日本フードサービス協会、7月の外食売上高は20ヶ月連続で前年を上回る
日本フードサービス協会(JF=ジェフ)は、協会会員社(有効回収事業者数226社・店舗数36,584店)を対象とした外食産業市場動向調査2023年7月度の集計結果を発表した。なお、本調査は、新規店も含めた全店データを業界全体および業態別に集計し、従来の前年同月比に加えて2019年同月比も算出している。
コロナの5類移行後は、各地で花火やお祭りなどのイベント再開で人流回復が進み、インバウンドの回復と相まって、7月の外食需要は堅調に推移した。九州などで豪雨の影響を受けたものの、関東などでは好天が続き、全国の平均気温がこの100年余で最高を記録するほどの暑さの中、夏の季節メニューが好調、全体売上は114.2%となった。ただし19年比112.6%は、相次ぐ客単価の上昇と19年7月が長雨低温で売上不調だったことが背景にある。
全体および業態別の対前年同月比は以下の通り、( )は2019年比
■全体【売上高114.2%(112.6%)・店舗数98.7%・客数106.6%・客単価107.2%】
■ファーストフード業態 【売上高110.9%(124.4%)・店舗数99.6%・客数104.0%・客単価106.6%】
FFの全体売上は110.9%、コロナ禍前の19年対比では124.4%となった。業種別売上は、「洋風」は季節メニューや新商品、コールドドリンクが好調で107.3%。「和風」は、定番商品の堅調と土用の丑のうなぎ需要もあり114.8%。「麺類」は、冷たい新商品が若年層や女性を中心に好評で119.2%。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、「回転寿司」が都心部でのインバウンド回復もあり108.3%。「その他」は、「カレー」が都心部の繁華街店舗で売上が回復、「アイスクリーム」は気温上昇で夏季キャンペーンが好調、115.7%となった。
■ファミリーレストラン業態【売上高117.5%(104.2%)・店舗数98.6%・客数111.5%・客単価105.4%】
FRの全体売上は前年比117.5%、19年比は104.2%となった。7月は、気温の上昇で冷たいメニューが好調。業種別売上は、「洋風」は半額クーポンなどで客数が伸び118.7%。「和風」は、土用の丑のうなぎ需要もあり118.4%。「中華」は、夏季フェアの中で特に辛いメニューが好調で112.7%。「焼き肉」は、駅近繁華街の小規模店でも集客が回復し116.5%となった。
■パブ/居酒屋業態【売上高129.5%(70.2%)・店舗数91.0%・客数120.0%・客単価107.9%】
「パブ・居酒屋」は、気温上昇に伴う夏季キャンペーンもあり、ビール販売が好調。人流回復やインバウンド客の増加で、コロナ第7波の影響を受けた昨年7月との対比では売上129.5%となったが、依然として店舗減少が影響し、19年比では70.2%となった。
■ディナーレストラン業態【売上高121.1%(98.2%)・店舗数93.7%・客数116.2%・客単価104.3%】
DRは、客単価の高いインバウンド客の回復が続いており、売上は121.1%、19年比では98.2%となった。気温上昇に伴い、SC等商業施設立地の店舗は好調も、一部の路面店では猛暑日など気温の高い日中に客足が鈍りがちであった。
■喫茶業態【売上高122.3%(100.5%)・店舗数100.9%・客数110.6%・客単価110.6%】
猛暑日には一部で客足の鈍りがあったが、観光地、ターミナル、オフィス街立地の商業施設などで人流の回復が見られ、売上は122.3%、19年比では100.5%となった。
記事配信・制作協力/外食ドットビズ
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