「カープ鳥」は広島市内で絶大な知名度を誇る焼鳥のローカルチェーン。創業からすでに35年以上が過ぎているが、市内に展開する13店はどのお店もカープファンをはじめとする地域住民で連日、大賑わいだ
市民球団として地域住民から熱烈な応援を受ける「広島東洋カープ」。そうしたカープファンと地域住民で連日、店内が賑わう居酒屋がカープ鳥だ。1980年に広島・薬研堀の小さなお店からスタートしたカープ鳥は、直営とフランチャイズの両輪で順調に出店を重ね、これまでに広島市内で13店を展開。さらに2016年9月にはハワイ・ホノルルに海外1号店をオープンしている。
カープは2016年、2017年と2年連続でセリーグ優勝を遂げたが、カープ鳥では優勝イベントとして優勝翌日に全店でフードとドリンクの無料サービスを実施した。2017年の優勝イベントでは主力商品の焼鳥の注文数は1日で各店平均1800本、全店合計で実に2万本以上をサービスしたという。
優勝イベントに限らず、カープ鳥にはカープの応援を盛りあげる仕掛けがさまざまに用意されている。44品を揃える串焼きは1本1本にカープの選手名がつけられ、注文時には「緒方監督と鈴木誠也を4本ずつ」といったお客様の言葉が飛び交う。客席も「菊池涼介」や「丸佳浩」など座席ごとに選手名が割り当てられている。そして該当の選手がホームランを打つと、ホームラン賞としてボトル焼酎を進呈するのだ。
お客様の支持を獲得するために商品力の磨きあげにも余念がない。鶏肉は鮮度の高いブランド鶏「高宮鶏」を養鶏場から直送で調達しており、カット、串打ちなどの仕込みを各店で手がける。焼き手も研修を受け、試験に合格したスタッフが責任者として高品質化を徹底している。
串焼き以外の料理は店ごとにメニューが異なるが、毘沙門スタジアム店では1g15円で量り売りをする泳ぎ活イカ刺しが名物商品だ。店内には生け簀が設置され、イカや魚介の活造りといった刺身の品揃えを厚くしている。
カープ鳥が社訓に掲げるのは「愛」である。「料理も接客も心を込めることでお客様の喜びにつながる」と牟田亮介社長が言うように、マニュアルに頼らない顧客本位のサービスもカープ鳥が幅広い客層から支持される理由のひとつになっている。
1本1本にカープの選手名をつけた焼鳥が創業以来の看板商品。焼鳥に使用する高宮鶏は広島県北部の安芸高田市で飼育されるブランド鶏で、新鮮な鶏肉を店内で串打ちにして高品質を追求している。男気コース焼鳥9本セットは売れ筋1位の三枚肉しそ巻やねぎま、手羽先、牛ヒレ、ピーマン肉詰など、味わいが異なる串焼き9本をセレクトし、価格は1500 円。
店内の液晶テレビで野球中継を映すとともにお手製のスコアボードを掲示。各客席に選手名を振り分け、該当選手が本塁打を打つと焼酎を進呈するなど、応援を盛り上げるさまざまな仕掛けを用意する。
焼鳥、もつ鍋、広島風つけ麺が定番メニューの3本柱。もつ鍋は創業者の牟田和美会長が開発した醤油ベースのだし、つけ麺は店長だけがレシピを知るスープなど、各商品が独自の売りを備える。
カープ鳥は創業以来、愛を社訓として掲げる。商品への愛が品質アップ、従業員同士の愛がチームワークの礎になっており、お客様への愛がマニュアルに頼らないきめ細やかな接客につながっている。
店名/本格派炭焼やきとり処カープ鳥 毘沙門 スタジアム店
住所/広島市安佐南区緑井3-11-21
電話/082-877-8989
店舗規模/80坪110席
営業時間/月~土、祝前日17:00~24:00(L.O.)
日、祝17:00~23:00(L.O.)
定休日/無休
客単価/3700円
1日平均客数/平日50人 週末160人
URL/http://www.carpdori.com/