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食材探検隊

爽やかな香りが広がる みかん魚

 愛媛県を代表する名産品であるみかんや伊予柑。そうした柑橘類を混ぜた餌で育てるのが愛媛・宇和島の「みかん魚」である。「みかんブリ」や「みかん鯛」など複数のみかん魚があるが、いずれも「みかんが香る魚」に仕上げられていることが共通するポイントだ。養殖魚に新たな価値を見出したみかん魚の魅力にスポットを当てる。

みかんの香りがする魚

 リアス式海岸が広がり、宇和島湾などの穏やかな内湾に面する愛媛県宇和島市は、全国でも有数の養殖魚の生産地。この地で2012年から養殖されるようになったのが「みかん魚」だ。
いうまでもなく、みかんや伊予柑をはじめとする柑橘類は愛媛県の名産品。ジュースなどの加工品を製造する際に残る柑橘類の絞りかすやそこから抽出したオイル。それらを混ぜ合わせた餌を使って「みかんの香りがする魚」を育てている。
年間の生産量は1尾4~5㎏サイズの「みかんブリ」は約8万尾、1・6~2㎏サイズの「みかん鯛」は約9 万尾。2014年から生産をはじめた「宇和島サーモン」も1尾1・5~1・7㎏のサイズで、現在は年間で約6万尾を生産している。

  • 【みかんブリ】
  • 【みかん鯛】
  • 【宇和島サーモン】

みかんの香りを醸す精油成分「リモネン」は、みかん魚の脂に多く含まれる。そのため、脂が乗ったみかんブリや宇和島サーモンの刺身は鮮烈なみかんの風味が香り、みかん鯛も淡泊な旨みの中に柔らかなみかんの香りが含まれる。出荷時期はブリが1~3月と8~ 10 月、鯛が通年。サーモンは4月のみに出荷時期を限定している。

精油成分「リモネン」が鍵

 「果物に含まれるポリフェノールの作用で、血合いが変色しにいブリを開発しようとしたのがみかん魚が生まれたきっかけ」と説明するのは㈱宇和島プロジェクト関東事業部次長の才木康司さん。同社はみかん魚の加工・卸売業を手がける企業だ。
みかんや伊予柑などの柑橘類の皮にはポリフェノールだけでなく、柑橘らしい香りを醸す精油成分「リモネン」が含まれる。
「それを餌に混ぜたところ、みかんのような爽やかな風味を醸す魚が育ったわけです」と才木さんは言う。
みかん魚は愛媛県農林水産研究所(現・水産研究センター)で開発。その技術を養殖事業の仕組みに発展させたのが㈲中田水産だ。同社代表取締役の中田力夫さんはもともと餌の研究・開発に熱心。「餌に混ぜるみかんの量が多すぎると魚の身が細くなる。また、魚も季節によって食欲が落ちたりしますから、それに合わせてみかんの量などを調整する必要があります」とみかん魚の品質を安定化させるために試行錯誤を重ねてきた。

血合いもクセがない

 「リモネンは主に魚の脂に溶け込みます」と才木さんが説明するように、風味の現れ方は魚種によって大きく変わる。たとえば、脂が乗ったブリは刺身でも鮮烈なみかんの香りが広がるが、鯛の香りは柔らかい。また、一般的にブリの血合いには独特のクセがあるが、みかんブリは血合いもすっきりした味わいになるため、「魚があまり得意ではない方にも﹃食べやすい﹄と好評です」と才木さんは言う。
みかん魚は軽く加熱すると風味がより一層膨らむ。下記に示したお勧めレシピのように、刺身などの生食以外にもさまざまな料理に応用可能だ。

  • 写真は㈲中田水産代表取締役の中田力夫さん。研究段階だったみかんブリの養殖に積極的に取り組み、その事業化を成し遂げた立役者だ。
  • 出荷の約3カ月前から、柑橘類を混ぜた餌をブリや真鯛などに与える。夏季と冬季では魚の食欲も変わるため、餌を与える期間や柑橘類の配合量を微調整する。
  • リモネンの含有量が多い愛媛県産の伊予柑を主に使用。
  • ジュースなどの加工品製造で使用した伊予柑などの絞りかすを活用。
  • 伊予柑から抽出した「伊予柑オイル」を餌に混ぜることもある。
  • みかんブリの水揚げの様子。ブリは年間で8万尾ほどを出荷している。
  • みかん魚は水揚げしたその場で神経締めにして鮮度を保つ。 
  • 宇和島プロジェクトではみかん魚の加工・卸売を一括して手がける。
  • みかん魚はラウンド(原魚)以外に、三枚おろしにしたフィーレ、中骨を取り除いたロインを用意。みかん鯛は刺身用の湯引きスライス、スキンレススライスもある。
  • 宇和島の特産品のひとつであるシラス(生食用)も特殊冷凍技術を施して販売している。
  • (株)宇和島プロジェクト関東事業部次長才木康司さん
  • 愛媛県の南部(南予地方)に位置する宇和島市。西側には複雑なリアス式海岸が伸びており、その先には好漁場として知られる宇和海が広がる。宇和島湾や北灘湾など波が穏やかな内湾は日本屈指の養殖漁場でもあり、真鯛は全国1位、ブリは全国2位の養殖生産量※を誇る。出典:農林水産省「平成27年 海面漁業生産統計調査」
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