広島市内の居酒屋マーケットを盛り上げるインスマート㈱の最新店として2017年2月にオープン。スペイン語で「魚市場」を意味する「メルカド」を冠した屋号の通り、全国から直送する多種多様な鮮魚が名物のバルだ
アントニオに入店してまず目に飛び込んでくるのが、多種多様な鮮魚が所狭しと並んだショーケースだ。北海道産のハッカクや青森産のイシガレイ、長崎産のホウボウなど珍しい魚種を含め、全国各地の漁港や漁師などから直送する魚貝の種類は実に30〜40種。その中から色や形が個性的な魚貝20種ほどをショーケースに陳列し、お店の個性を前面に打ち出している。
経営母体のインスマート㈱は居酒屋を中心に広島市内で17店、千葉県で1店の飲食店を多業態で展開。アントニオは同社の最新店だが、「10年ほど前に広島市中央卸売市場の買参権を取得し、さらに全国の生産者を訪ねて産直ルートを開拓。食材の仕入れにはとくに尽力してきましたが、その強みを最大限に活かすため、『地中海の魚市場』をコンセプトとしたバルに着目しました」と店長の中本駿二朗さんは業態開発の経緯を説明する。
仕入れる魚貝の種類が毎日変わるため、フードメニューは日替りのみ。前菜やグリル料理、パスタ・米料理などメニュー表には南欧に留まらない多様な料理を約60品揃えるが、アントニオならではの注文スタイルといえるのが、魚種と調理方法を自由に選べるオーダーメイドの鮮魚料理だ。
メニュー表にはその日に仕入れた魚種と産地を一覧にし、それぞれにお勧めの調理法を記載。お客様がショーケースを見ながら、気になる魚種を選ぶこともできる。鮮魚はお客様の目の前で捌かれ、グリルやカルパッチョ、アクアパッツァなどに調理するが、そうした市場を彷彿とさせるライブ感も売りだ。
鮮魚料理のオーダーメイドは料理人に魚貝の豊富な知識と卓越した調理技術が求められる。また、「お客様が初めて見る魚貝も多いですから、『フィッシュマン』という魚貝に詳しいスタッフがそれぞれの魚種や適した調理方法を解説しています」と中本さんは言う。
ドリンクは「グリルした魚貝にぴったり合うビール」(中本さん)として琥珀ヱビス〈樽生〉を用意する。また、ワインは鮮魚料理にフィットする飲み口のものを中心にセレクトし、グラスで8種600円〜、ボトルで33種2800円〜をラインアップ。客単価4000円で、アルコール売上げ比率は40%を確保する。
新鮮な魚貝を使ったグリル料理を盛り合わせたアントニオの名物料理。魚1種と貝2~3種を盛ったオーシャンズスター3000 円、魚1種とエビや貝など4~5種を盛ったスーパーオーシャンズ4500 円がある。魚貝の種類はシェフのお任せもあるが、お客様自身がショーケースの魚貝を見ながら選ぶこともできる。
ショーケースからセレクトした鮮魚をその場で捌き、グリルに する臨場感も売りのひとつだ。
広島市中央卸売市場の買参権を持ち、全国各地の20 カ所以上の漁港、漁師などと直接取引のルートも開拓。毎日30~40 種の多種多様な鮮魚を仕入れる。
ショーケースに並ぶ鮮魚を見ながらお客様が魚をセレクト。好みの調理方法、その魚種の旨みを引き出す調理方法を施したオーダーメイドの鮮魚料理を提供する。
魚貝に精通したスタッフとして「フィッシュマン」をキッチン、ホールに各2人配置。お客様が初めて見る魚種の特徴やお勧めの調理方法などを丁寧に解説する。
店名/MERCADO DE HIROSHIMA Antonio
住所/広島市中区大手町1-5-18
電話/082-546-0777
店舗規模/50坪70席
営業時間/月~金16:00~24:00
土・日・祝日12:00~22:00
定休日/月曜日
客単価/4000円
1日平均客数/平日40人、週末120人