日本フードサービス協会、5月の外食売上高は18ヶ月連続で前年を上回る
日本フードサービス協会(JF=ジェフ)は、協会会員社(有効回収事業者数228社・店舗数36,529店)を対象とした外食産業市場動向調査2023年5月度の集計結果を発表した。なお、本調査は、新規店も含めた全店データを業界全体および業態別に集計し、従来の前年同月比に加えて2019年同月比も算出している。
5月は、8日に新型コロナの位置づけが感染症法2類から5類へと移行し、コロナによる行動制限がなくなり、GW後半の月初から店内飲食の好調が続いた。帰省客、国内観光客、インバウンドともに消費が旺盛で、外食全体の売上は111.8%、19年比でも107.6%となった。ただ、前月同様に売上昨対比は上がっているものの、食材・エネルギー・物流・人件費等の上昇と人手不足による時短営業などが経営上のマイナス要因となっていることは否めない。
全体および業態別の対前年同月比は以下の通り、( )は2019年比
■全体【売上高111.8%(107.6%)・店舗数98.7%・客数103.7%・客単価107.8%】
■ファーストフード業態 【売上高110.4%(120.5%)・店舗数99.8%・客数102.2%・客単価108.0%】
FFの全体売上は110.4%、コロナ禍前の19年対比では120.5%となった。業種別売上は、「洋風」は休日数が1日少ないことや相次ぐ価格改定からか客数にややマイナス影響が出たが、客単価増で売上は堅調を維持し108.9%。「和風」は、コロナの5類移行でビルイン店舗の店内飲食が持ち直し114.0%。「麺類」も、GWに商業施設立地店舗の集客好調などもあり114.3%となった。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、回転寿司がGWの堅調に加え、都心部でインバウンド需要が好調で107.8%。「その他」は、「アイスクリーム」がファミリー需要を狙った大容量容器の販売キャンペーンを実施して108.8%となった。
■ファミリーレストラン業態【売上高112.0%(97.8%)・店舗数98.1%・客数106.3%・客単価105.4%】
FRの全体売上は前年比112.0%、19年比は97.8%となった。業種別売上は、GWの好調に続いて、5類移行後の回復が持続したこともあり、「洋風」111.9%、「和風」114.1%、「中華」110.6%。「焼き肉」も、月間の客足は好調で110.6%となったが、人手不足により営業時間短縮を余儀なくされているところもある。
■パブ/居酒屋業態【売上高122.5%(66.3%)・店舗数90.0%・客数113.2%・客単価108.3%】
「パブ・居酒屋」は、コロナの5類移行により団体等のやや大きめの宴会が少しずつ戻るなど、回復傾向が続き、前年比122.5%となった。しかし、コロナ禍でビジネス街・繁華街を中心に既存店舗の整理が進み、19年比では売上66.3%、店舗数68.5%となっている。
■ディナーレストラン業態【売上高114.6%(97.3%)・店舗数93.8%・客数108.7%・客単価105.4%】
DRは、入国制限撤廃後にインバウンドの回復が続く中、5類移行後は団体客の宴会も少しずつ戻りはじめ、売上は114.6%、19年比で97.3%となった。
■喫茶業態【売上高118.8%(99.4%)・店舗数100.5%・客数106.7%・客単価111.4%】
価格改定後の客単価上昇に加え、5月8日以降はコロナ規制の事実上の撤廃により、各地でイベント再開が活発になり、売上は118.8%となった。
記事配信・制作協力/外食ドットビズ
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