「早稲田って、選手から“花田監督”ではなくて、“花田さん”って呼ばれるんですよね。私たちが学生の頃も“瀬古コーチ”ではなく“瀬古さん”って呼んでいました」
2022年6月、母校・早稲田大学に指導者として帰ってきた花田勝彦駅伝監督。“駅伝監督”という肩書きは付いているものの、“花田さん”としての心境は、後輩を想う“先輩”としてのそれだ。
「指導者は辞書みたいなもの。たまには(監督自ら)開いて見せることもあるけど、分からないことがあったら辞書を引くように、君たちのほうから聞いてきてほしい。そして、どんどん知識を吸収していってくれれば」
就任してすぐに、花田監督はこんなことを選手たちの前で話した。
いつの時代も、主体となるのは選手自身。自主性を重んじるのが早大の伝統だ。それは、花田監督が学生だった頃から変わらない。
箱根駅伝に向かう姿勢もそれぞれ。臙脂(エンジ)をまとって箱根駅伝を走ることを夢見て、一般受験を経て入学した選手もいれば、箱根駅伝をステップに世界へ羽ばたくことを目指す選手もいる。
ただ、スタンスは異なっても“勝ちたい”という想いは、みな同じ。優勝候補に挙げられた時はもちろん、予選会から這い上がった時でも、早大の選手からは“優勝”の二文字がこぼれ出る。
それは、伝統校の宿命でもあり、競技者としての本音でもあるだろう。第99回大会の早大は予選会から勝ち上がったチームで、現実的な目標として「総合5位以内」を掲げている。だが、はなから優勝を諦めているわけではない。チャンスがあれば狙いに行くつもりだ。
第2回 プレゼント応募キーワード
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