしたり、お子様連れのお客様もゆっくり楽しめるようおもちゃを用意するといったこまやかな配慮を心がけている。

写真手前は日替り各380 円で提供するおばんざいで左からコンビーフのマカロニサラダ、ピーマン旨煮丸ごと、ブロッコリーごまあえ、春キャベツコールスロー、なす揚げ浸し。刺身は取材時は高知から直送されたもので、左から皮はぎ肝あえ、すまかつお、あおちびき、ハマフエフキ、黒むつと希少性の高い魚種がずらり。おまかせ4点盛りは2人前1200 円だが、日によっては1~2種多く盛り付けてサプライズを演出することもある。奥右は豚バラ豆腐の塩煮込み480 円。奥左の鯛めし2合1400 円は1合750 円でも提供可能。サッポロ生ビール黒ラベル〈樽生〉は380 円。
鮮魚は東京・築地や長崎などの漁港と毎朝連絡をとって直送で仕入れることで鮮度の高さをアピール。希少な魚種を積極的に扱って個性を打ち出す。
いろりを設置したフルオープンキッチンは臨場感たっぷり。スタッフのきびきびした働きぶりがお店の活気を生み出している。
池谷さんの奥様の実家にあった火鉢などの古家具を設えて家族的な温もりを表現。火鉢は電気を通して酒燗器として活用。

自慢の一品原始焼

30cm 前後と型のいい鮮魚を一尾丸ごと串焼きにする原始焼はインパクト絶大で20 時過ぎには品切れすることもしばしば。備長炭でじっくりと焼き上げることでふっくらジューシーに仕上がる。魚種は写真の鰯580円の他にのどぐろ2280円(いずれも取材時)など5種前後を日替りで揃えるが、お値頃なものとご馳走感のあるアイテムの両方を揃えて幅広いニーズに応える。焼成に30 分程かかることから入店のタイミングでお客様に声かけして注文を促すように心がける。

繁盛ポイント

各地から直送で送られる鮮魚を刺身と原始焼で

高知や長崎など各地の漁港から直送で仕入れる鮮魚を原始焼と刺身などに仕立てて提供。原始焼と刺身に使う魚種をそれぞれ用意して、焼き魚も刺身も堪能できのおいしいお店を演出する。

フルオープンキッチンで調理のライブ感を演出

店内の目立つ場所に炭火のいろりを配置したフルオープンキッチンを採用して調理のライブ感をアピール。厨房はお店の奥まった位置だが、通りからも見えるよう内装を工夫している点も秀逸だ。

気配り目配りを重視した接客力で心をつかむ

グラスの残りが少ないお客様にはお代りの提案をしたり、提供後に冷めてしまった料理は温め直すなどといった気配りある接客でお客様の心を掴む。家族連れ向けに子供用のおもちゃも準備する。

SHOP DATA

店名/酒場 日々
住所/山梨県甲府市丸の内1-15-8 三星ビル1F
電話/055-244-6588
店舗規模/18坪35席
営業時間/17:00〜24:00(23:30 L.O.)
定休日/日曜日
客単価/4000円
1日平均客数/55人

  • お店の間口は狭いが、通りから店奥のオープンキッチンが見えるように入口をデザイン。フリ客が関心を示して来店するケースも少なくない。
  • 中央右が店主の池谷さん。中央左の奥様のあいさんも子育てをしながら女将として準備やホームページ製作などでお店を支える。