改革アクション
毎月や年間の売上目標に達していないからといって、 無理な割引や強引なお勧めをしてしまうと逆効果になる場合も。 大切なのは、日々の営業成績だけに振り回されることなく、 継続的に売上げや顧客満足を上げる下地をつくっておくこと。 そのために実践してもらいたい「アクション」をご紹介します。
不満足要因
継続的に顧客満足や売上げをアップさせる下地をつくるためには、まず“顧客不満足要因”の解消、つまり既存の顧客がお店を離れていかないように、来店されるお客様が不愉快に感じることを徹底的になくす必要があります。
飲食店でお客様が不満を感じる主な要因を挙げると、(1)従業員の接客態度が悪い、(2)料理の提供が遅い、(3)料理がまずい(提供温度や見栄えも含む)、(4)お店が汚い(居心地が悪い)などがあります。
こうした、お客様の不満の要因になりそうな事柄や、過去にクレームになったケースを左頁の図のように「ネガティブチェックリスト」として細かにリスト化し、すべてのスタッフに共有して顧客不満足要因の解消を図りましょう。
顧客満足を高める
次に、顧客満足度を高めるアクションを起こします。
お店ですぐに実践できるシンプルなアクションとしては、(1)笑顔での挨拶や返事、(2)お客様の名前を覚える(名前で呼ぶ)、(3)ちょっとした気遣い(お茶や冷たいおしぼりなどのサービス、荷物スペースを空ける)などがあります。
なかでも「笑顔での挨拶」は最も簡単で効果的なアクションです。入店時に気持ちの良い挨拶があれば、お客様はそれだけで「いいお店だな」と好感を持ってくれるもの。普段からお店の全スタッフで入店時の挨拶練習を行うと同時に、店長自らも笑顔での挨拶を実践することが重要。また、「いい笑顔で気持ちの良い挨拶だったね」などと、笑顔で挨拶ができているスタッフを褒めることも大切です。
売上げアップに繋げる
「客数」と「客単価」のどちらかを上げれば売上げは必然的に上がります。「客単価」を上げるには、料理やドリンクなどの「一品単価」を上げる、またはお替りドリンクの杯数増など「注文点数」を上げるといった方法があります。とはいえ、安易なメニュー改訂などは顧客離れにつながる可能性も…。まずは「客数」を上げることを考える方がベターです。
客数を上げる取り組みを行うには、「新規客」と「既存客」を分けて考えます。
- リピートを増やす
- 既存のお客様には、次のような再来店の頻度を高めるためのアクションを実施しましょう。
(1)スタンプ(ポイント)カードや次回割引券の配布
(2)回数券等、先払いによるディスカウント
(3)ボトルキープやマイグラス(箸)などのサービス
(4)お誕生日等のアニバーサリーサービス
(5)イベントの企画(◯◯フェア、周年祭等)など - 新規客を増やす
- 対して、新規客を獲得するためには次のようなアクションが効果的です。
(1)既存客からのご紹介サービス(ご紹介券)
(2)店頭の目立つ演出
(3)SNSを使った情報発信(メニューの写真だけでなく、お店の雰囲気やスタッフの顔が見える投稿も効果的)など
効果的な店内販促企画
ここまでにご紹介したように、顧客満足や売上げを向上させるためのアクションには、大きな販促費をかけずにできるものがたくさんあります。
加えて、ぜひ実施したいのが、「店内販促イベント」です。店内販促イベントを成功させるポイントは、スタッフをきちんと巻き込むこと。
たとえば、期間限定で決まった商品の注文数を競う「お勧め売りコンテスト」や、スタッフが考案したメニューを選考・商品化して売上げを競う「新メニュー開発コンテスト」など、スタッフが楽しみながら参加できる企画もいいでしょう。
チーム戦にすればスタッフ間のコミュニケーションも取れてより盛り上がりますし、成績優秀者にインセンティブを与えれば、スタッフも高いモチベーションで参加してくれるはずです。左頁の「販売促進企画書」と「イベントカレンダー」を参考に、ぜひ効果的な販促イベントを考えてみてください!
※2018年rise秋冬号より抜粋