国産牛の赤身肉の魅力を前面に打ち出した新たなスタイルのステーキ店「ステーキ食堂BECO」。1号店のオープンは2014年だが、すでにBECOグループとして大阪府下に5店を展開する大ヒットを飛ばしている。
(株)JACKALMANの金栄釱(キムヨンデ)社長はラグビー日本代表のフランカーとして活躍した異色の経歴を持つ飲食店経営者だ。2014年に現役を引退すると飲食業への参入を決意。同年8月にステーキ食堂BECO京橋本店を大阪・京橋に開業した。
2015年10月にはフードメニューの幅を拡げた「ステーキ倶楽部BECO」、2016年3月には割烹スタイルで肉料理を提供する「肉炉ばたBECO」を出店。2017年にはステーキ食堂BECO のフランチャイズ1号店をオープンするなど、積極的に出店を重ね、すでに大阪府下で3ブランド計5店まで店舗網を拡げている。
ステーキ食堂BECOの商品力の要となるのが、北海道・士幌産のブランド牛・しほろ牛の品質だ。十勝平野の北部に位置する士幌町で飼育されるしほろ牛は脂肪分が少なく、柔らかでジューシーな肉質が特色。金社長は牛肉をセレクトするうえで「柔らかく、旨味がある赤身肉」を選択基準としたが、しほろ牛はその条件にぴったりと合う牛肉だった。
ステーキは異なる赤身の旨味を味わえるサーロイン、リブロース、フィレの3つの部位を用意。「好みのサイズの塊肉を食べていただきたい」(金社長)とサーロインは1g9円、リブロースは1g8円、フィレは1g20円のオーダーカットのシステムを採り入れているところにも個性が光る。
ステーキはまず肉の表面を炭火で香ばしく焼き、余熱で肉の中心部に火を通してミディアムレアに焼きあげる。焼き手は総料理長が認定したスタッフのみが担当するなど、品質の安定化にも余念がない。
金社長がステーキ食堂BECOでめざしたのが、「週1回、利用できるステーキ店」だ。赤身肉を使ってヘルシー感を訴求するとともに、ディナー客単価を4500円に抑制。「ステーキ専門店は高級なイメージが強い」(金社長)が、客単価を5000円以下に抑えることにより、ステーキ専門店のミドルアッパーマーケットを掘り起こした。
「肩肘を張った店にしたくないので、接客は『近付きすぎないサービス』を心がけています」と金社長は説明する。来店客の主要年齢層は20代後半~60代で、男女比率は5対5と幅広い客層の支持を獲得。毎週のように来店する常連客も少なくなく、金社長の狙い通りの客層、利用動機を吸収している。
脂肪分が少なく、柔らかな肉質のしほろ牛を使ったステーキがメニューの柱。適度に脂が乗って旨みが濃いリブロース(写真左奥)、脂が少なく、あっさりとした味わいのサーロイン(同手前)、噛む力が必要ないほど柔らかく、上品な肉質のフィレ(同右奥)とタイプが異なる3つの部位を揃える。肉は注文ごとに塊肉からカットしており、リブロースは1g8円(300g~)、サーロインは1g9円(200g~)、フィレは1g20円(150g~)の価格で50g単位のオーダーカットのシステムを採り入れている。
北海道・士幌産のブランド牛「しほろ牛」をステーキに使用。脂肪分が少なく、柔らかな肉質が特色で、ヘルシーなステーキを前面に訴求している。
ステーキの価格はサーロイン1g9円、リブロース1g8円など。「好みのサイズの塊肉を食べていただきたい」(金社長)と、オーダーカットのシステムを採る。
金社長がめざしたのは「週1回、利用できるステーキ店」。客単価を4000円台に抑え、ステーキ店としてミドルアッパーのマーケットを掘り起こしている。
店名/ステーキ食堂 BECO京橋本店
住所/大阪府大阪市都島区 東野田町1-15-12
電話/06-7172-9069
店舗規模/12坪20席
営業時間/11:30~14:00(13:30L.O.)
17:00~23:00(22:00L.O.)
定休日/無休
客単価/昼1100円、夜4500円
1日平均客数/90~110人