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さかとけ

都市化が進む大阪・阿倍野エリアの、大型ショッピングモールの一角に設けられた飲食街。そこにお店を構える立ち呑み酒場「さかとけ」。高品質な鮮魚や肉を使った料理を庶民価格で提供して連日お客様で賑わっている。

8坪に連日100人

 8坪と小体な規模ながら連日100人近くを集客する「さかとけ 」。同店を経営するreor ㈱は、〝居酒屋ファミリーレストラン〟と銘打って和洋中の料理を実に350品揃えた居酒屋「食悦堂」を2007年5月に開業。その後も阿倍野エリアを中心に店数を増やし、2017年7月に4店目となる同店をオープンした。

低価格と高品質を両立

 さかとけのフードメニューも定番と日替わりを合わせて約150品と充実。刺身、焼鳥、おでんといった居酒屋メニューに加えて、麻婆豆腐350円や能登豚の酢豚380円といった中華メニューも織り交ぜたバラエティ豊かなラインアップだ。
「週に2〜3回来店する常連客様が半数以上を占めますから、第2の食卓として飽きられないよう幅広いメニューを揃えました」と平岡公威社長は語る。
もちろん価格も庶民の味方。フードの大半を80〜450円に値付けして、気軽な利用を促している。その一方で希少な能登牛や能登豚の串焼き3品を170〜220円で提供。また最高値の、本日の鮮魚ぜいたく盛り1人前999円では単品原価率50%超を投じて高品質な刺身5種を盛り付けるなど、味にも妥協はない。こうした営業姿勢が、常連客を中心に連日ごった返している理由だ。
ドリンクは50品前後を150〜480円で揃える。売れ筋は290円のお値打ち価格で提供するサッポロ生ビール黒ラベル〈樽生〉だが、サッポロラガービール大びん440円の人気も高く、日によっては生ビール注文を上回ることもあるほどだ。

新規客にも常連体験

 またフードでは“あれ”80円、ドリンクに“アルコールやったら何でもええわ”150円という謎めいたメニューがあるのが気になる。
「“あれちょうだい”と言うといつも注文している料理が出てくるのが常連客の特権。そんな常連客気分を新規のお客様にも体験していただこうと考えたわけです」と平岡社長は笑いながら説明する。アルコールやったら何でもええわも同様の考えから採用した。提供する商品はロス抑制の狙いも兼ねて選んでいたが、想定以上に注文するお客様が多いことから、今やわざわざ日替わりの一品を作るようになったという。
今後の展開について平岡社長は「スタッフ全員の意見が一致した時に新店を出す方針を採っています。スタッフの成長とモチベーションに足並みを揃えた展開をしていきたい」と語る。

写真手前の品は左からせせり黒胡椒炙り390円、日向鶏のタタキ350 円、生肝の炙り410円。右の本日の鮮魚ぜいたく盛は取材時はサヨリ、マダイ、オトク、マグロねぎとろ、ウニの5種盛りで2人前1800 円。奥の串焼きは手前から能登豚ロース180 円、同ばら170 円、能登牛ばら220 円。左の麻婆豆腐350 円はユニークな名称で7段階に辛さの調整が可能。サッポロ生ビール黒ラベル〈樽生〉は290 円で提供。
平岡社長が独立前に勤めていた鮮魚店から仕入れる鮮魚は大型のマダイや紅ズワイガニなどといった高品質なものばかり。魚種はその日の仕入れ状況によって変わる。

自慢の一品明美おかんの土手焼き

お客様から「名物はないの?」と尋ねられたことをきっかけに開発したのが明美おかんの土手焼き250 円だ。白味噌と赤味噌の合わせ味噌で煮込んで、平岡社長のお母様が作る家庭の味をそのまま再現している。また飲食店では土手焼きは牛すじ肉やこんにゃくを串打ちして煮込むが、さかとけでは皿に盛り付けて提供。家庭料理らしさを全面に打ち出すことで、親しみ深い一品となっている。東京にある大阪のアンテナショップでも販売している。

繁盛ポイント

立ち呑み酒場で150品刺身も麻婆豆腐も揃える

「常連のお客様に第二の自宅のように使ってほしい」という平岡社長の想いから毎日来ても違う料理が食べられるようフードの品揃えを充実させている。

高品質な鮮魚、肉の料理をお値打ち価格で提供

平岡社長が独立前に修業していた鮮魚店から届く鮮魚や、足繁く通って産直ルートを開拓した能登牛と能登豚といった高級店品質な食材を低価格で提供する。

新規客も馴染みやすい雰囲気づくりを一工夫

スタッフに「あれ」と言うだけで料理が出てくる常連客の特権をそのままメニュー名にしてしまうなど、新規のお客様も常連客気分を楽しめる工夫をしている。

SHOP DATA

店名/さかとけ
住所/大阪市阿倍野区阿倍野筋1-6-1
あべのキューズモール1F
電話/06-6643-1215
店舗規模/8坪(立ち呑み最大30人収容)
営業時間/13:30〜24:00 土・日・祝 11:30〜24:00
定休日/無休
客単価/1600円
1日平均客数/100人

  • 写真中央が平岡社長。「お客様が思いおもいの楽しみ方ができるようなサービスを心がけています」と語る。
  • お店が立地する天王寺、阿倍野駅前の商業施設「あべのキューズタウン」1階に設けられた専門店街「Via あべのWalk」は都市開発が進む以前の大衆酒場が軒を連ねていた当時の面影を再現している。