繁盛店の扉 サッポロビール 飲食店サポートサイト

  • 業界情報業界情報
  • rise webrise web
  • ドリンクピックアップドリンクピックアップ
  • ビヤアカデミービヤアカデミー
  • お問合せお問合せ

食材探検隊

モチモチとした新食感 生そうめん

 長崎・島原は300軒以上の製造所が軒を連ねるそうめんの街。かつては生産者だけが食べていた出来たての生麺を製品化したのが㈲ふるせの「生そうめん」だ。そうめんは乾麺が主流であり、生麺は希少性の高い食材。乾麺とは異なるモチモチとした独特な食感やコシがあり、アイデア次第でさまざまな料理に活用できる。

全国有数の生産量

 雲仙岳からもたらされる豊富な伏流水、有明海の沿岸で生産されていた塩、麺の乾燥に向いた温暖な気候。そうめん造りに適した条件が揃う島原半島は、古くからそうめんの名産地としてよく知られていた。いまも半島南部に位置する南島原市を中心にそうめん製造所は300軒以上もあると言われ、全国でも有数の生産量を誇る。
(有)ふるせはそうしたそうめん製造所の1軒だ。1965年の創業当初はそうめんの販売業を手がけ、1988年からそうめんの自社製造をスタート。三代目の古瀬智裕さんは「そうめんはまだまだ工夫の余地が大きい食材」と言い、麺に梅干しや五穀を練り込んだそうめんを編み出すなど、そうめんの新たな価値を追求した製品開発に積極的に取り組んでいる

  • 生そうめん
  • 梅そうめん
  • 五穀そうめん

ふるせ三代目の古瀬智裕さんは新しいそうめんの開発に積極的に取り組む。生地に梅肉を練り込んだ梅そうめんは麺をすするとすっきりとした梅干しの風味が口に広がり、小麦粉、黒米、ひえ、あわ、きびを合わせた五穀そうめんは穀物由来の香ばしい風味が特色。梅そうめん、五穀そうめんは10 年ほど前、生そうめんは5年ほど前から販売をはじめた。生そうめんの製造時期は3 月〜8月。

全国的にも希少な生麺

 古瀬さんが開発したそうめんの新製品のひとつが「生そうめん」である。そばやうどんであれば生麺はめずらしくないが、仕上げに麺を乾燥させるのがそうめんの標準的な製造方法。そのため、そうめんの生麺を製造する業者は全国的にも非常に少なく、島原ではふるせ1軒のみとなる。
生麺と乾麺の製造工程そのものにほとんど違いはない。「箸わけ」(下記(5)参照)を済ませたら、乾燥させずに麺を切断したのが生そうめんとなるが、これによって食感が大きく変わるのが特筆される。
乾麺のそうめんはしっかりした歯応えが特色だが、それに対し、生そうめんは極細の麺から想像できないようなもっちりとした力強い弾力がある。そして、つるっとした心地よい喉越しの後に、生麺ならではの小麦の風味がほんのりと広がる。

出来たてを食べたい

 ふるせではそうめんの「手延べ体験」イベントを開催している。通常のそうめんは衛生面の規定によって生麺で提供することはできないが、イベント時に「出来たてのそうめんを食べてみたい」という声が多かったことから、2012年頃から製品化に向けた研究に着手。乾麺は強力粉主体、生麺は中力粉主体と小麦粉の配合比率を変え、加水率も調整するなど1年ほどかけて生そうめんを開発した。
下記に古瀬さんが勧める生そうめんを使った料理例を挙げた。「そうめんは夏のイメージが強いですが、生そうめんをパスタ代わりに使うなど、飲食店様にはさまざまな料理に活用していただき、そうめんをオールシーズン楽しんでもらいたいですね」と古瀬さんはの思いを語る。

  • 棒状の生地を縒よ りをかけながら細く伸ばす「こなし」
  • 「掛け巻き」では2本の棒に生地を8の字に綾がけする。
  • 室箱に入れて湿度を一定に保ちながら生地を熟成する。 
  • 「小引き」で生地を60cm ほどに延ばし、熟成した後にさらに「大引き」で長さ2mほど、太さ1.3 ㎜以下に延ばす。
  • 長い箸を使ってくっついた麺をバラバラにする「箸わけ」
  • ふるせの事務所と売店が入る蔵。 
  • 島原半島は湧水が非常に豊富。良質な水に恵まれていたこともそうめんの名産地になった理由のひとつ。
  • 箸わけをしたら、通常のそうめんは一晩乾燥させるが、生そうめんは乾燥の工程を経ず、すぐに切断してパッキングする。麺の長さは通常のそうめんの19 cm に対し、生そうめんは30cmと長めにカットする。 
  • 通常のそうめんとはまったく異なり、モチモチとした食感にゆであがるのが生そうめんの特色。 
  • レギュラー製品の「手延べ素麺」、変わりそうめんの「五穀素麺」と「梅素麺」、「生素麺」がふるせの主要製品。パッキングの工夫によって生そうめんの賞味期限は3カ月を確保している。
  • そうめんはまだまだ工夫の余地が大きい食材。そう考え、モチモチとした食感の生そうめんや梅干しの風味を付加した梅そうめんなど、これまでにないそうめんの価値を追求した新製品を積極的に開発しています。そうめんは夏のイメージが強いですが、島原では地獄炊きなどとしてオールシーズンでそうめんを食べます。飲食店様にも生そうめんを使い、これまでのそうめんのイメージを変えるようなメニューを編み出していただきたいですね。
    (有)ふるせ三代目 古瀬智裕さん
  • 長崎県内の南東に位置する島原半島は島原市、南島原市、雲仙市の3市で構成され、面積は約467㎢。普賢岳を中心とする雲仙山系、それに連なる穏やかな丘陵、海岸沿いに広がる平野部で構成されている。そうめん伝来には諸説あるが、一説には1637 年に勃発した「島原の乱」の後、人口が激減したため、他地域の農民が移住、そうめん造りが盛んだった讃岐国・小豆島の移住者が手延べそうめんの技術を島原に伝えたといわれる。いまでは南島原市を中心にそうめん製造所が300 軒以上も点在している。
rise web TOPへ