夏だから元気いっぱい!
夏にお客様が求めるものは「刺激」「涼味」「爽快」とか「元気」...。暑い日常から抜け出して非日常に浸りたい、という思いも募ります。いい例が「ビアガーデン」でしょう。ただ、ここはひとつよりマニアックにお客様に対応してみるのはいかがでしょうか。一度体験すると「また行きたくなる」商品とサービスの仕組みがあります。
パクチー好きの秘密基地
「パクチー」は東南アジア料理
に欠かせない香味野菜ですが、これほど人によって好き嫌いがはっきりしているものもありません。好きな人にとってはこの香りが脳裏をよぎると、アジアンリゾートの世界に飛んで行きます。
そんなパクチー好きな人達の隠れ家的なお店がビジネス街にあります。小さな古いビルで階段を上がった3階にあり、ドアを開けると可愛い内装で窮屈な感じがパクチー好きの秘密基地の雰囲気を高めています。
お通しもドリンクもパクチー入りですが、同店名物のパクチーをドッカーンと山盛りにしたサラダが運ばれてきた瞬間にテーブルが湧き立ちます。テンションが上がった状態で、おなじみの東南アジア料理をいただくのですが、これぞパクチー好きならではの「ご褒美の夜」です。
ビールのお店でかき氷
クラフトビールのお店は今や一つのカタチになっています。カウンターのお客様は常連客が隣同士でクラフトビール談義をしている......。フードメニューはソーセージやパテがお勧めとか......。そんな中で、天然水かき氷があることで話題のクラフトビールのお店が、繁華街を象徴する街の中にあります。
同店では天然水を「日本の文化」として追求している作り手をリスペクトしています。その氷を極薄に削って、リキュールを使用した同店オリジナルのシロップをかけていただきます。
この天然水かき氷の話題が一人歩きして、天然水かき氷だけを求めてくるお客様もいるようですが、同店ではあくまでも「お酒の酔い覚まし」「お食事の後のお口直し」ということで単品だけの注文をお断りしています。
センベロよりも安い
「センベロ」がチェーン展開している時代ですが、「2杯飲んで1品食べて500 円」というお店が東京の東方面で増えています。
店内はほぼ打ちっぱなしでテーブル代わりにドラム缶が随所に置かれています。そこでは、メニューはドリンクもフードもひたすら安い。
メニューは一般的なものは一通り揃っていて、生ビール250 円、チューハイ150円...とか。コロッケ、しゅうまい3個、カレールー100円...とか。
安い理由は、オーダーは全てキャッシュオンで、食べ終わった食器はお客様が下げるルール。スタッフは店長と調理担当の2人のみです。
設備やオペレーションの合理化の追求で成功している例はたくさんあります。成功例の中では、ともすればヒューマンリレーションに欠ける面が出たりします。
しかし、このお店のすごさは店長のキャラなのです。話題が豊富でお客様を飽きさせない。お店に行くとリピーターが結構いて店長と盛り上がっている。元気と人間力が売り物のお店なのです。
※2017年rise夏号より抜粋