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今からできるロス対策

予定通りの売上があるのに、なかなか思うような利益が出ない。経費の無駄にも気をつけていて、これ以上のコントロールは難しそう・・・。そうしたお店で意外と見落とされがちなのが、小さな経費の無駄の積み重ね。小さな無駄を重ねてキャッシュを失えば、結果として利益を失うことに。そこで今回は、お店で簡単にできる“ロス対策”をご紹介します。

まずは原価をチェック

原価を多くかければ顧客満足度は高まりやすくなり、原価をかけ過ぎれば利益は減少します。まずは相場観に見合った、お客様もお店も満足できる原価設定を行いましょう。とはいえ適正な原価設定をしても、無駄を出しては意味がありません。食材ロスなどを防ぐためには、次のような取り組みが有効です。

1.歩留まりロス※
 たとえば一人前100g の大根サラダを作る場合、一本200円・重量1kg の大根が、葉を落として皮を向いたら900g に。この場合、約1人前分(100g)のロスが出ることになります。歩留まりの悪い食材は、端材を利用してふりかけを作るなど、ロスを出さない工夫を徹底しましょう。
2.食材ロス
 消費期限切れで廃棄する食材は、最も無駄な経費になります。必要以上に売り切れを恐れず、商品別の売上個数を見極めて、必要な量だけを発注することを心掛けてください。予想以上の来店があった場合は勇気を持って「売り切れ」を伝え、代替え商品の提案を。同時に、「人気商品なので、次回ご来店の際にぜひお試しください」といった一言を添えましょう。
3.オーダーロス
 オーダーロスは、お店側が注文を聞き間違えたり、お客様の勘違いなどで発生します。オーダー時の復唱確認も重要ですが、そもそも間違えない商品名にしておきましょう。たとえば、マルガリータとマルゲリータなどは、オーダーミスに繋がりがちなメニューです。そこで、マルゲリータを「チーズたっぷりマルゲリータ」などに変更すれば、単純なミスは無くなります。
4.ポーションロス
 ポーションロスは、商品を余分に盛り付けたり注いだりすることによって発生します。お酒やライスなど、オーバーポーションになりやすいものは簡単に計れる器具(計量カップやレードル)の使用を徹底。オーダーが多い人気アイテムは、あらかじめ計量したものを小分けにしておくなど工夫してください。


※歩留まり...食材の総量に対して実際に商品化できる量や割合のこと。

水光熱費の無駄は?

売上に対して、意外と大きな構成比を占めるのが水光熱費。こちらも、次のような少しの工夫で無駄を防ぐことができます。

1.水道
水道代は、毎月の水道料金をその月の売上げに対する構成比でチェックし、月毎にグラフ化しておくのがおすすめ。「今月は料金が高い」といった場合は、水漏れの恐れもあります。また、勢いの強い蛇口は水圧調整が悪く、無駄な水を使っているケースも。止水栓が付いていれば、マイナスドライバーやコックで調整して水圧を抑えることができます。その他、蛇口やトイレに節水コマをつければ、水道代の節約が図れます。
2.電気
特に、空調をフル回転させる夏場は、エアコンのフィルター清掃をこまめに実施。室外機の前に障害物を置かないことや、室外機への直射日光を防ぐ工夫も、電力の無駄使い防止に効果的です。また、色別のドットシールをスイッチパネルに貼り、黄は朝点灯、赤は18時点灯など、電気の点灯・消灯時間のルールを決める工夫も有効です。
3.ガス
ガス代についても、まずはガス漏れのチェックから。配管結合部分やゴム管の亀裂などを、スプレータイプの試験グッズを利用して確認しましょう。他にも、食器類は軽く手洗いしたうえで食洗機にかける、冷凍品は庫内解凍するといったひと手間で、ガス代の節約が可能です。

家賃の交渉は可能?

毎月の固定費となる家賃は、節約できれば大きな効果に。とはいえ、賃料は契約で決まっているため簡単に変更はできません。家主の心象が悪くなるなど、安易な交渉はリスクも伴います。交渉する場合は、しっかり準備をして臨みましょう。

1.収支結果をオープンに
まずは、お店の収支状況を家主に素直に相談すること。正直に現状を話すことで、交渉に応じてもらえる場合もあります。難しい場合は資金繰りの状況などを鑑みて、期間限定の値下げなどを交渉してみましょう。
2.相場を知る
物件情報サイトや独自に相場を調査しているサイトなど、地域の相場をあらかじめ調べておくことも大切。相場に対して高すぎる場合は、交渉に応じてもらえる可能性が高くなります。

※2017年rise夏号より抜粋

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