~箱根駅伝に込めるサッポロビールの想い~
2023年1月2日、3日で第99回を迎える箱根駅伝。サッポロビールは1987年の第63回大会から協賛というかたちで箱根駅伝を応援し続けている。箱根駅伝では、選手が歴代OBたちから繋がれているたすきを次の世代に繋いでいるが、サッポロビールにおいてもまた、創業以来146年、選手同様に社員たちは熱い想いを次の世代に繋いできた。37年もの間、箱根駅伝を応援してきたサッポロビールにとって、箱根駅伝はどのような存在なのか。99回大会のCMテーマでもある「想いの継承」というキーワードを軸に、マーケティング本部ビール&RTD事業部メディア統括グループリーダーの横井仁和(にんな)と、おなじくリーダーの谷本陽二郎が箱根駅伝について語った。
―第99回箱根駅伝で37回目の協賛となるサッポロビールですが、協賛のきっかけはあるのでしょうか?
横井仁和(以下、横井):まず、協賛を始めたのは日本テレビさんが箱根駅伝の生中継を開始した1987年(第63回大会)からです。協賛をするようになったきっかけですが、誰もやったことがない、前例のない大きなことに取り組みたいと考え、日本テレビさんと共に取り組みを開始したことがきっかけです。それから37年間協賛し続けています。
―前例のない大きな取り組みということは、箱根駅伝の協賛はサッポロビールにとって大きな挑戦だったのですね。それから37年間協賛し、選手たちを応援し続けている理由はあるのでしょうか?
横井:37年間、ずっと箱根駅伝を応援し続けているのは、箱根駅伝と私たちサッポロビールに通ずるものがあるからだと思います。選手たちと私たちではフィールドは大きく異なりますが、懸命にたすきを繋ぐ選手たちのひたむきな姿や純真さは、サッポロビールが1876年の創業以来、先輩たちから脈々と受け継いできた「モノ造りの姿勢」に通じると考えています。
谷本陽二郎(以下、谷本): “箱根駅伝から世界へ”という大会主催者である関東学生陸上競技連盟が(以下、関東学連)掲げる想いも、サッポロビールとしては世界各国へ海外事業を展開しているので、同じような想いを抱いているのではないかと考えています。そこも協賛理由のひとつにはなっています。
―37年間協賛し続けているサッポロビールにとって、箱根駅伝には相当な注目をされているのではないでしょうか?
横井:社員皆が箱根駅伝を観ているので、社内の注目度はかなり高いですね。視聴率30%を超える番組はなかなかないので、当社内でもやっぱり注目していますし、社内的なインナーモチベーションの向上にもつながっています。やっぱり、自分が所属している会社が協賛している大会が開催され、その大会の番組内でCMが沢山ながれると、新年から嬉しい気持ちになりますよね。
谷本:社内もそうですし、社外からの注目度もやはりかなり高いと思います。例えば、『キリン』さんといえばサッカー、『アサヒ』さんといえばオリンピックというようなイメージがある中で、『サッポロビール』といえば箱根駅伝というようなイメージが定着していると思います。ビール会社の営業は、居酒屋などの飲食店さんとのかかわりがあるのですが、1月が近づいてくると飲食店の方々との会話の中でも箱根駅伝に関連する話もよくでてきますね。
私自身は今まではいち視聴者として家族と観戦していました。今では業務として携われることができているのでとても貴重な経験をさせていただけているなと感じています。
―社内外問わず注目度が高いとなると、周りからの期待も大きいのではないでしょうか。
谷本:1月2日、3日に放送される箱根駅伝用オリジナルCMや、1月1日に報知新聞で掲載される新聞広告は社内外問わず多くの方に見ていただけるので、「期待に応えないと!」という気持ちになります。特にCMは、Twitterなどで多くの方から反応をいただけますし、どんなCMになっているのか、放送前からお客様センターにお問い合わせをいただいたりもします。期待してくださっている方が非常に多いので、とてもありがたいことです。最近では箱根駅伝のことを考えすぎて夢にもでてきます(笑)
―今回のインタビューはCMと同様に「継承」がテーマになっておりますが、サッポロビールのなかで「継承」が感じられるエピソードはありますか。
横井:あまり意識はしていなかったのですが、弊社では担当業務を引き継ぐ際に、「たすきを繋ぐ」といった表現をすることがよくあります。業務において、1代(その当時の担当者)では結果が出ないことも多々あります。後任、そのまた後任者へと想いと共に引き継いで行くことになりますが、その代々の継承を「たすきを繋ぐ」と言っています。箱根駅伝があるからこその言葉なのかもしれません。箱根駅伝に関連する業務においては、代々繋いできたたすきを谷本さんが受け継いでいることになりますね。
谷本:引継ぎの際には、業務内容はもちろんですが、先任がどんな想いで取り組んできたかまで引き継ぎました。これまで多くの先輩方が受け継いできたたすきなので、とても重みがあります。だからこそ、気を引き締めて真摯に仕事に向き合おうと、背筋が伸びます。先任の想いを受け継いで業務に従事しているのは私だけでなく周りも同じ考えなので、想いまで継承する、というのはサッポロビール社員の特徴なんじゃないですかね。
―最近では「それぞれの想いに、乾杯を。」というタグライン※が使用されていますが、この言葉にはどんな想いが込めれているのでしょうか。
谷本:「それぞれの想いに、乾杯を。」は2022年の第98回大会から使用しているタグラインです。スポーツでは選手が注目されがちですが、選手を支える家族の方、選手を指導する監督やコーチ、大会を裏で支える運営スタッフ、声援を送るファン、など多くの方が関わっているかと思います。この言葉は、「箱根駅伝に携わる全ての皆さまが持っているそれぞれの強い想いを応援したい」というサッポロビールの想いが込められています。このタグラインは99回、100回大会でも使用する予定です。
横井:長年箱根駅伝に関わっているサッポロビールだからこそ、大会を支えている多くの人の存在を知っているんじゃないかなと思います。例えば、大会を運営している関東学連は、学生が主体となって運営を行っています。これだけ多くの人の関心が寄せられる大会運営を、学生主体で運営するというのは簡単なことではないと思います。筆頭スポンサーとして、関東学連の学生やファンの皆さんのような、大会を支える側の人たちも応援しています。
今大会で99回を迎える箱根駅伝。歴史や記録のような目に見えるものだけではなく、選手や箱根駅伝にかかわる人の「想い」も受け継がれている。今大会はどのような「想い」が受け継がれるのだろうか。1月2日の号砲はもう目の前である。
※タグライン:「その企業のコンセプトや理念を表したり、その企業や製品、サービスがどんな価値を提供しているか」を端的にあらわすマーケティング用語として使用されています。