日本フードサービス協会、3月の外食売上高は7.0%増と前年を上回る
日本フードサービス協会(JF)は、会員企業(有効回収事業者数222社・店舗数36,405店)を対象とした2025年3月度の外食産業動向を発表した。なお、本調査は、新規店も含めた全店データを業界全体および業態別に集計し、前年同月比を算出したもの。
3月は、月初の降雪で宴会のキャンセルなど影響を受けた業態もあったが、後半は歓送迎会、春休みの家族需要もあり、外食全体の売上は前年比107.0%となった。また、3月として訪日外客数が過去最高を更新したインバウンドもプラス要因となった。外食全体の売上は比較的堅調となったが、物価高騰が続く中、消費者の選別は進んでおり、一部業態・企業では客数が前年割れするなど、業種間・企業間で差が見られた。備蓄米の放出が始まったが値上がりが続いていることも、経営圧迫の一因となっている。
全体および業態別の対前年同月比は以下の通り
■全体【売上高107.0%・店舗数100.4%・客数102.5%・客単価104.4%】
■ファーストフード業態【売上高107.5%・店舗数100.9%・客数102.6%・客単価104.7%】
FFの全体売上は107.5%となった。業種別売上は、「洋風」は、定番の季節商品や期間限定の新商品、値引きキャンペーンなどが好調で106.3%。「和風」は、異物混入報道で客数に影響が出たが、客単価がカバーし110.8%となった。「麺類」は、春休みの家族需要と、割安感のある商品が消費者に支持され108.7%。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、引き続き価格改定による単価上昇で売上は昨年を上回ったが、回転寿司の高単価品の伸び悩みや客数減が売上を下押しし105.6%。「その他」は、「アイスクリーム」が気温の寒暖差が大きい中で暖かい日の販売が堅調、「カレー」は値上げでデリバリー客が減少も客単価がカバーし、全体の売上は106.3%となった。
■ファミリーレストラン業態【売上高107.0%・店舗数99.3%・客数102.8%・客単価104.1%】
FRの全体売上は、月初の降雪などが客足に影響したところもあったが、春休みや卒業シーズンで家族客のハレ需要が堅調、また低価格業態が引き続き好調で107.0%となった。業種別売上高は、「洋風」は105.8%、「和風」は110.9%、「中華」は112.7%となった。「焼き肉」は、価格改定で客単価は前月より増えたが、これまで若年層や家族客に支持されてきた「食べ放題」業態を中心に客足が伸び悩み100.7%となった。
■パブ/居酒屋業態【売上高100.8%・店舗数100.6%・客数99.0%・客単価101.8%】
飲酒業態は、歓送迎会需要はそれなりにあったものの、法人を中心に大きめの宴会が戻りはじめた前年に比べて、今年は小規模宴会のほうが多く、月初の降雪で予約のキャンセルもあり、客数が減少、売上は100.8%とほぼ横ばいの結果となった。
■ディナーレストラン業態【売上高107.0%・店舗数101.6%・客数106.4%・客単価100.5%】
DRは、花見シーズンと過去最高のインバウンドで、都心部を中心に需要が引き続き好調、また卒業シーズンと春休みが重なり、お得感のあるランチメニューが家族連れなどに好評で、売上107.0%となった。
■喫茶業態【売上高108.2%・店舗数100.4%・客数101.0%・客単価107.1%】
喫茶業態は、日々の気温の変動が大きく、寒い日は客足にも影響が見られたが、原料高をカバーするための価格改定で客単価が上昇し、売上108.2%となった。
記事配信・制作協力/外食ドットビズ
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